海の最強生物、モササウルスの特徴。大きさは15M超え
2016/10/01
食性:肉食(魚や貝類)
体長:8~12m (1~15m)
出現時期:白亜紀後期
発見場所:ヨーロッパ、アメリカ
分類:爬虫網 有鱗目 モササウルス類(海トカゲ類)
モササウルスは、白亜紀後期の海に生息した巨大な爬虫類の一種です。かつて、地球を支配していた恐竜とは、別の進化をとげたもので、絶滅するまでの間は海中の食物連鎖の頂点にいたと考えられています。
どのような特徴をもっていたのでしょうか。
モササウルス類が登場するまでは、魚竜や首長竜の仲間が海を支配していました。
他にも現代のサメにあたる生物の大型のもの、肉食魚などたくさんの捕食者が存在しました。
ところがモササウルスは「勝てないなら、彼らを食べればいいじゃない」という発想で、強靭なアゴを発達させ、身体を大きくするという進化をしました。
その結果、彼らの立場に成り代わり、頂点の座を奪い取ったのです(生態的ニッチにうまくハマったという説もあり)。
他にもモササウルスが繁栄した理由はいくつかあります。
嗅覚がするどく、獲物を見つけることや危険察知に長けていた、大きな身体にも関わらず遊泳力が優れていた、など。
ただこれらはあくまで体の構造上有利だっただけで、最も重要な点は胎生(現代の哺乳類と同じ)だったということ。
陸上に卵を産む必要がなく、海での生活ではかなり大事な要素となります。
胎生により一度に出産できる数は限られますが、ある程度大きくなってから誕生する。つまり、成熟までの個体数の減少が少なくなるため、確実に子孫を残すことができた訳です。
生物界でモノを言う「強さ」と「繁殖」を兼ね備えたモササウルスが、もし一匹でも現代に生きていれば、生態系は大きく変わっていたでしょう。
そんなモササウルスの仲間は現代にいるのか?という質問の答えとしては、生態として似ているのはワニ、ですが分類上、近い生き物はトカゲやヘビと考えられています。
もともとモササウルスは、陸上生活をしていた爬虫類が、生活する場所を海へと変化させ、その環境に適応したものが祖先とされています。
細かな分類では、有鱗類トカゲ亜目オオトカゲ上科に属しており、海トカゲ類と呼ばれることもあります。
アゴの構造や頭部関節の柔軟性を見れば、現代のヘビにそっくりです。見た目はワニで、頭部構造はヘビ、種類はオオトカゲ…まるで爬虫類の寄せ集めのようなモササウルス。
これからの研究においても、進化を紐解く鍵となる生き物かもしれないと、注目を浴びているのです。
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ところで、モササウルスは恐竜ではなく、厳密には「水中生活ができるように進化した大型の爬虫類」と分類されます。
その化石は恐竜のものより以前に発見されていました。ですが、当時はそこまで注目されず、恐竜の化石が発掘され始めた数十年後にやっと陽の目を見ることになります。
その時に初めて太古に絶滅した生物のものだと判明し「マース川のトカゲ」という意味のモササウルス(モサはマース川の古称)と名付けられました。
その後、たくさんの化石が世界中から発見され、かなり研究が進んでおり、食性からウロコの模様など、様々なことがわかっています。
もう一つ誤解されがちなのが、白亜紀の海の覇者とは言っても、モササウルスという生物のみが一番だった訳ではありません。
ここまでは紹介の都合上あえて明記しませんでしたが、正確には”モササウルス科の生き物たち”が海(ただし浅瀬)を牛耳っていたということ。
モササウルス科には、体長1mほどのパンノニアサウルス、最大で15mを越えるハイノサウルスやティロサウルスなども存在し、モササウルスもその一つにすぎないということです。
このように幅広く進化を遂げたことも、海を制す要因の一つだったのかもしれません。
ちなみに化石の中には、翼竜を食べた形跡もあり、捕食対象は水中だけに限らないことはすでに証明されています。
もしかしたら、ゆくゆくは陸上の恐竜も餌にするつもりだったのかも…海に住んでいた魚から進化した仲間が一旦陸に上がり、また海へ戻り、再び進化を遂げて陸上へ進出してくる恐怖の存在。
それに出くわす前に絶滅した恐竜たちに、「ある意味運がよかったかもよ」と伝えてあげたいと思う筆者なのでした。
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