

朝食でパンを食べているときに、香ばしい香りに誘われて愛犬が欲しがることがあります。しかし、犬にパンをあげてもいいのかわからず、迷った経験があるのではないでしょうか。
また「食パンならいいのか?」「菓子パンはあげたらダメなのかな?」といったように、パンの種類ごとに違いがあるかも気になることでしょう。
今回は、犬はパンを食べても大丈夫なのかについて解説します。
- 犬にパンをあげていいのか
- 犬にパンをおすすめできない理由
- 与えてはいけないパンの種類と食べてしまったときの対処法

Contents
犬にパンをあげてもいい?
犬に食パンやフランスパンといったシンプルなパンであれば、少量与えても問題ありません。
ただし、すべてのパンを与えてもいいわけではなく、市販のパンには中毒症状を引き起こす食材が使われていることもあるため注意が必要です。
また、犬にとって危険な食材が使われていなくても塩分や油分が多いので、与える量によっては健康を害する恐れがあります。
パンの種類によっては少量あげてもいいですが、習慣的に与えるのは避けたほうがいいと認識しておきましょう。
犬にパンをおすすめできない4つの理由
犬にパンを食べさせることをおすすめできない4つの理由を解説します。
- 犬に危険な食材が使われている
- アレルギーの可能性がある
- 塩分が多い
- カロリーが高い
それぞれ詳しく解説していきます。
①犬にとって危険な食材が使われている
市販のパンには甘いものや塩気が強いものなどさまざまな種類があり、なかには犬にとって危険な食材が使用されていることもあります。
以下のような食べ物は犬に中毒症状を引き起こすため、絶対に与えないでください。
- チョコレート
- ぶどう、マスカット、レーズン
- ネギ類(ねぎ、玉ねぎ、にんにくなど)
- マカダミアナッツ
上記のような食べ物を口にすると、少量であっても嘔吐や下痢、痙攣などを引き起こし、最悪の場合は命を落とすこともあります。そのため、このような食材含むパンは食べさせないようにしましょう。
②アレルギーの可能性がある
パンの原料である小麦に含まれるタンパク質の「グルテン」は、犬のアレルギーとなりやすいといわれています。
パンを食べたあとに、痒そうにしていたり、嘔吐したりといった様子があれば、アレルギーがないかを動物病院で検査してみましょう。
③塩分が多い
パンには味をつけたり、生地を安定させたりといった理由で塩分が多く含まれています。
ドッグフードにナトリウムが入っていることからもわかるように、塩分は犬にとっても欠かせない栄養素です。ただし、過剰に摂取することで心臓や腎臓に負荷がかかってしまいます。

主なパンごとの塩分量は以下のとおりです。
- 6枚切りの食パン1枚:0.7g
- フランスパン1切れ(50g):0.8g
- ロールパン1つ(30g):0.4g
- クロワッサン1つ(30g):0.4g
- あんパン1つ(80g):0.6g
- クリームパン1つ(110g):1.0g
- カレーパン1つ(120g):1.5g
犬の1日に推奨されるナトリウム量は体重1kgあたり50mgといわれており、次の式で計算できます。
「体重(kg)×ナトリウム50mg=1日に必要なナトリウム量(mg」
体重3kgの犬であれば1日に必要な塩分量が150mgとなり、必要な食塩量は以下の式で求められます。
「1日に必要なナトリウム量(mg)×2.54÷1,000=食塩量(g)」
3kgの犬の場合で計算すると、1日に必要な塩分量は0.381gです。食塩が0.4g含まれるロールパンを食べただけで、必要な塩分をオーバーします。

