飛ぶ・泳ぐ!かわいいオケラの生態とは。鳴き声や飼育方法など
2016/10/21
オケラとはバッタ目・ケラ科の昆虫です。
図鑑ではオケラと表記されていますが、正式名称は"ケラ"です。
また一文無しになった状態を"オケラ"と呼ぶ事があります。
これはオケラが両手を上げてバンザイした姿が降参しているように見える事に因んでいます。
胴を掴むとオケラが自然にバンザイをするので、発見した際には一度持って確かめてみてください。
オケラの生態と特徴について
生息地
オケラの生息地、見られる時期は次の様になっています。
- 地域:北海道、本州、四国、九州、沖縄
- 場所:田んぼの畔、畑、水辺周辺の草むら
- 時期:4月~10月
オケラは北は北海道、南は沖縄まで全国的に生息しています。
特に見られる時期は4月~10月となっており、春から秋にかけて見る事が出来ます。
場所としては田んぼの畔や畑など水分をやや多く含んだ土地が多いです。
オケラは穴を掘って地中で生活するため、ある程度土が柔らかくなければならないからです。
近年は休耕田や放置された畑など土が固い土地が増加傾向にあり、オケラが安心して暮らせる場所が減少しています。
ですからオケラを発見する事が年々難しくなっていると言えるでしょう。
体の特徴
※海外のオケラさんです。見た目は日本のとだいたい同じです↑
オケラには次の特徴があります。
- 体色は暗褐色、腹側はやや淡い褐色(成虫)
- 体長は40mm程度(成虫)
- 全身にビロードのような細かい毛が生えている
- 胴から頭部へはザリガニ、胴から尾部へはコオロギのような姿をしている
- 前足が大きく発達していてやや平たい
- 両前足の先はそれぞれ太く、指状に分かれている
- 前翅は短く小さいが、後翅は長く大きい
- 尾毛が2本生えている
- 水上を泳いで進み、飛行も出来る
- 不完全変態
- 寿命は約2年
まずオケラは胴から上半分がザリガニで下半分がコオロギ、2種類の生き物が合わさった不思議な姿をしています。
そして前足が大きく発達していて、爪を目一杯広げた"パー"の形となっています。
さらに前足の先端は太い指状となっており、効率よくガリガリと土が掘れます。
土を掘り返すとどうしても全身が土まみれになってしまいますが、オケラはビロード状に生えている毛のおかげで土を弾く事が出来るのです。
水上を泳ぐ際にも体毛が撥水の役割を果たすので、スイスイとスムーズに進みます。
昆虫なのに泳ぐスピードが速いはビックリです。
それから大小サイズが異なる翅もありますから、飛行しながらの移動も得意ですね。
陸海空(陸水空)をオケラのよう自由自在に動き回れる昆虫は存在しないでしょう。
食性および餌
オケラは主に雑食性で、セミやガなどの幼虫、ミミズ、植物の根を餌にしています。
土を掘り起こしながら暮らしているので、エネルギーの消耗が凄まじいのもオケラならではです。
生きていくには消費した分のエネルギーを摂取しなければならず、オケラはたくさん餌を捕食しています。
天敵
オケラの天敵は昆虫類、鳥類、魚類、爬虫類、両生類、哺乳類になります。
地中で暮らしていますが、フクロウやサギなどの視力に優れた鳥類に捕食されます。
それからオケラが起こす微弱な振動を察知したモグラ、穴を辿ってきたトカゲからは逃げられません。
また水辺周辺の土地にいるので、カエルやフナから捕食される事も珍しくないでしょう。
そして忘れてはならないのが寄生バチからの脅威です。
寄生バチはオケラの成虫・幼虫を捕食、さらには卵を産み付けてしまいます。
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飼育について
オケラの飼育は少し難しいですが次の方法で飼育してみましょう。
飼育に必要な道具
- 昆虫ケース
- 腐葉土
- ミミズ、キャベツの芯、かつおぶし
- 割れた鉢
- 霧吹き
飼育環境を作る
- 深めの昆虫ケースに腐葉土を15センチ程度敷き詰めます。
腐葉土は敷き詰める前に、霧吹きでしっとり湿らせましょう。 - そこへ割れた鉢を置いて、隠れ家を作ってあげてください。
オケラはたまに陸上へ出て来る事もあり、日除けとして必要だからです。 - そして餌は古くなったら回収しましょう。
オケラのメスは5月~7月頃、薄黄色の楕円型の卵を産卵します。
卵は約2週間くらいで孵化します。
注意!ケース内のオケラの数は少なくしましょう
オケラは餌が足りていても、共食いをする場合があります。
また縄張り争いも勃発しますので、あまり数多くの個体を一緒にしない方がいいでしょう。
またオケラの飼育は非常に困難で、飼育後にすぐ死んでしまう事ばかりです。
野生のままそっとしておくのがオケラのためかもしれません。
捕獲方法
オケラを次の捕獲方法で捕まえてみましょう。
使用する道具
- 網
- シャベル
- 軍手
ポイント
オケラを探すには、田んぼの畔や畑など土が柔らかい場所へ足を運びましょう。
念入りに地面を探すと褐色のオケラが見付かります。
土の不自然な盛り上がりや、何かが這った後を辿ってオケラを探しましょう。
オケラは毒もありませんし、噛み付いたりもしませんから安心して捕まえてください。
あまりお目にかかれる昆虫ではありませんので、触って生態を観察してみましょう。
鳴き声を頼りに探す!
オケラは地中で暮らしている昆虫なので、潜っている間は居場所が掴みにくいです。
そこでオケラを探す際には、鳴き声を頼りにするのも大切です。
オケラはオスもメスも"ビーーー"という鳴き声を発します。
ビーーーという鳴き声は機械のブザー音のような感じです。
音量を比較するとメスよりもオスの方が大きく鳴きます。
春先から夏の繁殖シーズンには田んぼや畑で耳を澄ましてみてはいかがでしょうか?
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