

飼い猫が普段よりも体を掻いている仕草を見ると「ダニが寄生しているのでは...」と不安に感じるでしょう。
- 猫に寄生するダニの種類と発生原因
- ダニがいるか確認する方法と駆除方法
- 猫にダニが寄生しないための予防策
ダニが寄生すると猫は病気にかかるのか、また猫に寄生したダニは人間にもうつるのか、というような飼い主さんが気になるポイントもあわせてこの記事では解説していきます!
Contents
猫に寄生するダニは4種類
家の中には数百万から数億匹のダニが存在しているともいわれています。
特に猫を家の中で飼っていると、一体どれくらいの種類のダニがいるのか気になるのではないでしょうか。
猫に寄生するダニは主に4種類です。ここではその4種類のダニについて紹介していきます。
①マダニ
マダニは細菌やウイルスを介して様々な病気にかかってしまうダニで、猫の場合は貧血や発熱引き起こす原因になっています。
マダニは特に動物に寄生することが多く、動物から吸血して成長しいくのが特徴です。
成長したマダニの大きさは3〜10ミリ程度なので肉眼でも発見しやすく、吸血した後は10倍程度膨らむため、より見つけやすいでしょう。
猫に寄生したマダニは吸血する際に粘液を出すため、吸血されてしまうと皮膚から取り除くのが難しいとされています。
マダニのピークは春と秋
マダニのピークは春と秋が多いとされています。これは春に成虫の活動が活発になり、秋には幼虫が増えることが原因です。
しかし、それ以外の季節は安心できるかというとそうでもなく、年間を通してマダニは活動しています。
また、マダニは緑が多く適度な湿気がある環境を好むため、公園や河川敷に生息することが多いです。

②ヒゼンダニ
ヒゼンダニは猫の皮膚に寄生するダニです。
ヒゼンダニは幼虫も成虫も皮膚から皮膚へと渡り歩くため、猫同士がくっつくと簡単に伝染してしまい、激しいかゆみや皮膚病を引き起こす原因にもなります。
多頭飼育の場合、一匹が感染すると他の猫へすぐにうつる可能性が高いです。
③ミミヒゼンダニ
ミミヒゼンダニは猫の耳に寄生し、耳垢などを栄養源にして増えていくダニです。耳ダニとも呼ばれています。
ミミヒゼンダニに感染すると強いかゆみが発症するので、猫は耳をしきりに掻いてしまい、皮膚を掻きこわしてしまったり外耳炎などの症状にかかってしまったりすることが多いです。
ミミヒゼンダニは他の猫からうつる他に、出生時に親猫から感染するケースもあります。
④ツメダニ
ツメダニにはいくつか種類があり、猫に寄生するのはネコツメダニという、0.5ミリ程度の白くて小さいダニです。その形から別名フケダニともよなれています。
ツメダニに感染するとかゆみは強く出ないものの、背中から腰にかけてフケの発生・湿疹・かさぶた・脱毛などの症状が見受けられるでしょう。
ツメダニは他の種類のダニを栄養源としており、それらのダニが生息している絨毯・布団・カーペット・湿気のある畳などに発生することが多いです。
猫にダニが発生する原因
家の中の掃除はしっかりと行っているし、家猫だからダニは発生しないと思われる飼い主さんは多いかもしれません。
しかし猫にダニが発生するのには、様々な原因があります。
ここでは猫にダニが発生する主な3つの原因を紹介していきましょう。
猫が外に出てダニが寄生
外にも出る飼い猫の場合、マダニの生息地である公園・草むら・河川敷などを歩き回ると、マダニが寄生します。
またダニの種類によっては、住宅街のような場所でも生息しているので、家の近所しか出歩かないという猫であってもダニに寄生される可能性が高いでしょう。
猫が自由に外へ行くようであれば、帰ってきた時にダニがついていないかチェックしてみてください。
またダニや他の感染病から愛猫を守るため、完全室内飼育をすることがおすすめです。
人が外からダニを持ち込む
飼い主が自然の多い場所などに出かけてダニが付いてしまい、そのまま家に持ち込んでしまうと猫に寄生するパターンもあります。
特にマダニは人間にも付くことがあるので、緑の多い場所へ行く際には、長袖を着て肌の露出を控えたり、虫除けスプレーを使用するなどの対策が必要です。
またダニは職場・学校・商業施設などにも生息しています。
出かける場所が自然豊かな場所ではないからといって、ダニが付いてしまう可能性がないとは言い切れません。定期的に室内のダニ対策を行うと、猫への寄生が防げるでしょう。
他のペットが持ち込む
猫以外の動物をペットとして飼っていると、その動物からうつる可能性があります。
特に同居のペットが犬の場合は、犬が散歩している最中にダニが寄生してしまい、家の中に持ち込むケースが起こりえるのです。
犬の散歩が草むらなどを頻繁に通るようであれば、マダニが付く可能性が高くなります。外へ出る機会が多い犬と同居している場合は、その犬にもダニ対策を取ると良いでしょう。
猫にダニが寄生しているかをチェックする3つの方法
マダニを除いて猫に寄生するダニのほとんどは小さいので、肉眼で確認するのが難しいです。
猫の様子がいつもと違う場合は、ダニの寄生を疑っても良いかもしれません。
ここでは猫にダニが寄生しているかどうかのチェック方法を紹介していきます。
①猫のしぐさ
マダニをはじめ猫にダニが寄生すると、かゆみを伴う症状が発生します。
いつもよりも耳や体を掻いていたり、頭やお尻をよく振ったりする場合はダニが寄生している可能性が高いです。
また壁や床に頻繁に体を擦り付けたり、それまで寝そべっていたのに急に起き上がって体を掻いたりする場合もダニに感染しているでしょう。
普段よりも落ち着きのない様子が見受けられる時も、ダニの疑いがあるとされています。
②猫の体の状態
ダニが寄生すると、そのダニの種類に応じて様々な症状が猫の体に現れます。
猫がダニに感染すると皮膚に症状が出ることが多いです。かゆみのせいで、皮膚を掻きこわしていたり、皮膚炎の症状が悪化していたりします。
また、フケが出始めたり、毛が抜けたりするのもダニに寄生されているサインです。耳に寄生するダニもいるので、猫の耳が臭くなったり、異臭のある黒ずんだ耳垢が出ているとダニに寄生されています。

