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日本に生息する動物を中心にお馴染みのペットなどを紹介

臭い&毒性あり、ヤスデの生態。種類や天敵など。害なし駆除しないで

ヤスデはヤスデ網に属している生き物の総称です。
昆虫図鑑に掲載されている生き物なので昆虫であると思われていますが、実際には節足動物なので違います。
脚がたくさんあったり体色が不気味だったり人を不愉快にさせるので、不快害虫としても分類されています。
日本で一般的に見られるのはヤケヤスデという種類のヤスデです。

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生態

生息地

ヤスデの生息地、見られる時期は次の様になっています。

  • 地域:北海道、本州、四国、九州、南西諸島
  • 場所:雑木林、落ち葉の下、ゴミステーション
  • 時期:6月~10月

ヤスデはほぼ全国的に生息しており、雑木林や落ち葉の下などの暗く湿った場所にいます。
また腐った食べ物を餌として好むので、これらがある場所に集まる傾向があります。
そのためキチンと管理をしていない不衛生なゴミステーションに発生することもあるのです。
見られる時期としては降水量が増加し湿度が上がる6月頃から秋真っ盛りの10月です。

特徴

ヤスデには次の特徴があります。

  • 成虫の体色は黒色と赤褐色の縞模様。幼虫は乳白色
  • 体長20mm程度(成虫)
  • 1節から2本の脚が生えているが、頭部から3節目までは1節につき1本の脚が生えている
  • 体の側面から臭い毒性の液体を分泌する
  • 脚が腹に沿って生えている
  • 外骨格がしっかりしており、全体的にホースのような丸みを帯びている
  • 寿命は5年程度と長い

まずヤスデは1節から2本の脚が生えています。
しかし頭部から3節目までは1節につき1本しか生えていません。
ですから同じ多足類のムカデと比較すると、脚がモシャモシャ生えている印象です。
また脚は側面よりは腹の下方に生えており、ムカデより脚が脇にはみ出て見えません。
黒光りしている外骨格はしっかりしていて、触ってみるとやや硬くなっています。

最後にヤスデは非常に臭い毒性の液体を体の側面から分泌します。
この臭いは独特で一度嗅ぐと忘れられないほどのインパクトです。

食性と餌について

生き物や人間に襲いかかってくるイメージが強いヤスデですが、全然肉食系ではありません。
むしろヤスデは腐食性で、主に腐った落ち葉や農作物を餌にしています。
この他にはキノコ類や朽ち木なども食べます。
ですから生き物を捕食することはないのです。
またこれらを分解したフンは土壌を豊かにする働きがあります。
気持ちが悪い容姿をしていますが、分解者として森に必要とされている存在です。

天敵

ヤスデの天敵は昆虫類、爬虫類、両生類、鳥類になります。
しかし積極的にヤスデを捕食する天敵はいないようです。
さてヤスデには面白い防御パターンがあり、天敵から襲われると蚊取り線香のように丸くなります。
それ以外には臭い毒性のある液体も分泌し、相手の嗅覚にインパクトを与えて身を守るのです。
腐敗した餌を好むため、発散されるものも臭いのかもしれません。

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飼育について

飼い方

ヤスデの飼育は簡単です。次の飼育方法で飼育してみましょう。

飼育に必要な道具

  • フタ付き昆虫ケース
  • 腐葉土
  • 落ち葉、ナス、キノコ
  • 霧吹き

飼育環境

  • 直射日光の当たらない日陰
  • 気温は25度前後
  • 多湿

飼育ポイント

昆虫ケースに腐葉土を20センチ程度入れ、餌となる落ち葉を置いたら完成です。
落ち葉がなければキノコやナスを入れて様子を見ましょう。

しばらく飼育するとヤスデのフンが目立ってきます。
結構ヤスデはくいしんぼうなので、フンの量は多い方です。
そこでフンが溜まったら10センチ程度腐葉土の上部を取り除き、また10センチくらい足すと管理もカンタンです。

