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減少傾向!スズメの生態について♪餌や保護した時の対処や飼育

2016/09/29

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人間に最も近い鳥で、大昔から民話や童謡、絵本などでお馴染みの鳥です。舌切りスズメの話は、誰でも一度は聞いたことがあるでしょう。
人間のいるところには、たいていスズメが暮らしています。

しかし、人間に近いのに、人間と一定の距離を置くのも特徴です。シジュウカラなど、エサがあれば寄ってくる鳥とは警戒度が違います。
これは、長らく稲を荒らす害鳥と考えられ、人間に追い立てられていたからではないかと考えられています。

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生態

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生息地

北海道から沖縄まで、日本各地で生息しています。
ほとんどが留鳥(または漂鳥)ですが、トカラ列島、男女群島、種子島などには旅鳥(別の場所に移動する途中に飛来する鳥)として飛来します。
小笠原諸島など、離島の中にはスズメが生息しない場所もあります。小笠原は本州から1,000kmも離れた離島のため、スズメの翼ではとても移動できないためと考えられています。

長い間留鳥と考えられていましたが、留鳥の集団と100キロ以上渡りをする集団がいることが分かっています。
1920年の調査で、新潟県で放されたスズメが岡山県や高知県で発見されたこともあります。

里山、農村から都会まで、人間のいるところに好んで暮らします。
人間社会と共生する習性があり、町が興ればスズメがやって来て、廃れて人間がいなくなった集落には、スズメも姿を消します。
同じ習性の鳥にはドバト、ハシブトガラス、ツバメ、カモメなどがいます。

世界的にはユーラシア大陸と東南アジアに分布し、ポルトガルから日本、ボルネオ島、スマトラ島まで生息します。
暑い場所は苦手らしく、インドにはほとんどいません。寒い場所も苦手で、北緯60度より上には生息できないと言われています。

しかし日本とヨーロッパは分布が少し異なります。ヨーロッパでは農村に暮らし、都会には近縁種のイエスズメがいます。
イエスズメはスズメより一回り大きく、人慣れした鳥です。パリのカフェでうろつき、人からパンくずをねだるスズメを見たことがある方もいると思いますが、あれがイエスズメです。

アメリカには19世紀半ばにミズーリ州に移入されましたが、イエスズメに押されているせいか、あまり広く生息していません。

日本には人とともに暮らすスズメと、森に住むニュウナイスズメがいます。ニュウナイスズメは頬の黒い斑点がなく、茶色が鮮やかなスズメです。
高貴な佇まいが美しいと、バードウォッチャーには好評なスズメです。

特徴

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スズメ目スズメ科の鳥です。
くちばしの先からしっぽの先まで14~15cm、翼を広げると28cmほど。
ぴょんぴょんと足をそろえて跳ねて移動します。このほうが速く地上で移動できるからで、巣穴の近くではふつうに歩いて移動します。
鳴き声は「チュン、チュン」「ヂヂヂ」など。
気性は荒く、繁殖期のはじめにはよく異性を巡って争っています。食事を巡っての喧嘩も度々あり、小さなわりにはなかなか騒々しい鳥です。
冬の間は群れになり、何十羽の大群でエサを探します。3月ごろから繁殖期に入ると、つがいに分かれて巣を作ります。

さらさらの砂を体にかける、砂浴びを好みます。砂場や川のそば、街路樹の陰にあるちょっとした砂でも喜んで砂を浴びています。人目のつかない、庭の川砂などは特に好みます。

スズメは鳥類の中で最も大食漢です。豊富な食料を獲得するために、豊富な食料を生産する人間社会に近づくのも自然なことだと考えられます。

頭と背中は茶色、おなかは汚れた白、頬とのどの下に黒い斑点があります。
大人と子供の見分け方は、くちばしの色です。成鳥は黒いですが、雛や若鳥は淡い黄色です。
成鳥も、繁殖期の終わりごろに黄色くなる個体がいるので目安程度ですが、群れに何羽子供がいるかを見分ける参考になります。
若鳥は全体的に色が淡く、頬の黒い斑点がありません。元気に親を呼んでごはんをねだっているので、巣立ちシーズンはにぎやかになります。

餌・食性

スズメのくちばしは太く短いため、穀物をかみ砕くのに適しています。お米だけでなく、雑草の実なども好んで食べます。
特にイネ科の植物の実が大好きで、雑穀も好みます。
雑食性で、パンくずからお菓子くず、昆虫、生ごみまで、食べられるものは何でも食べます。
スズメの喉には「そのう」という器官があり、ここに一時的に食事を貯めることができます。食べられる時は一気に口に入れる、を徹底しています。

