いい夫婦、メジロの生態♪鳴き声や餌、現在飼育はできない?
冬になると、背の低い街路樹の中からヒヨヒヨと優しい声が聞こえることがあります。よく見ると、小さな何かが茂みの中で跳ね回っています。
素早くて姿を見るのが難しいですが、これがメジロです。
メジロはうぐいす色の美しい小さな体、目の回りのアイリングがとても愛らしい鳥です。夫婦仲が大変良く、くっついている姿を見かけることも珍しくありません。
姿も声も可愛く、さえずりは聞き惚れるほど美しい、小鳥の良いところをすべて兼ね備えたような鳥です。
長らく日本でも飼育された歴史がありましたが、度重なる密漁などの問題があり、現在は全面的に禁止になりました。
身近な鳥、メジロはどのような鳥でしょうか。
メジロの生態と特徴
生息地
東アジア一帯~東南アジアに分布します。
ハワイ諸島にも少数が生息しますが、これは日系人の移民がペットや害虫駆除のために連れてきたものが逃げたと言われています。
同じ理由で、ハワイにはウグイスも少数生息しています。
日本各地に生息しますが、夏は山間部で子育てをし、冬に平地にやって来る習性があります。
街で暮らしていると冬鳥のイメージがありますが、遠いところに去っているわけではありません。夏に山を登ると、メジロの鳴き交わしを聞くことができます。
花を追い求め、南から北へ移動する個体もいます。
離島には伊豆諸島のヒチトウメジロ、硫黄島のイオウジマメジロ、大東島のダイトウメジロ、種子島と屋久島のシマメジロ、奄美大島より南のリュウキュウメジロなどの亜種がいます。
本土からペットとして連れてこられたメジロが逃げて野生化し、亜種と混血することもあります。
現在、ペットとして飼うことができるのは、中国から輸入されたヒメメジロなどです。しかしヒメメジロが逃げだし、日本のメジロと混血する事例が報告され、生態系の乱れが懸念されています。
特徴
スズメ目メジロ科の鳥です。
日本の鳥の中では最小クラスで、くちばしの先からしっぽの先まで12cm、羽を広げても18cmほどです。
日本最小の鳥、キクイタダキやエナガに次いで小さな鳥で、大変愛らしい姿をしています。
顔と背中は緑、お腹は薄い灰色、目の回りに白いリングがあります。
この白いリングも小さな羽毛の集合体で、自分で掻くことができないのでパートナーに掻いてもらいます。
くちばしは鋭く、花の密を吸うのに適しています。鳴き声はヒヨ、ヒヨまたはピヨ、ピヨと聞こえます。
夫婦中の良い鳥で、仲良くエサを探し、いつも一緒に行動している姿を見かけます。
一方が食事をしている間は、もう一羽が周辺を見回して警戒します。メジロは体が小さいために立場が弱く、ヒヨドリなどに追い出されることも度々です。
メジロは冬の間、エナガ、シジュウカラなどカラ類やコゲラという小さなキツツキと共に群れを作ることがあります。(混群)
小さな鳥は猛禽類に狙われることも度々です。そこで、様々な鳥が群を作ることで警戒の目を増やすことができます。
メジロは仲間と力を合わせて生きています。
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天敵
ツミなどの小型猛禽類、カラスなどが天敵です。
冬などはエサが少ないため、少なからず餓死することもあります。
バードテーブルなどである程度救済することはできますが、生態系を乱さない程度に止めましょう。
リンゴや砂糖水でも食べますが、特に、冬みかんを好みます。庭の木に半分に切ったみかんを刺しておくと、喜んで食べに来ます。
保護した時は
メジロは山間部で子育てをすることが多いため、ヒナを保護することは山登りをしない限りは限られています。
ビルのガラスにぶつかって、脳しんとうを起こして倒れているメジロを見かけることがよくあります。この場合は、意識がはっきりするまで、手に乗せるなどして保温してあげましょう。
大きな怪我がなければ、そのまま飛んでいきます。急いでいる時は、木の枝など高いところに乗せて立ち去っても構いません。(できるだけ視界の狭い、目立たない場所に置いておきましょう)
いつまで経っても調子が良くならないときは、栄養失調で倒れている可能性も。動物病院か、県の自然保護課に指示を仰ぎましょう。
注意点
・注意点
メジロは長い間、野生のものを捕らえて人間に飼われていました。特に関西では有名で、各地で鳴き合わせ会などが行われています。
しかし、違法なカスミ網などで一網打尽にしてしまい、不要な雌や他の鳥を殺害するなどの不正が横行しています。
メジロの飼育も日本の文化の一つなので、近年までは1世帯1羽までは許可されていました。しかしあまりに不正が横行したため、現在は全面禁止の処置が取られています。
そのかわり、中国から輸入されたヒメメジロを飼うことが増えています。(鳴き合わせ会で登場するメジロは、ヒメメジロか規制前から飼育されているメジロ)
ヒメメジロも野生のものを捕らえたものです。安易に飼わずに、絶対に逃がすことなく飼うことが求められます。
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