ワニガメの特徴!噛む力が強いので飼育は少し危険?餌は?
ワニガメの原産地はアメリカ合衆国南東部で、日本にはペット用として持ち込まれました。
甲長は50から70㎝、最大で80㎝、体重は100㎏を超えるカミツキガメ科の最大種であると同時に世界最大の淡水ガメです。
頭が大きく、鉤状(かぎじょう)にまがったくちばしをもっています。
本種の面白い習性は舌を利用して獲物をとることです。ワニガメは水中で大きく口を開き、赤い舌を動かしてミミズなどと間違って寄ってきた小魚をおびき寄せ、捕食します。
特徴
生態
原産地では水深が深めの河川や湖沼、湿地に生息しており、水棲が強く産卵以外ではほとんど陸に上がることはありません。
食性は雑食ですが肉食傾向が強く、魚類やエビ・カニ類、貝類、両生類や爬虫類はもちろん、鳥類や哺乳類も捕食します。この他、動物の死骸や果物も食べます。昼間は口を開けて魚をおびき寄せていることが多いですが、夜になると活発に餌を求めて動き回り、水底での待ち伏せも行います。
本国ではペット用の乱獲などが原因で個体数は減り保護が叫ばれています。対照的に、ペットとして輸入し外来生物として定着した国では在来の生態系を乱すこと、咬傷事故などを危険視されしばしば厄介者扱いされています。
「ガメラ」のモデルにもなった通り、ごつごつした体型とぱっくりと大きく開いた口はファンにはたまりません。
しかし、ワニガメは飼育下では野生のものよりは大きくはならないものの、最低でも甲長30から40㎝にはなります。
また、寿命は30年、時には100年を越すものもおり、実にクサガメの2から5倍は長生きします。
さらに、神経質で攻撃的な性格ではないものの、顎の力がズバ抜けて強く、噛まれると指を切断する可能性があることから、飼育する際は非常に注意が必要です。
本種は危険生物に指定されているため、飼育する場合は個体登録と地方自治体の飼育許可の申請が必要になります。
ワニガメは危険生物に指定されて以後、流通量は激減しましたが、ペットの密放流と思われる個体が各地で発見されています。日本最大の湖、琵琶湖のある滋賀県では、瀬田川などで6例が、愛知県名古屋市でも甲長45㎝のワニガメが捕獲された例があります。
この数字は氷山の一角であり、他の地域でも野生化したワニガメが見つかっています。また、千葉県では2014年に100㎝ほどの個体が捕獲されるなど、放流後も長期間生存しているようです。
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天敵
ワニガメの天敵は、小型のときには鳥類や哺乳類とされています。また、現地では甲羅の硬い超大型級以外には、ワニが最大の天敵です。
とはいえ、日本でペット用に輸入された個体は天敵に弱い子どもの時期は人間に守られ、飼育放棄で放流される甲長30から40㎝ではほぼ敵なしとなります。
そのため、放流された個体は天敵に襲われることなくモリモリと餌を食べて成長していきます。
飼育
ワニガメは現在、規制が厳しくなったため飼育は以前より格段に難しくなりました。
数多の申請書類と格闘し、高額な申請料を支払い、そのうえこれまたお高いマイクロチップをカメに埋め込むことで個体登録をしなければなりません。
また、ワニガメは大きく育つため大型水槽はもちろん必須ですし、水棲などで水槽を水で満たすことを考えると場合によっては床が抜けないように補強工事も必要になります。
さらに餌代、ヒーターや照明などにかかる電気代なども考えると、金銭的な負担も大きいペットです。
また、水換え時は常に噛む力300から500㎏のワニガメに指を食いちぎられないように気を使いつつ甲羅の掃除もしなければなりません。
とはいえ、動物愛護法の改正前にはワニガメの子は簡単に飼育できたので、今になって困ったと頭を抱えている人もいます。また、ワニガメを捕獲したもののどうすればよいのかわからないという都道府県や市町村の保健所、警察の人もいます。
このような人々の相談に乗ってくれるのが、岡山県にあるNPO法人のワニガメ生態研究所です。この研究所のHPでは、ワニガメやカミツキガメの情報を公開していますので、興味のある方は検索して見てはいかがでしょうか。
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