桜が咲くシーズンに、地面に桜の花が丸ごと落ちていることがあります。これはスズメが蜜を吸うために引きちぎったもので、蜜を吸われた桜の残骸です。
ヒヨドリメジロはくちばしが長いため、花に頭を突っ込んで密を舐めることができます。しかし、スズメの短いくちばしでは密の場所に届きません。
それで強硬手段で、花を引きちぎってしまうのです。
知らない人が見ると心ない人間のいたずらと勘違いすることもありますが、スズメの仕業です。

繁殖期には昆虫をたくさん採取し、ひなに与えます。
特に小さな蛾を好み、道ばたに飛び出して、猛禽類のように両脚で蛾を捕まえるスズメの姿を見かけることもあります。
この時期のスズメはエサ取りに必死なので、車や自転車を運転する際は「スズメの飛び出し」に気を付けて運転しましょう。

天敵

都会では、猫の被害も多く見かけます。
スズメにとっては、人間も天敵です。お米を食べる害鳥と追い立てられ、街角でも食事の邪魔をされ(人間はただ歩いているだけですが)落ち着いて生活できません。
人間も、天災があるのを承知で火山地帯に住み、良い畑になる火山灰や、温泉の恩恵に与っています。スズメにとっての人間も同じようなものかもしれません。

スズメのストレスにならない程度に距離を取り、温かく見守りましょう。

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保護した時は

巣立ちシーズンには、よく地面にぽつんとスズメの子がいることがあります。
まだ巣立ち間もない雛なので、絶対に家に持ち帰らずに、猫に狙われにくい枝の上などに上げてやり、すぐにその場を離れましょう。必ず親鳥がやって来ます。

明らかに怪我をしている場合は保温しながら動物病院で治療を受けさせましょう。
同時に県の環境保全課に連絡し、指示を仰ぎます。県の許可なく保護するのは違法なので、気をつけましょう。

スズメは大食漢なので、3時間以上食べないと弱ってしまうと言われています。
保護しているスズメが成鳥なら、殻つきの小鳥用の穀物(あわ、ひえ、キビ、カナリアシードなど)と虫を与えます。すり餌、外で捕まえた虫、ミルワームなども与え、栄養が偏らないように気をつけます。

ヒナから育てる場合は、離乳食のさし餌から自立して食べる訓練が必要です。
スズメは小さな粒、動く粒をつつく習性があります。ペットボトルのフタに少量のあわ玉を入れ、目の前で転がすと本能が刺激され、つつくようになります。
初めは遊びでつつくだけかもしれません、しかし、徐々に一人で食べることに慣れていくでしょう。
やがて野生に返すためにも、地面に落ちた餌をつつく習性を身につけさせる必要があります。床に穀物を蒔いて与えましょう。
青菜や雑草なども与えます。特に、ぺんぺん草は栄養豊富でスズメの好物です。そこらじゅうに生えてますが、除草剤が撒かれていないところで採取しましょう。

ガラスなどにぶつかり、脳しんとうを起こして気絶していることも。この場合は家に入れて、暗い箱の中に入れておきましょう。
意識が戻れば動き出すので、元気そうならそのまま放鳥します。

エピソード

日本の四季を細かく分けた「七十二候」には、3月20日が「雀始巣(すずめはじめてすくう)」とされています。
この頃にスズメが営巣を始めるという意味で、群れから番いに分かれる時期でもあります。

焼き鳥といえば

スズメは長らく、人間とともに生きている鳥ですが、その関係は決して平和なものではありませんでした。
江戸時代には稲を荒らす害鳥とみなされ、大々的に捕獲されて丸焼きにされていました。かつて「焼き鳥」といえばスズメの丸焼きのことを指していました。
現在は鶏が主流になった上にスズメも野鳥として保護対象になり、スズメの焼き鳥文化はほとんど廃れてしまいました。現在では京都の一部にスズメの丸焼きを販売する店が数店残っています。
スズメが人間を警戒するのは、数百年に渡る捕殺が原因ではないかと考えられています。

減少傾向にある

数十年前には山のようにいたスズメですが、現在は営巣できる家が減少し、カラスに食べられる被害が増し、スズメの数はどんどん減っています。
90年代の20%まで減少した地域もあり、深刻な減少傾向にあります。
現在は1200万羽ほどいると考えられているため、ただちに絶滅することはないでしょう。しかし近い将来、スズメの保護政策が叫ばれる日が来るかもしれません。

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