④カロリーが高い
パンは糖分や脂質が多く、犬にとってカロリーが高い食べ物といえます。主なパンのカロリーは以下のとおりです。
- 6枚切りの食パン1枚:158kcal
- フランスパン1切れ(50g):140kcal
- ロールパン1つ(30g):95kcal
- クロワッサン1つ(30g):135kcal
- あんパン1つ(80g):216kcal
- クリームパン1つ(110g):260kcal
- カレーパン1つ(120g):347kcal
3kgの避妊・去勢済みの成犬で、1日に必要なカロリー量は256kcalです。そのため、6枚切りの食パンを1枚食べただけで、1日に必要なカロリーの6割以上を占めることになってしまいます。
カロリーの過剰摂取で肥満になったり、あるいはドッグフードが食べられなくなってしまい、栄養バランスが崩れる原因となることでしょう。
そのため、与えるとしても1口程度に留めておくことおすすめします。
犬が絶対に食べてはいけないパンの種類
食パンやロールパン、フランスパンといったパンであれば少量を犬に与えても安全です。しかし、食べてはいけないパンもあります。
どのようなパンを与えてはいけないのかを確認していきましょう!
惣菜パン
惣菜パンにはカレーパン、焼きそばパン、ソーセージパン、コロッケパンなどがあります。なかには、ねぎや玉ねぎ、ニンニクといったネギ類が使われているパンもあり、犬に与えるのは危険です。
ネギ類には犬の赤血球を破壊してしまう「有機チオ硫酸化合物」という成分が含まれており、過剰摂取すれば貧血を起こして死亡する恐れもあります。
体重1kgあたり、15〜30gの玉ねぎを食べると中毒症状が現れるため、中サイズの玉ねぎ(200g)を1/10程度食べていると危険といえるでしょう。
ネギ類の中毒になると以下のような症状が現れます。
- 嘔吐
- 下痢
- 腹痛
- 食欲不振
- ふらつき
- 呼吸困難
- 血尿・血便
また惣菜パンは塩分や油分が多くカロリーが高いため、ネギ類を含んでいなくても犬に与えないでください。
チョコレートパン
チョコレートの原材料であるカカオには、中毒症状を起こす「テオブロミン」が含まれているので、チョコレートパンを与えるのは非常に危険です。
犬はテオブロミンを分解する能力が低いため、体内に長時間残ります。その結果、毒素を体外に出そうとして嘔吐や下痢といった症状が発生するのです。
- 嘔吐
- 下痢
- 失禁
- 震え
- 痙攣
- 呼吸困難
体重1kgあたり20mgのテオブロミンを摂取すると、症状が出始めるといわれており、100〜200mgで致死量に到達します。
一般的なミルクチョコレートでは、1gあたり約2mgのテオブロミンが含まれています。
板チョコ1枚(50g)に100mgのテオブロミン含有しているので、5kgまでの犬が丸ごと食べてしまうとかなり危険な状態となるでしょう。
それ以上の大きい犬でも中毒症状は出ることはあるため、食べさせないでください。

レーズンパン
レーズンは急性腎不全を起こす可能性があるため、レーズンパンは与えないでください。
2001年に初めて中毒症状の報告があったものの、どの成分が原因となっているかはまだわかっていません。
また、ぶどうやマスカットも同様の症状が見られますが、レーズンのほうが中毒リスクが高いとされています。
食べてから1〜5時間ほどで以下のような症状が出ます。
- 嘔吐
- 下痢
- 口からアンモニア臭がする
- 痙攣
- 尿が出ない・少ない
どれくらいの量で中毒が起こるかは明確となっていないため、少量でも絶対に与えないようにしましょう。
菓子パン
あんパン、メロンパン、クリームパンなど甘くて美味しい菓子パンですが、犬には食べさせないでください。
いずれも多量の砂糖が含まれており、与えすぎることで肥満や糖尿病の原因となってしまいます。

犬がパンを食べてしまったときの対処法
食パンやスティックパンといったように、犬にとって危険な食材が使われていないパンを少量食べただけであれば、すぐに病院に行かなくても問題ありません。
ただし、大量に食べた場合はうまく消化ができずに、体調を崩す場合があるため注意してください。動物病院に連絡し、いつ頃にどれくらいの量を食べたのかを伝えて、指示を仰ぎましょう。
食べたパンにチョコレートやレーズン、マカダミアナッツ、ネギ類など中毒症状が起きる食材が入っている場合は、症状がなくてもすぐに病院に連絡しなければなりません。
焦って早く吐かせたいと思うかもしれませんが、自分で吐かせるのは難しく危険なため、やらないようにしてください。