③ブラッシング
目の細かいコームでブラッシングをすると、ダニの有無が分かります。
ブラッシングをした際に、黒い小さな粒が付いている場合はダニの可能性があるでしょう。
しかし、ダニの種類によっては寄生後に猫の体内に入り込むものがあるので、ブラッシングだけでダニの有無を完全にチェックするのは難しいです。
猫がダニに寄生されたら?取り方・駆除方法
猫がダニに寄生されていたら、飼い主さんは一刻も早く対処したいと思われるでしょう。
すぐに駆除できる方法があれば、安心ですよね。
しかしダニの中には扱いを誤ると、猫にも人間にも危険が及ぶ場合があります。
ここでは、安全に駆除できる方法を紹介していきましょう。
自己判断で取るのは危険!基本的には獣医師の診察を受けよう
マダニのように肉眼で見つけやすいダニを見つけたら、つい飼い主さんが取ってあげたくなるかもしれません。
しかし、自己判断で取るのは危険です。まず種類によっては人にも感染する恐れのあるダニがいるので、自己判断せずに獣医師の診察を受けたうえで対処方法を確認することをおすすめします。
また取り除く際にダニを潰してしまうと、特に吸血した後のマダニ場合、猫の皮膚内にマダニの一部が残ってしまうからです。
さらに取り除こうとするダニが産卵期のメスの場合、うっかり潰してしまうと卵が飛んでしまい、室内にダニが増える原因にもなります。
動物病院で処方されるダニ駆除薬の種類と付け方
ダニが寄生しているのを見つけたら、動物病院で診てもらい、駆除薬を処方してもらいましょう。
ダニの種類や症状によって適した薬が異なってくるので、自己判断ではなく獣医師の診察を受けるのが、ダニを駆除する近道です。

チュアブル(錠剤)タイプ
チュアブル(錠剤)タイプは、おやつのような香りがついている薬です。
薬が苦手なタイプの猫でも、おやつ感覚で服用してくれます。
ただし、食べ物や原材料にアレルギー反応を示す猫の場合は、成分をよく確認して獣医師と相談のうえ使用すると良いでしょう。
スポットタイプ
スポットタイプは皮膚に垂らして使う薬です。
皮膚疾患が出ている場合は使用を控える方が良いかもしれません。
スポットタイプの薬を使用すると一定期間はシャワーやシャンプーの使用を控えなくてはなりません。使用する際のタイミングに注意してください。
スプレータイプ
体へ噴射して使うのがスプレータイプです。
スプレータイプの中には、生まれてすぐの子猫にも使えるマイルドなタイプもあります。猫の年齢に応じて使い分けると良いでしょう。
猫にダニが寄生しないための予防策
猫にダニが寄生すると、かゆみなどの症状が出てかわいそうですよね。ダニの寄生を防げれば、猫はもちろん飼い主さんにとっても安心して過ごせることに繋がります。
ダニが寄生してから駆除するのも良いのですが、あらかじめ予防してあげると、猫がダニの症状で煩わしい思いをしなくてすむでしょう。
ここからは猫にダニが発生しないための予防策を紹介していきます。
①予防薬を使う
ダニをしっかりと予防するのであれば、薬の使用が効果的です。
予防薬も駆除薬と同様、獣医師に相談のうえ処方してもらうことをおすすめします。
また、ダニの駆除薬を定期的に使用することは予防にも繋がるでしょう。特にダニの活動が活発になる春と秋に定期的に使用すると、ダニの寄生を防げます。
駆除薬を予防の目的で継続しようしたい場合は、獣医師に相談されると良いでしょう。
②ブラッシング
ブラッシングもダニの予防に役立ちます。
ただし、ダニの種類によっては小さすぎて見えなかったり、猫の体内に入り込んでしまったりすることが多いです。
ブラッシングはマダニのような大きめのダニに効果を発揮します。吸血する前で、毛の中に入り込んでいない状態であれば、ブラッシングである程度予防は可能です。
その際は、マダニが寄生しやすい耳・目や歯の周り・胸・内股・お尻の周りなど毛の薄い部分を中心に、ブラッシングしてあげると良いでしょう。
③シャンプー
猫は毛繕いを頻繁に行うので、シャンプーはあまり必要とされていません。
また、ダニの駆除でスポットタイプの薬を使用している場合は、むしろシャンプーを一定期間控えることになります。
さらにシャンプーのしすぎは皮膚炎を引き起こしかねないでしょう。
ダニ予防としてシャンプーさせたい場合は、ペット専用のものを使い、ダニの駆除というよりダニがいないかどうか確認するというスタンスで行うことをおすすめします。

