ワラジムシの生態。ダンゴムシとの違いや飼育方法、餌など
2016/09/27
ワラジムシとはワラジムシ目・ワラジムシ科の昆虫…ではありません。
厳密には昆虫ではなく、カニやエビに近い甲殻類の仲間になります。
子供の頃から昆虫として親しんでいるだけに、甲殻類の仲間と言われると違和感を禁じ得ませんね。
また名前は昔の人が履いていたワラジ(草鞋)のような姿からも由来しています。
生態
生息地
ワラジムシの生息地、見られる時期は次の様になっています。
- 地域:北海道、本州、四国、九州、南西諸島
- 場所:低山、平地、林、住宅街
- 時期:3月~11月
ワラジムシは北から南へと全国的に生息しています。
大体一年中見られますが、特に見られる時期は3月~11月となっています。
気温が少し上がればすぐに活動するので、初春から晩秋にかけて大体一年中見る事が出来ます。
特徴
- 体色は薄黒色、弱光沢(成虫)、幼虫は白不透明
- 体長は10mm程度、幼虫は1mm程度
- 楕円体型
- 夜行性
- 移動スピードがダンゴムシよりも速い
夜行性なので暗くなってから活動します。
そして乾燥した場所よりも湿った場所を好み、石や落ち葉の下にひっそり隠れています。
見るからにワラジムシはダンゴムシとソックリ。どちらもワラジムシ目ですから親戚みたいなもの。そこでそれぞれを見分けてみましょう。
正体は次の一問で分かります。
ダンゴムシとワラジムシの見分け方
敵に攻撃された際に丸くなる
→○:ダンゴムシ
→×:ワラジムシ
ツンと敵に攻撃されると丸くなるのがダンゴムシ。
ワラジムシは何をされても丸くなりません。
ちょっとワラジムシにイジワルをして人間が無理矢理丸めてもダメです。
体は節に沿って曲がるのですが、球体を維持出来ません。
餌
ワラジムシは主に落ち葉をエサにしています。
短い手足を器用に使って落ち葉を掴みながらモグモグ食べます。
そして食べた後のフンは自然界にいる微生物によって分解されるのです。
フンは土を豊かにしますから、落ち葉はエサとしてそのままにしておくのがいいかもしれません。
ついつい片付けたくなりますが、少しは残しておいてあげましょう。
天敵
ハトに啄まれたり、トカゲに飲まれてしまいます。
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飼育方法
飼い方
ワラジムシを次の飼育方法で飼育してみましょう。
飼育に必要な道具
- 昆虫ケース
- 土
- レンガの欠片、石
- 落ち葉
- 霧吹き
飼育に適した環境・苦手な環境
〇風通しの良い日陰
×乾燥に非常に弱い
飼育も容易です。
まず昆虫ケースに土を5センチ程度敷いて、隠れ家となるレンガの欠片や石を設置します。
それからエサの落ち葉を入れて完成です。
ワラジムシは湿った場所を好むので、たまに霧吹きで加湿してあげてください。
市販の腐葉土でもかまわないのではないかと思われますが、化学物質が混入している事があるので土の方がいいかもしれません。
捕獲方法
ワラジムシを次の捕獲方法で捕まえてみましょう。
使用する道具
レンガの欠片、石
捕まえ方
逃げるスピードもトンボみたいに早くないので手で掴めばすぐに捕まえられます。
それからレンガの欠片や石をトラップとして庭先に置いておくと、その陰にワラジムシが集まってきます。
プランターの底や物置小屋の下もワラジムシの住みかなので探してみましょう。
コラム
ワラジムシのちょっとしたコラムを紹介しましょう。
その他のワラジムシとダンゴムシの見分け方
丸くなるか否かでワラジムシとダンゴムシの見分けは付きました。
しかし他にも見分け方があるので、試してみましょう。
1、光沢が強いか?
→○:ダンゴムシ
→×:ワラジムシ
ワラジムシにはやや光沢がありません。
逆にダンゴムシはキラリと黒光りしています。
2、体色が濃いか?
→○:ダンゴムシ
→×:ワラジムシ
ダンゴムシとワラジムシを列べてみると一目瞭然。ダンゴムシの方が体色が濃くなっています。
ワラジムシは体色がぼけた印象ですね。
3、体が厚いか?
→○:ダンゴムシ
→×:ワラジムシ
これも分かりやすい判別方法ですね。
まずダンゴムシの体型はアーチ状となっています。
逆にワラジムシはペッタンコです。
実物のワラジ(草鞋)もワラジムシみたいにペッタンコなんですね。藁を編み上げているから本当に平べったくなっています。お近くの郷土資料館に見に行ってみてはいかがでしょうか?
ワラジムシにはシッポがある?
さてワラジムシとダンゴムシについて、いくつもの見分け方がある事が分かりました。
実はもう一つ見分け方があるので紹介しましょう。
・お尻に2本の長いシッポがある
→○:ワラジムシ
→×:ダンゴムシ
よく見るとワラジムシのお尻には2本の不透明なシッポみたいなものが生えています。
ダンゴムシはありませんし、もし生えていても短いです。
海のあの生き物もワラジムシに似てるような…
さて話が変わりますが、海の岩場でカサカサ動くフナムシを見た事がありますか?
そのフナムシにもワラジムシのような2本のシッポが生えています。
両者似ていると思った人は鋭いですね。
実はワラジムシもフナムシもワラジムシ目の仲間。
フナムシはワラジムシ目フナムシ科に属しています。
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