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鯖(マサバ、ゴマサバ)の生態と特徴。飼育や釣り方、寄生虫など

2016/09/27

saba

サバといえば、食卓でおなじみのお魚のひとつですね。照り焼き、味噌煮、塩焼きとなんでもおいしく食べることができるサバですが、日本近海にはマサバとゴマサバの2種類が生息しています。スーパーでよく見かけるノルウェー産のサバは、タイセイヨウサバという別の種類です。

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生態

特徴、生息地・分布

マサバは全長50センチほどに成長し、日本近海では暖流に沿った海域を中心に分布しています。

たとえば、黒潮沿岸域の和歌山県や神奈川県、四国や九州です。

マサバに見た目が良く似たゴマサバよりもやや水温が低い海域を好むとされています。

ゴマサバはマサバよりもやや南方系で、成魚の腹側に「ごまふ」が現れることで区別できます。

この2種はよく似た生態を持ち、沖合ではなく沿岸域に群れを成して来遊します。また、深場よりも表層を中心に回遊します。

春に北上、秋になんかという季節的な回遊を行うことでも知られていますが、沿岸の岩礁付近に「居つく」ものもあります。

食性・餌

マサバ、ゴマサバの餌となるものは、動物プランクトン、イワシなどの小魚、タコやイカなどの頭足類です。

産卵は春から夏に行われ、10万から100万を超える卵を生みます。

卵や仔魚を保護しない「産みっぱなし」の魚なので、産卵数を多くし、少しでも生き残る確率を高める、という繁殖戦略をとっています。

天敵

仔魚、幼魚期の天敵は、魚食性のつよい魚や水鳥、海獣類です。

特に、生まれて間もないころのマサバおよびゴマサバは、遊泳力の低い「動物プランクトン」に分類されます。

そのため、成魚になると逆に餌になるはずの小魚にも簡単に捕食されてしまうのです。

成魚の天敵は、マグロやサワラなどの大型魚食性魚類、海獣類です。

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飼育はできる?

短期飼育でもいいからマサバやゴマサバを飼いたい、という場合、まずは採集に出かける必要があります。

海水魚の専門店やペットショップで販売されているのは、見た目も鮮やかなサンゴ礁性の熱帯魚や、比較的レア度が高く、鑑賞用になるものが多いです。

そのため、飼育も難しくそれほど人気のないサバは、お店ではまず売っていないと考えましょう。

釣り~飼育

夏ごろからは沿岸の防波堤にサバが来遊してくるので、このときに釣りで採集します。

仕掛けはサビキがお勧めです。採集する場合、魚体が傷つかないように針のカエシをつぶしておく、魚を直接手でさわらない、といった対策をしましょう。

釣った魚はバケツで生かしておくよりも、絶えず海水が交換されるため、スカリに入れておいた方が弱りにくいです。バケツで生かしておく場合、水をこまめに交換すること、エアレーションで酸素を十分に供給することが必須となります。

とはいえ、一番の難所は持ち帰ることです。海辺暮らしで釣り場と自宅が5分もかからず往復できる、といった場合にはバケツで注意深く運べOKですが、現実はそう甘くありません。

持ち帰るときには、あらかじめ海水をはっておいたクーラーボックスに、海水で作った氷を入れて少し水温を下げておきます。

エアレーションはきつめに行い、小さめのサバを少な目に、多くとも10個体程度入れます。あとは自動車で運搬するのですが、家に帰るまで生きていると保証できるかは厳しいものです。

注意

サバはヒスチジンを多く含み腐りやすいこと、寄生虫のアニサキスに感染している確率が高いことなどから、生食はお勧めできません。

いくら自分が釣ったものが新鮮とはいえ、加熱調理や酢〆をしてから食べましょう。

また、一部の地域では品質管理を徹底してブランド化し、生食にも対応できる「関サバ」などのご当地名物があります。

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