落ち葉はできるだけ農薬がかかっていないものを与えてください。
公園などで手に入る落ち葉は殺虫剤が散布されているので注意が必要です。
腐った農作物でも食べますが、昆虫ケース内にカビが生えたりコバエが発生しやすいので食べ残しは取り除きましょう。

それからヤスデは乾燥に非常に弱いので、定期的に霧吹きで潤いを与えます。
また気温が寒すぎてもダメで、昆虫ケース内は大体25度くらいを目安にしましょう。

個々のスペースが確保されるのであれば、昆虫ケース内に複数飼育しても構いません。
たまにヤスデは昆虫ケースを上って脱走しようとするので、フタ付きの昆虫ケースを使いましょう。

捕獲方法

ヤスデを次の捕獲方法で捕獲してみましょう。

使用する道具

  • ゴム手袋、軍手

ポイント

ヤスデは網で掬えばすぐに捕まります。
噛み付いてくることはありません。
しかしヤスデは青酸化合物を含んだ独特の臭い液体を分泌することがあるので、捕獲する際にはゴム手袋と軍手の二枚重ねをすると安心です。
湿り気のある落ち葉の中や朽ち木の下などを重点的に探しましょう。

注意点

奇妙で気持ちの悪い姿から不快害虫のムカデやゲジと一緒にされているヤスデです。
この2種は気持ちの悪い容姿のみならず毒性があるため、ヤスデも同じ様に危険な虫だと思われています。
しかし本当にヤスデは危険な虫なのでしょうか?

ヤスデは臭い毒性のある液体を分泌します

ヤスデの側面には特殊な臭いを分泌する腺があり、分泌される液体には毒性のある青酸化合物が含まれています。
青酸・シアン・ヨードなどの青酸化合物は人間の体内に入ると健康被害を及ぼします。
ただヤスデのものは微量ですし毒を持つキバもありませんから、噛むことも人間の体内へ入ることもほぼないでしょう。
しかし毒性の液体は人によっては触ってみるとピリッと肌が痛む程度とのことです。

触らなければ問題がありませんし、特に危害を加えなければヤスデも毒性のある液体を分泌することはありません。
ましてやムカデやゲジよりも毒性は弱いですし、積極的に噛み付いて毒を注入させることもありません。
したがってムカデやゲジ同等に危険とは言えず、むやみに怖がる必要はないでしょう。

ヤスデに熱を加えると危険です

しかし一つ問題がありまして、ヤスデにお湯をかけたりと熱を加えると揮発性の青酸化合物を発生させます。
その物質が空気に漂って人間へ届いてしまうと、頭痛・吐き気・下痢といった体調不良を引き起こすのです。
害虫はお湯をかけて手を汚さずに駆除する人が多いですが、この方法だと健康被害が発生するので止めましょう。

ヤスデにはダニがつきものです

ヤスデにはほぼ寄生虫のダニが付着しています。
たくさんある脚や表面の凸凹の隙間にダニが寄生しているんですね。
ですからヤスデが屋内に侵入した場合、ダニも一緒に侵入しているので駆除を重点的に行いましょう。

ヤスデを駆除する方法

ヤスデが臭い毒性のある液体を分泌する前にスプレー型殺虫剤で駆除しましょう。
潰したりする人もいますが、これでは床に悪臭が付着して後が困ります。
襲ってくることはありませんから、念入りに落ち着いて噴射してください。
スプレー噴射後には紙で摘まんでゴミに捨てれば大丈夫です。

ヤスデの侵入を防ぐには?