食べさせたいなら犬用パンが安全
基本的に犬には人用のパンを与えないほうが安全であり、栄養バランスも崩れません。どうしてもパンを食べさせたいのであれば、犬用のパンを与えましょう。
犬用パンを手作りする
自宅でも犬用パンの手作りができます。市販のパンと違って材料を選べるため、砂糖や塩を省くなど犬の体に優しいパンが作れますよ。
また小麦のグルテンにアレルギーがある場合は、米粉を使うことで食べられるようになるでしょう。
レシピ検索サイトのクックパッドで検索したところ、犬用パンのレシピが47件ヒットしました。
蒸しパンであれば、小麦粉や牛乳など入手しやすい材料と電子レンジさえあれば作れますので、ぜひ一度試してみてください。
市販の犬用パンを与える
ペットフードのメーカーから、犬用に作られたパンも販売されています。ミルク味、チーズ味、野菜味などバリエーションもありますよ。
市販品であれば原材料も詳しく書いてあり、食べやすいサイズであるため、安心して与えられるでしょう。

犬とパンについてよくある質問
ここでは、わんちゃんとパンについてよくある質問をピックアップしました。
犬がパンに惹かれる理由からどのくらいの量をあげて良いかまで、徹底解説します。
ぜひ、参考にしてください。
Q.うちの犬はどうしてパンが好きなの?
犬は嗅覚が人の数千倍から1億倍鋭いため、パンのおいしそうな香りに誘われてねだっている可能性が高いでしょう。特にトーストしたパンを欲しがる犬が多いようです。
Q. 食パンの耳を犬に与えてもいい?
食パンの耳は少量であれば与えても問題ありません。
ただし、硬くて喉に詰まらせる可能性が高いため、小さくちぎってあげてください。特に子犬や老犬の場合は、水に浸すなどして柔らかくするか、かなり細かくしてあげると安心です。

Q. 3kgの犬にはどれくらいの量のパンをあげられる?
おやつとした与える量は、1日に必要なカロリーの10%ほどが目安となっています。
3kgの避妊・去勢済みの成犬で、1日に必要なカロリー量は256kcalです。そのため、おやつとして与えられるのが約25kcalとなります。
6枚切りの食パン1枚で158kcalありますので、与えるのは1/7や1/8までとしておきましょう。
手作りレシピを実現した愛情たっぷりドッグフード「モグワン」
出典:モグワン
犬には食パンやフランスパンといったパンであれば、与えても構いません。しかし、あくまでおやつであるため、栄養を考えると主食はドッグフードとしたほうがいいでしょう。
そんなドッグフードのなかで、おすすめなのが「モグワン」です。モグワンには以下のような優れたポイントがあります。
- 原材料の56%が放し飼いのチキン肉と生サーモン
- タンパク質27%、脂質10%と高タンパク低脂質
- 野菜やフルーツをふんだんに使用
- グレインフリー(穀物不使用)
- 着色料・香料不使用
このようにモグワンは素材にこだわっており、食いつきもいいことから91%の獣医師が推奨しているドッグフードです。
公式サイトで割引を実施しており、最大20%OFFで購入できるので、ぜひ1度試してみてください!
犬には安全なパンを少量だけ与えよう!
今回は犬がパンを食べてもいいのかについて解説しました。
犬に食パンやフランスパンを少量与えるのは問題ありません。ただし、市販のパンには犬が中毒症状を起こす材料が使われていることがあるため、そのようなパンは絶対にあげないでください。
また、パンは塩分が多くカロリーが高いので、習慣的に食べさせるのはやめましょう。どうしてもあげたい場合は、塩分やカロリーが抑えられた犬用パンがおすすめです。
メインはドッグフードとして、そのようなパンをおやつとして与えるといいでしょう。