④洗濯・掃除
ダニは寄生した先が、そのダニにとって生育しやすい環境であれば、どんどん増殖していきます。現在の住環境は30年前に比べるとダニの発生が3倍にもなっているというデータがあるくらいです。
家の中は、ほこりや人間から出るフケなどによってダニが生育しやすい環境になっています。ダニの予防にはこまめな掃除が必要です。
また猫が使っている毛布やタオルケット、リビングに敷いているカーペットや飼い主さんが使用している布団などを頻繁に洗濯して、しっかりと乾燥させることをおすすめします。
日光に当てると湿気が飛びやすいので、ダニ予防に効果的です。
ダニの寄生によって猫に起こりうる感染症
ダニが寄生すると猫にはどのような症状が出るのか気になりますよね。
猫に寄生するダニの症状の特徴として共通するのが、皮膚のかゆみです。
しかし、かゆみ以外にも場合によっては重度な症状を引き起こす可能性もあります。
ここからはダニの寄生で猫に起こりうる感染症について解説していきましょう。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はマダニに寄生され発症する症状の中で、最も危険な症状です。
マダニがSFTSウイルスを保有している状態で猫に吸血をすると、ウイルスが感染して症状が発症する場合があります。
ウイルスに感染すると発熱・嘔吐・下痢・倦怠感の症状が出やすいです。
ライム症
ライム症もマダニよって引き起こされる症状です。
マダニが猫に吸血する際に、ボレリア菌がうつることで発症します。
猫には倦怠感・食意欲不振・発熱・歩行への異常が見られることが多いです。
ライム症が人間に発症すると、紅斑のような皮膚症状が全身に広がったり、発熱・関節痛・筋肉痛・頭痛といったインフルエンザのような症状が出たりします。
猫ヘモプラズマ感染症
猫ヘモプラズマ感染症は、マダニを介してヘモプラズマという病原体に感染することで発症します。
猫ヘモプラズマ感染症は赤血球に異常が生じ、貧血を引き起こす病気です。
貧血・食欲不振・発熱・元気がなくなるといった症状が出るのに加えて、症状を悪化させてしまうと呼吸困難や黄疸が出る場合があります。
Q熱
Q熱はマダニからコクシエラという細菌に感染すると発症する病気です。
しかし、猫に関しては症状として現れることはほとんどありません。
人間に感染すると高熱や頭痛の症状が出るとされています。
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猫に寄生したダニで猫や人間が死亡することはある?
猫にダニが寄生すると種類によっては重症化する恐れがあります。また命に危険が及ぶケースもあるくらいです。
特にマダニが寄生して発症する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、猫の致死率が高い病気とされています。
また、人間も感染すると発熱・倦怠感・出血などが引き起こされ、国内でも過去に感染による死亡例が出ました。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は有効なワクチンや予防薬などは見つかっていません。感染すると対症療法での治療となるので、マダニへの予防対策と駆除を徹底することが重要とされています。
まとめ
猫に寄生するダニは、猫はもちろんのこと人間にも影響を及ぼします。場合によっては命を脅かすこともあるくらいです。
ダニによる感染症や症状を防ぐには、こまめな掃除や予防薬を用いた対策が必須ともいえるでしょう。また万が一ダニに寄生されてしまったら、すぐに獣医師に診てもらうことをおすすめします。
ダニ対策は少し気を付けるだけで、猫の健康を守ってあげられます。動物病院の受診や薬の使用などを適切に取り入れつつ、猫にダニが寄生しないよう日頃からこまめにケアをしてあげてくださいね。
