ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)の生態!飼育と餌・寿命
ミドリガメの名前で流通している、ともすると日本産のカメよりも有名なカメがミシシッピアカミミガメです。
このカメの故郷はアメリカ合衆国のミシシッピ川とその周辺ですが、ペット用として輸出されたため日本をはじめとする世界各国に外来種として生息しています。
日本では、本州四国、九州と周辺の離島、石垣島や小笠原諸島の父島でも生息が確認されています。
ペットとして飼われていた個体が捨てられたため、公園やため池などでも普通に見ることができます。
特徴
一番の特徴は眼の後ろあたりから首にかけて赤い模様があることです。
ただし、この模様には個体差があり、老齢になると不鮮明になることもあります。
この位置が人間に耳のように見えることが、「アカミミガメ」という名前の由来です。また、背側の甲羅の1つ1つに不規則かつ幅の狭い縞模様が入ります。
最大で雄は甲長24㎝、雌は甲長28㎝ほどに成長します。
雌雄の見分け方は、おとなの雄では前肢の左右第2から3指の爪が指の長さと同じかそれ以上に長くなることです。
幼体ミドリガメ
ミシシッピアカミミガメは色鮮やかな幼体、通称ミドリガメがかわいらしいため、昔からペットとして人気があります。
そのため品種改良も盛んであり、全身真っ黒な黒化個体、赤い模様が甲羅にも出現するパステル、「アカミミ」の模様がなく全身が真っ白かつ赤眼のスノー、生まれつき黄色い色素をもたないアザンティックなど、多彩な色彩パターンをもつ品種が誕生しています。
生態
ミシシッピアカミミガメは流れの緩やかな川や沼、池に棲んでいます。
自然豊かな環境はもちろんのこと、汚れた水にも強いので、都市部の人工池や小川でも見ることができます。
雑食性で動物も植物もよく食べますが、自然界では甲殻類や貝類、魚類、昆虫類のほかに水草などの植物を食べています。
また、生餌のみではなく動物の死骸も食べるなど、えり好みしない食いしん坊でもあります。
天敵なし、生態系を壊す原因
原産地における天敵は、ワニやアライグマ、大型のヘビや鳥類のほか、ワニガメなどの大型カメ類が挙げられます。
しかし、日本では天敵となるような肉食獣がほぼおらず、さらにミシシッピアカミミガメ自体の繁殖力が非常に旺盛であるため、捨てられた個体が各地で爆発的に繁殖し、駆除はいたちごっこと化しています。
ミシシッピアカミミガメは日本では日本の侵略的外来種ワースト100に指定されており、同時に世界の侵略的外来種ワースト100にも数え上げられていることから、ヨーロッパ諸国や隣の大韓民国では輸入制限措置がとられています。
日本では、2006年の動物愛護法改正により以前より流通量は減ったものの、依然としてペット用に販売されています。
飼育について
現在、ミシシッピアカミミガメは「要注意外来生物」扱いですが、「特定外来生物」に指定された場合、輸入が原則禁止され、飼育や譲渡も禁止されます。
また、飼育は許可制になり、許可を得た場合その個体にマイクロチップを埋め込むなどの予防策が必要となります。
許可の手続きの煩雑さやマイクロチップなどの料金が高額になるため、。特定外来生物に指定された場合、アカミミガメの違法投棄が増えることが心配されています。
このようなアカミミガメですが、寿命は20年から30年とされています。
水質汚染に強く餌の好き嫌いもないことから丈夫で買いやすく、初心者向けのカメと言えます。
ただし、大きくなると気性が荒くなること、水槽などのスペース的な問題など、成長するほど飼育当初と状況が違ってくるので注意が必要です。
屋内で飼育する場合ケージや水中ヒーター、ランプやレンガなどの足場が必要になりますが、甲長5㎝を超えると低温に強くなるため、屋外飼育も可能になります。基本的には、クサガメと同じような飼育環境を整えてあげればOKです。
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