かわいい!モグラの生態と特徴。捕獲や飼育、駆除・対策について
2018/10/04
モグラとはモグラ目(食虫目)・モグラ科の動物です。
日光に耐性がなく、当たると死んでしまうとの迷信が有名ですね。
しかし実際の所、モグラが日光に当たっても死にません。
ですからたまにヒョッコリとトンネルから顔を出したかわいい姿が見られる事があります。
モグラの生態と特徴
モグラの生息地、見られる時期は次の様になっています。
- 地域:本州、四国、九州、離島
- 場所:雑木林、水田の畔、畑、野原
- 時期:一年中
モグラは北海道を除いた青森県以南から九州にかけて生息しています。
佐渡島や尖閣諸島などの離島に生息する種も確認されています。
地中で穴を掘って生活するので、水田の畔や野原など水分を含んだ柔らかい土でなければ生きていけません。
そしてモグラは冬眠をせず、土中で一年中活動しています。
特徴
モグラには次の特徴があります。
- 体長は100~150mm程度
- 体色は黒色、暗褐色、鼻と手足は桃色
- 体毛は短く、ビロード状に生えている
- 目は小さく埋没しており、視力は光を感じる程度
- 前足は大きく丸い、後足は長細い
- 前足は外を向いており、手のひらは鱗状
- 爪は中指に向かって長い
- 鼻先にはアイマー器官がある
- 耳穴はあるが、耳介はない
- 泳ぐ事も出来る
- 寿命は約5年
体毛は短くビロード状に生えているので、狭いトンネル内を行き来する際の抵抗にはなりません。
ですから前進も後退も非常にスムーズです。
また目はあるものの埋没、視力は良くありません。
前足は大きく発達しており、土を掘りやすいように外を向いています。
それから鼻先にはアイマー器官があり、接触する事で対象物が何であるかを判別します。
アイマー器官のおかげで視力に恵まれていなくても、問題なく暗い地中で暮らせるのです。
最後にモグラは泳ぐ事も可能です。
田んぼに水が入れられると、鼻を空に向けながら泳いで岸に向かいます。
ビロード状の体毛のおかげで水を弾きつつ、スイスイ泳ぐ姿が見られます。
食性および餌
モグラは主に雑食性です。
ミミズ・オケラ・ジムカデなどの昆虫類やその幼虫を餌にしています。
一日の食事量は体重の半分程度とかなりの大食いです。
餌を見付けたら丁寧に爪や前足でミミズを扱きつつ、体内に溜まった泥を排出してから美味しく頂きます。
またトンネルの一部にミミズを貯めておく貯蔵庫があり、そこに餌を集めて後で食べる事もあります。
いつでも餌が取れるとは限らないので、こうして貯めておくんですね。
しかし元気なまま貯蔵したのでは、ミミズが逃げ出してしまう恐れがあります。
そこでモグラはミミズの体の一部を爪や歯で傷付け、麻酔効果のある唾液を含ませてから貯蔵しているのです。
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モグラの飼育は可能か?
どうしても飼いたいと思っている方へ
モグラをペットとして飼育するのは非常に困難です。
以下の理由から一般人の飼育はほぼ不可能と思っても問題ないでしょう。
- 12時間餌を食べないと餓死する
- 大食漢で餌の確保が大変
- 環境の変化に敏感で非常に神経質
- 手入れが大変
以下、詳細です。
モグラは空腹に弱い
まずモグラは12時間餌を食べないと餓死してしまいます。
モグラは活動するためのエネルギーがたくさん必要です。
なのでちょっと餌を食べないだけで命を落としてしまうんですね。
餌を確保するのに手間もお金も必要
そしてモグラは毎日体重の半分を超える量の餌を食べます。
仮に100gのモグラでシミュレーションしてみましょう。
まず1回に50gの餌を与えなければなりません。
50g×3回(1日に3回は食事をする)×31日(1ヶ月)=4650g
ざっと試算すると、1ヶ月あたり約3kgの餌を用意しなければなりません。
そしてモグラの寿命は約5年ですから……。
到底一般人の手には負えません。
モグラは環境の変化に敏感
それから環境の変化にも敏感で神経質です。
なので温度・湿度の変化ですぐにモグラは弱ってしまいます。
日光に当たると死んでしまうという俗説が信じられていますが、これは日光が苦手なのではありません。
日光に当たる事で体温が上昇し、その変化に体が着いていけないからなのです。
モグラの手入れも必要
私たち人間や動物は生きていると爪がどんどん伸びてきます。
モグラも例外ではなく、爪が伸びてしまうので切らなければなりません。
そのままにすると手が曲げられなくなって、前足がケガをしてしまいます。
しかしモグラは神経質なので黙って爪を切らせてくれないでしょう。
このように神経質・手間・餌代などの様々な問題からモグラは飼育に向きません。
ですからペットショップや業者が取り扱っていないのです。
後述しますが、"法律・行政が絡む問題"も飼育に向かない一因です。
捕獲方法
モグラを捕獲するには都道府県知事への許可申請が必要です。
モグラの捕獲には許可が必要?
モグラの捕獲は各都道府県知事に書類申請し、許可をもらわなければなりません。
もし許可なくモグラを捕獲すると『懲役1年または100万円以下の罰金』に処せられます。
ですからゴルフ場整備という業務上の正当な理由があろうとも、モグラを捕獲する際には許可が必要となるのです。
ただし農林業務のためのやむを得ない捕獲・駆除について許可は不要となります。
つまり研究・飼育・駆除(農林業務外)をするには、必ず各都道府県知事に許可を申請しなければならないのです。
ちょっと豆知識
生きたモグラを見たい場合は…
野生のモグラを探す事は非常に困難です。
ですからモグラを展示している施設での観察をお薦めします。
全国には以下のような施設があるので足を運んでみてはいかがでしょうか?
- 富山市ファミリーパーク(富山県)
- 多摩動物公園(東京都)
- 安佐動物公園(広島県)
- フェニックス自然動物園(宮崎県)
絶滅の危機に瀕しているモグラたち
環境省作成のレッドリストには以下のモグラ科の生き物が掲載されています。
中でもセンカクモグラは絶滅寸前の危機に瀕しています。
- センカクモグラ(絶滅危惧IA類、CR)
- エチゴモグラ(絶滅危惧IB類、EN)
- サドモグラ(準絶滅危惧、NT)
モグラはどんな鳴き声?
狭い地中では他のモグラと遭遇する事があります。
その際にオス同士であれば縄張り争いが勃発しますから、お互いに鳴き声で威嚇します。
キィーキィーと鳴くのですが、超音波なので人間には聴こえません。
手軽なモグラの退治方法
- 風車を立てて地面へ振動を起こす
- 唐辛子の煙や排気ガスを送り込む
風車で地面をガタガタ刺激すると、居心地が悪いモグラはどこかへ行きます。
しかしモグラが慣れてしまったり、風車が近隣への迷惑になる事もあります。
そしてホースで自動車の排気ガスを穴へ送り込むのも効果があります。
唐辛子を燻した煙も試してみてください。
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