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リュウグウノツカイの生態と特徴と伝説。味はオイシイらしい

2016/09/15

ryuguunotsukai

水揚げされるとニュースになるためか、知名度は抜群のリュウグウノツカイ。全身銀白色の細長い体、朱色の鰭など、目を引く外見も特徴です。浦島太郎にも出てくる竜宮ですが、日本人になじみ深い故か、海ではあちらこちらで「リュウグウ」がついた生物が見られます。たとえば、アマモは「竜宮の乙姫の元結の切りはずし」という別名を持っていますし、リュウグウノヒメという名前の魚もいます。では、リュウグウノツカイとはどのような魚なのでしょうか。

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生態

分布・生息地と特徴

リュウグウノツカイは全長3メートルほどの個体が多いですが、最大で11メートル、体重272キログラムというヘビー級の記録もあります。この記録は、硬骨魚類の中で最長といわれています。太平洋からインド洋、大西洋と世界中の海に分布していますが、生息域が外洋の深海域であるため、目にする機会は多くありません。目にすることができる大半は、打ち上げられた個体やたまたま漁獲された個体です。海底ではなく中層を単独で遊泳しており、泳ぐ姿は「立ち泳ぎ」に近いと考えられています。

リュウグウノツカイはその見た目からか、様々な逸話、伝説を持っています。日本では「人魚のモデル」のひとつとされ、ヨーロッパでは「King of Herring」、ニシンの王とされ、漁の良しあしを占う前兆とされています。また、西洋の怪物、「シーサーペント」のモデルとも言われます。世界共通である生物の名前では、リュウグウノツカイの属名は「Regalecus」です。学名はラテン語表記がルールですが、これはラテン語の「regalis(王家の)」、「alex(ニシン)」を合わせたもので、やはりニシンの王、という意味になります。中国や台湾では、長い背鰭をみたてて「鶏冠刀魚」、または「皇帝魚」とも呼ばれます。

食性、餌及び天敵

リュウグウノツカイはプランクトン食性と推定されていて、主にオキアミのような甲殻類を餌としています。体長数メートルの個体もまれでないこと、外洋の深海という生物の少ない環境に生息していること、などから天敵はあまり多くないと考えられています。主に天敵となるのは、外洋性のサメ類です。外洋は「海の砂漠」と称されるほど餌が少ない環境のため、そこにすむ生物は餌を逃さないよう、少ない捕食の機会を逃さないように進化してきました。たとえば、外洋性のサメ類は食物に対する執着が強く、気性も荒いため人にとって危険とされています。大型ではありますが、遊泳力が強いどころか遅いリュウグウノツカイは、このようなサメにとっては格好の餌食となってしまうでしょう。

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飼育はできるか?

さて、神秘的なリュウグウノツカイ、ぜひとも買ってみたいと思うかもしれません。はっきり言えば、この魚の飼育はほぼ不可能です。というのも、深海性のうえ外洋性という二重に飼育の難しい場所に生息し、さらには沿岸によることすら稀ですので捕獲機会もほぼありません。また、これらの理由から水族館飼育もほぼ不可能であり、せいぜい数時間の記録しかないのが現状です。リュウグウノツカイの飼育に成功すれば一躍有名人ですが、実際に飼うとなると手に入れることすらできそうにないといえるでしょう。

エピソード

色鮮やかな見た目のため、実際に食べるとなると躊躇するリュウグウノツカイですが、中には食べた猛者の記録もあります。2010年に迷っていた個体を銛でつき、大変新鮮なうちに食べたある漁師は、「ゼラチン質の身はぷりぷりして甘みがあり、エビの刺身のようだった」と語っています。また、2014年に兵庫県豊岡市にて漂着した個体を試食した人の話では、「身にくさみ、くせはなく、卵の白身のような食感で、内臓の部位によっては濃厚な味」ということです。

リュウグウノツカイの分類は混乱しており、研究者によって2種類にわけたり、1種類にまとめたりと意見が異なっています。深海の「竜宮」に棲む本種は、人間世界にはわからないことばかりの「ブラックボックス」のようです。

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