  • 軒先の落ち葉や設置物を整理整頓する
  • 土壌の水はけを良くし、湿度を低く保つ
  • 殺虫剤を家屋周辺や窓に撒く

まずお庭があるご家庭は落ち葉を集めて捨てましょう。
落ち葉はヤスデの餌ですし、水分が溜まってヤスデの良い住みかとなります。
プランターや鉢植えの底もヤスデの住みかですから、定期的に移動させて湿気を取り除きます。

そして土壌の水はけを良くしてください。
湿度はヤスデを集めてしまいます。
ヤスデはカラッと乾燥した環境を嫌いますので、どんどん乾燥させましょう。
雨どいから水が家屋周辺に流れることもあったりと、排水設備の点検も大切です。

最後に本当はオススメできませんが、対策の一つとして殺虫剤を家屋の周辺や平垣に撒くこともあります。
スプレー型だと雨風で消えてしまうので、成分が残りやすい顆粒タイプやカプセル状が勧められているそうです。
ただし赤ちゃんや小さいこども、ペットを飼育している人は誤食などに注意してください。

また窓から侵入してくる場合、窓枠や桟にスプレー型殺虫剤を定期的に噴射しましょう。
壁を伝ってくる場合もあるため、外壁に殺虫剤を使用するのも効果的ですね。

コラム

ヤスデのちょっとしたコラムを紹介しましょう。

癒し系ペットにヤスデはいかがでしょうか?

ヤスデをペットとして飼育する人も意外にいます。
のんびり生活してムシャムシャ落ち葉を食べる様子には癒されるそうです。
ガーデニングをする人には良い土を作ってくれるので、いい相棒になるかもしれません。

いきなり長細いヤスデはちょっと…という人には可愛い『ヤマトタマヤスデ』をお勧めします。
ヤマトタマヤスデは長い体を持たず、小柄で可愛らしいヤスデです。
例えるならばダンゴムシを大きくしたみたいな姿ですから、飼育するのはハードルが低いでしょう。

ヤスデとムカデの違い・見分け方

気になるのがヤスデとムカデの違いと見分け方です。
大体の人がどちらも共通して体が細長く、足がたくさんあり、気持ちが悪いと言います。
確かにその通りなんですが、よく見るといくつか違いがあるものです。

Q1:1節に脚が4本(2対)生えている
→○:ヤスデ(4本/2対)
→×:ムカデ(2本/1対)

Q2:頭から3節目まで1節に脚が2本(1対)生えている
→○:ヤスデ(4節目から1節につき4本/2対)
→×:ムカデ(頭からしっぽまで1節につき2本/1対)

Q3:歩くスピードが遅い
→○:ヤスデ(ゆっくり)
→×:ムカデ(倍早い)

Q4:歩く際に体をくねらせない
→○:ヤスデ(体をくねらせず、ほぼ真っ直ぐに歩く)
→×:ムカデ(体が曲がり、くねくねと歩く)

Q5:お尻に2本しっぽが生えていない
→○:ヤスデ(しっぽは見られない)
→×:ムカデ(太いしっぽが2本見られる)

ヤスデもムカデも同じ多足類の虫です。
しかし基本的にはヤスデの脚の数の方が多いです。
またノソノソゆっくり歩くのがヤスデ、カサカサくねくね体を動かして素早く歩くのがムカデです。
ムカデは肉食系なため獲物を捕食するのにスピードが求められます。
対するヤスデは腐食性で生き物などの獲物を捕食する必要が無く、スピードも特に不要です。
気持ち悪くて中々両者を凝視しにくいですが、一度確認してみてはいかがでしょうか。

スデが電車を止めた

1976年10月長野県JR清里駅近辺でヤスデが線路上に大量発生しました。
列車は安全確保のため運行をストップしたと記録に残っています。
また九州の鹿児島県では近年2010年11月にヤスデが大発生し、同じく列車を停めています。

ヤスデくらい踏みつけて進行すればいいだろう、こう思われるかもしれませんが大変危険です。
実はヤスデの体液に触れるとツルツルスリップしてしまい、列車の車輪が空回りする恐れがあります。
また線路を汚したり悪臭を漂わせてしまうと、近隣住民の人の迷惑になりかねません。
ですから事故や配慮のためヤスデの大量発生時には、列車をストップせざるを得ないのです。

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