最強!オオスズメバチの生態について♪大きさや巣、対処法など
日本にいる昆虫の中で、最も危険と言えるかもしれないのがスズメバチです。
子どもでも大人でもその危険性は少なからず知っていると思いますが、そもそも何故人を襲のかは解明されていません。
ただ巣に近づいたものに対して敵意を露わにし、攻撃してくるので、不用意に巣に近づかないようにすることが最善の策になります。
オオスズメバチの生態と特徴
大きさ
スズメバチの種類の中でも世界最大であるオオスズメバチ、これは日本原産と言われています。原産とはその場所で産出されたことを表しますが、もともと東南アジアを中心に広がったスズメバチが、日本にたどり着きこの種が誕生、そして世界へと分布を広げたのです。
大きくなった理由は、日本の気候、餌が豊富、外敵が少ないなど様々な要因が考えられますが、はっきりしたことは分かりません。具体的な数字は、体長40mm程度、女王バチは一回り大きい45mmくらいになります。
他の種類のスズメバチが、大きくても30mm程度にしかならないので、海外の方が驚かれるのは無理もないです。世界的に危険な昆虫が日本にいることを知り、危機意識を高める必要性を、オオスズメバチを見る度に感じています。
生態
そんなスズメバチの生態で興味深いのが、働きバチのほとんどがメスだということ。
実はこれは他の種類のハチにも言えることですが、オスは基本的に繁殖のためだけに存在します。
人間の世界で言うと「ヒモ」とか言われていますが、そんなことありません。
オスがいなければ女王バチは子どもを産めませんし、全てのオスが何もしないわけではないです。なによりオスは、決まった時期、特定の数しか産まれて来ないので、未来の女王バチにとっては一匹一匹がパートナーになる可能性が十分にあります。
ハチの武器である毒針も、産卵管が変形しできた器官なので、オスにはありません。不用意に外にでて外敵に襲われる方が困るというのが女王の本音でしょう。
「ヒモ」ではなく「旦那候補」…まあどちらにせよあまりいい響きではないですが。
そんなオオスズメバチですが、その人生は波乱万丈。まず幼虫の時に最大の転機がやってきます。
- 基本的には生まれてくるハチのほぼ全てが働きバチになります。
- この時に運がよければ(部屋の仕切りが大きく、餌をたくさん貰えれば)女王候補としてこれから生きて行くことになります。
- オス
まず働きバチの場合、7月から羽化し始め、巣作りや掃除、また次の子ども達の世話をします。そこから数ヶ月間はどんどん数が増えて、女王が次の世代に移るとき(11月頃)に全員お亡くなりになります。
そして女王バチ候補の場合は、少し遅めの11月頃に産まれ、交尾するために最初で最後の外出をします。以降巣には戻りません。そして巣の外でオスのハチと交尾するのですが、この時の相手は、自分と同じ巣出身とは限りません。
ではオスはどのように現れるのか、ここで③の場合に触れておきます。
オスは女王候補が生まれる少し前に羽化し、女王候補たちの外出まで巣の中で何もせずのんびり待ちます。彼女らが一斉に巣から飛び立つと、後を追うようにオスたちも飛び立ちます。
しかしほとんどのオスが最後のフライトとなります。なぜなら複数いるオスの内、交尾できるのはごく一部、パートナーに出会えなければ即ゲームオーバー、たとえ出会えたとしても越冬できないので結局ゲームオーバー。なんと儚い人生でしょう…。
話を戻すと、交尾した女王候補のスズメバチはすぐに卵を産むわけではありません。
スズメバチは精子を貯めておける受精嚢を持っているので、そのまま朽木の中などで越冬します。
そして春を迎えるとまず巣作りからスタート、もちろんこの時は働きバチはいないので一人で頑張るしかありません。この時の巣はあまり大規模なものではなく、あくまで最初の働きバチを育てる言わば借家みたいなものです。
初めは大変ですが、働き蜂が増えてくると徐々に大きな巣を作り始め、そこから大豪邸に移り住む訳です。移り住んでからは産卵に集中し、幼虫をどんどん増やします。そしてまた、次の世代にバトンを渡すのです。
ちなみにオスが産まれる条件は、精子を卵につけていない未受精卵であること。これは女王がそろそろ世代交代かぁと思ったタイミングで産み、次の女王に任せることを決めた証となります。
役目を終えた女王は、最後は巣の外へ放り出されます。
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襲われたら
最後にオオスズメバチに襲われた場合どうすればよいか、色々考えた結果、大きくて丈夫な白い布を被るぐらいしか思いつきませんでした。それでも警戒心の強いスズメバチから逃れることは非常に難しいので、やはり冒頭で説明したように、まず巣に近づかない。オオスズメバチの巣は土の中や樹の幹など、山の奥にあることが多いので、虫取りの際には気をつけましょう。特に女性は、化粧品や香水、男性は整髪料等に含まれる成分が、警戒フェロモンと同じ場合があり危険です。もし「ブーン」という羽音か、「カチカチ」という警戒音が聞こえた時は、静かにその場を離れましょう!そんな超危険なオオスズメバチも、現在は住む場所が減り数は減ってきています。種の保存の観点から言えば、オオスズメバチも大切にすべき存在なのです。
データ
和名:オオスズメバチ
学名:Vespa mandarinia
分類:ハチ目 スズメバチ科
分布:北海道、本州、四国、九州、屋久島
発生時期:5~11月
捕獲方法
危険なので近づかない。駆除は業者に依頼する。
飼育方法
研究以外では危険なので捕まえない。
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