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野鳥

トビの生態と特徴。鳴き声や食性、注意点など

2016/09/23

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港や海沿いで、ピーヒョロロロと鳴きながら気持ちよく空を飛ぶトビの姿がよく見られます。
トビはワシタカ類の一種ですが、ごみ漁りなどもするため、食べるものにはあまり困りません。そのため数が多く、日本の猛禽類では唯一、絶滅危惧種に指定されていません。
比較的よく見つかる鳥で、日本で最も数が多いワシタカ類です。

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生態

特徴

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タカ科トビ属の鳥です。漢字では「鳶」と書き、英語ではブラックカイトと言います。
カイトはスピードが出る西洋凧の名前でもありますが、トビに似せて作った凧なので、この名前が付いています。

猛禽類の中では非常に数が多く、群れを作って飛んでいることも珍しくありません。
クチバシの先からしっぽの先まで60~65cm、翼を広げると150~160cmほど。カラスよりひと回り大きく、ミサゴとほぼ同じ大きさです。
猛禽類はメスのほうが大きい傾向がありますが、トビは雌雄の体の大きさはほぼ同じ。
全身が褐色と白のまだら模様で、目の周辺だけ黒ずんで見えます。

上空を滑空しているときは、ミサゴとすぐに見分けがつきます。
トビの尾羽は台形で、直線的です。ミサゴの尾羽は扇状に広がっています。ミサゴはお腹が白いので、色で見分けることもできますが、尾羽を見るのが一番分かりやすい方法です。

上昇気流に乗りながら、上空を旋回します。
鳴き声は「ピーヒョロロロロ」と聞こえ、田舎ではお馴染みの光景です。
空を飛ぶのは、地面のエサを探すためです。トビの目はとても良く、はるか上空からエサを探し出すことができます。

本来は臆病な性格で、人間が近づくだけで逃げてしまいます。しかし最近は人慣れしたトビが現れ、サービスエリアで人間が購入した軽食を奪うこともあります。
軽食くらいなら笑い話で済みますが、まれに小型犬が誘拐されることも。小型犬を散歩させる際は、トビが猛禽類であることを頭に入れておきましょう。

樹上で巣を作ることが大半ですが、まれに海の断崖絶壁に巣を作ることもあります。

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分布

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非常に分布は広く、日本、ユーラシア大陸、アフリカ大陸、オーストラリアにかけて生息しています。
日本のトビは留鳥で、一年中同じ場所で生息しています。
ヨーロッパなどに生息する別亜種は渡りを行い、冬になると南に移動します。

食性および餌

狩りも行いますが、死肉やゴミ漁りなども行います。
動物の死骸をはじめ、生きたカエルトカゲヘビ魚類などを補食します。
漁村で小魚が上がるとカモメが集団で雑魚のおこぼれを狙いますが、トビも一緒に食べていることも珍しくありません。
ワシタカ類でありながら、比較的ありふれたゴミや死肉を漁るため、他の種類に比べてエサは豊富です。

ワシタカ類はあまり集団になることはありませんが、トビは集団でゴミを漁ることも珍しくありません。
つがい以外の集団で暮らすワシタカ類は、群れで狩りを行うモモアカノスリ(ハリスホーク)くらいで、非常に珍しい習性です。
しかし、仲間同士の絆が強いモモアカノスリとは異なり、トビの群れは文字通り「烏合の衆」です。

天敵

成鳥のトビは食物連鎖の頂点なので、はっきりとした天敵はいません。
しかし、カラスに攻撃されることはたびたびあります。
カラスとトビは食性が同じため、ライバルと認識し集団で攻撃を加えます。
カモメとも食性が似ているため、小競り合いを起こすこともあります。

保護した時は

もし、トビが弱って地面にへたり込んでいたら、ケガや病気でない限りは飢えが原因です。
胸元を触って、あばら骨が分かるようなら、やせ衰えている証拠です。
しばらく保護し、エサを与えると回復します。エサは生魚や肉などなんでも構いませんが、味の付いたものは止めましょう。
しっかり肉が付いたら、野生に戻します。

最近は高病原性トリインフルエンザが原因で、多くの野鳥が死亡することがあります。地面で弱っているトビを見かけてもみだりに触らず、放置しておくのも自衛のためには必要です。

注意点

サービスエリアや観光地などで、トビに軽食やペットをさらわれる被害が出ています。
トビは上空や背後から獲物を狙います。そのため、大きな日傘などで背後をガードすれば、ある程度の被害を防ぐことができます。
(透けて見えるビニール傘は、あまり役に立ちません)
壁を背にして立つのも有効です。
カモメも同様の手口で襲うので、カモメ避けも同じ方法で行うと安心です。

小型犬などペットは必ず抱き抱え、地面で歩かせないようにしましょう。
ドッグランに離すときは、周辺にトビがいないか確認したほうが無難です。

エピソード

トビは鷹の仲間ですが、鷹のような勇猛な狩りはあまり行いません。
そのため迫力に欠け、人間の間では「鷹の中で劣ったもの」という認識をされています。
「鳶が鷹を産む」という言葉も、そんな認識のもと成り立っています。
「鳶も居ずまいから鷹に見える」という諺も、同様の印象があります。
(立ち振る舞いを上品にすれば、どんな者でも立派に見える、という意味)

しかし、古代の伝説ではトビは大きな役割を果たします。
日本書紀には金色のトビ(金鵄(きんし))が神武天皇の持つ弓に留まり、まぶしい光を放って敵軍の目くらましを行う描写があります。
金鵄の活躍で神武天皇の軍勢は勝利し、大和を平定したと言われています。そのため金鵄は瑞兆とされ、戦前までは教科書や切手などに頻繁に登場しました。
今では害鳥扱いされることもあるトビですが、古代には重要な鳥と考えられていたと推測されます。金鵄は熊野の森の道案内をした三本足の霊烏、ヤタガラスと同一視されることもあります。

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