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口の中がスゴイ!オサガメの特徴。生息地やエサ、飼育は可能?

オサガメはいわゆる「ウミガメ」で、太平洋、インド洋と大西洋の熱帯から温帯域に広く分布しています。国内では稀ですが、回遊中の個体が発見されることもあり、環境省のレッドデータでは希少種に選定されています。本種はあらゆるカメのうち最大種で、甲長は120㎝から190㎝、最大で256.5㎝、体重916㎏という記録があります。カメといえば硬い甲羅を思い浮かべる人も多いですが、オサガメの甲羅はあまり発達せず、皮膚に覆われたゴムのような質感をしており、英語の「レザーバック」、つまり「背中が皮の」カメの由来にもなっています。

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特徴

生態

 オサガメは基本的には外洋に生息しており、約10度の低温海域まで幅広い範囲を回遊します。また、遊泳能力が高く、最大速度は24㎞/時です。地域差がありますが、5から9月の繁殖期になると上陸します、1シーズンに4から7回ほど上陸し、合計で450から600個もの卵を産みます。孵化にかかる日数は50日から78日ほどです。性別は人間のように遺伝子では決まらず、孵化するときの温度によって決まります。温度が約30度である場合、雌雄は半々となります。雌雄の見分け方のポイントは、雄の尾は基部が太く、長いのに対し、雌では基部が細く短いことです。とはいえ、日本ではそうそう見られないのですが。

口の中

 オサガメと言えばその大きさ以外にも、口の中がグロテスクな見た目であることで有名です。オサガメの口の中には、食道までびっしりとトゲが生えています。ただし、このトゲは人間の歯のように硬くはなく、むしろゴムのように柔らかいです。
では、なぜこのようなトゲがあるのでしょう。

オサガメの生息している外洋は「海の砂漠」と例えられるほど餌に乏しい環境で、広い範囲を回遊しエネルギーをたくさん消費するこのカメにとってはなかなかに過酷な環境です。そのため、外洋に生息する生物は攻撃性が強かったり、いろいろな餌を食べたりするなど、厳しい環境で生きていくすべを身に付けています。オサガメの場合、主食は主にクラゲ類です。クラゲ類はほぼ体が水分でできており、「高カロリー食」ではないのでたくさんの量を食べる必要があります。ただでさえ餌がない状況で生きているオサガメは、あたかも「釣り針」のカエシのように、無数の棘を使って貴重なクラゲを逃さないようにしているのです。また、クラゲ以外にも甲殻類や貝類などを食べることもあります。

飼育について

 スポーツカーの構造が普通乗用車とは異なるように、オサガメの体は高速遊泳に特化した構造をしています。例えば、骨格は軽く、スピードを出すのに最適です。「世界最大のカメ」となると水族館の目玉として展示されていそうですが、主食であるクラゲを調達しにくいこと、外洋性なので常に泳ぎ回っており、水槽の壁に衝突してしまうこと、衝突した場合骨格が軽く密でないためケガをしやすいことなど、飼育が非常に難しく、展示はほとんどなされていません。当然、個人規模での飼育はよほどの資金とスペース、人員やクラゲを仕入れるコネがなければできず、ほぼ不可能と言えるでしょう。

絶滅危惧種

 外洋を遊泳するオサガメは、漁による混獲、食用の卵、体内の油を目的とした乱獲により数を減らしており、生息数は激減しています。人工繁殖は飼育同様困難で、有効な対策がないのが現状です。また、クラゲと間違えてビニール袋を呑み込んだ結果、のどをつまらせて死んでしまうという危険も指摘されています。オサガメは絶滅危惧種に指定されており、ワシントン条約付属書Ⅰに掲載されています。これは「今既に絶滅の危険にある生き物」のことであり、商業のための輸出入は禁止、研究など学術目的の輸出入の場合、輸出国と輸入国両方の許可が必要となります。

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