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野鳥

ノスリの生態。餌や繁殖期、幼鳥時の特徴。トビとの見分け方

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猛禽類の一種、ノスリは猛禽でありながら、寸胴のずんぐりした姿が愛らしい鳥です。
トビの次に数が多く、冬になると日本各地の草むらなどで見られます。
人間をあまり怖がらず、自ら近づいてこちらを観察することも。猛禽でありながら、人に近くても気にしない傾向が強い野鳥です。

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ノスリの生態と特徴

分布

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日本、モンゴル、シベリア、中国などに分布します。
日本で一年中暮らす個体と、冬に海外から渡ってくる個体がいます。
ノスリは亜寒帯や温帯地域で繁殖し、冬になると熱帯、温帯地域に移動する渡り鳥(または漂鳥)です。
日本では北海道や本州中部より北、四国の山岳地域で子育てを行い、冬は全国に飛来します。
北海道で繁殖した個体は、冬には日本国内を南下します。

平地、山地の森や農地、草原などで単独で行動します。繁殖期のみペアで行動します。
ノスリはネズミなどの小動物を狩る猛禽類です。
巧みに空を飛び、ホバリングも得意です。精密な飛行が要求されるノスリの翼は短く、丸く進化しました。
短い翼は風や上昇気流を捕らえて長距離飛ぶのにはあまり向きませんが、自由に空中を飛行するのは得意です。
同じような丸い翼を持つカワセミも、ホバリングして水中の獲物を狙います。

亜種:オガサワラノスリ

小笠原諸島の亜種オガサラワノスリは留鳥です。絶滅危惧ⅠB種ですが、一年中同じ場所で観察できます。
大東諸島には、かつて亜種ダイトウノスリが生息していました。しかし1970年ごろから生息が確認できず、2007年に絶滅が宣言されました。
ダイトウノスリは標本すら残っていない、幻のノスリです。

近縁種

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近縁種にケアシノスリがいます。
ケアシノスリはノスリより北の地域で活動します。そのためか、体はノスリに比べて白く、丸っこい体も相まって美しく可愛い姿をしています。
日本には北海道などに、少数飛来します。ノスリと比べると全体的に白く、斑が濃い茶色。太股の羽毛(俗に言うモモヒキ)はまだら模様です。
まれに日本に飛来するオオノスリは、トビとほぼ同じ大きさ。堂々とした風格で、モモヒキは茶色です。

ヨーロッパノスリ

ノスリはヨーロッパ全域に多数生息するヨーロッパノスリと同じ種類だと思われていましたが、鑑定の結果別種であることが分かりました。そのため、2008年より別種として扱われています。
ヨーロッパノスリは、北欧で繁殖した個体はアフリカ東部~南部やインドに移動します。EU圏で生息する個体は留鳥で、一年中ほぼ同じ場所で見られます。
ヨーロッパノスリはペット用に「ブザード(または、コモンブザード)」の名で日本にも輸入されています。

行動圏

行動圏は個体差があり、海を何千キロも渡りをする個体もいれば、日本国内で数百キロ程度の移動をする個体、一年中ほぼ同じ場所で暮らす個体と、様々です。

特徴

タカ科ノスリ属の鳥類です。日本のノスリはマダガスカル島に生息するマダガスカルノスリと同じ種類です。

体の特徴

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くちばしの先からしっぽの先まで50~60cm、翼を広げると100~140cmほど。他の猛禽と同じく、雌のほうが雄より一回り大きいのが特徴です。
日本ではトビの次に数が多い猛禽類と言われ、関東などでは多摩地区などでもよく観察されています。しかし環境変化に弱く、生息数は減少傾向にあると言われています。

首が短く目はくりくりと丸く、胴体も寸胴で「かっこいい」より「かわいい」印象が強いタカです。
翼はフクロウに近く、柔らかく丸みがあり、羽ばたいても羽音がほとんどしません。
背中は濃い褐色、お腹は淡い褐色です。喉は黒く、翼を広げるとしっぽを扇形に広げます。
トビより一回り小さな姿です。

トビとの見分け方

トビと見分け方は、尾羽の広げ方と首の長さ、翼の色で判断します。
トビは尾羽を台形に広げますが、ノスリは扇状に広げます。
翼の色はトビのほうが茶色が濃く、ノスリは薄め。翼の先が黒いのも見分けるポイントです。
翼の形も、トビのほうが三角に近く、いかにも猛禽らしいシャープな印象があります。ノスリは首が短く、全体的に寸胴です。

繁殖期~子育て

日本の繁殖期は4~5月ごろで、林や森の上に巣を作ります。
この時期だけはなわばりを作り、厳重に守っています。5月に2~4個の卵を産み、主に雌が暖めます。
33~35日で孵化、55日ほどで巣立ちを迎えます。
巣立ってもしばらくは親元で餌取りの訓練を行い、巣立ち後40日ほどで独立します。
独立した幼鳥は全体的に茶色が強く、性成熟には2~3年ほどかかります。

食性およびエサ

ネズミ、モグラなど小型ほ乳類から昆虫、ミミズ、節足動物、カタツムリなど陸生の貝類、ヘビ、トカゲ、鳥など、幅広く獲物にします。
弱った鷺に襲いかかることもあり、機会があればオオタカのように大きな獲物も狙います。

獲物にねらいを定めるため、空中でホバリングして獲物との距離を確認します。
ねらいを付けると一気に急降下し、鋭い爪で捕獲します。
地上すれすれを擦るように飛ぶこともあり、この姿が「野擦り」(=ノスリ)の名の由来になったと言われています。

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エピソード

「くそとび」と呼ばれて

鷹狩が盛んな時代、ノスリは小さな動物しか狩ることができない役立たずの鷹という扱いでした。
色が茶色なのもあり、奈良時代には「くそとび」などと呼ばれていました。

生態系のバランスを見る指標

ノスリは自然環境の指標になる鳥類の一種で、ノスリが一定数確認できれば、その地域の生態はバランスが取れていると考えます。
かつては道路などのインフラ工事でノスリの巣を勝手に撤去されたり、巣のある木に放火するなどする被害がありました。
ノスリはオオタカと異なり、猛禽類の中では大胆で人を恐れません。オオタカは外見に似合わず、環境変化に過敏で非常に神経質な鳥です。
オオタカなら付近の工事をするだけで巣を放棄しますが、ノスリを追い出すには多少の妨害は気にしないようです。
ノスリは大胆な性格で、人間が近くにいても気にせずのんびりしています。

保護した時は

比較的数は多い鳥ですが、減少傾向のある猛禽類です。もし地面でへたっていたら様子を見て、出来れば安全な場所に避難させましょう。
胸を押さえてあばら骨が浮いていたら、飢えている証拠です。エサの生肉など与えて離しても良いでしょう。(味のついた肉は止めましょう)

冬は、鳥インフルエンザに感染している可能性もあります。もし冬に倒れている(または死んでいる)ノスリがいたら、警察に通報しましょう。
決して触らず、そのまま放置したほうが賢明です。もし周囲に別の鳥の死骸があれば、鳥インフルエンザの可能性は濃厚です。
その際は靴や服などを次亜鉛素剤ナトリウムや蒸気などを何度も当てて十分に洗浄し、手をよく洗います。洗浄が終わるまでは他の鳥に近づくのは絶対に止めましょう。

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