マムシに噛まれたら?生息地や生態、見分け方!対策について
2021/03/08
日本国内で毒ヘビと聞けば、ハブとマムシの2種類を想像する人が多いのではないでしょうか。奄美群島や沖縄本島、そして久米島などの離島に生息しているハブこそ「由緒正しき南国の毒ヘビ」とするのなら、マムシこそ「日本古来の毒ヘビ」の名にふさわしいのではないでしょうか。
特徴
生息地や生態について
日本には、ニホンマムシとツシママムシの2種類が生息するといわれています。このうち、ニホンマムシは、北は北海道から本州、四国、九州を越えて南は屋久島などの大隅諸島まで、一方のツシママムシはその名の通り対馬に分布しています。また、大陸にはニホンマムシの亜種がいると報告されています。
ニホンマムシは比較的小型のヘビで、全長は45から70cmであり、1mを超えることは非常に稀だとされています。大きさの点では全長2mのハブに軍配が上がるものの、意外なことにニホンマムシはハブよりも強力な毒を持っています。
毒の強さの指標となるLD50は、ハブが3.4mg/㎏、ニホンマムシは1.5mg/㎏となっています。
この値は小さいほど毒が強いので、ニホンマムシがいかにハブよりも恐ろしいかを物語っていますね。にもかかわらず、毒ヘビとしてハブがより危険視されているのは体が大きいことが理由です。
ニホンマムシの毒は強力ですが体が小さいため、一度に体内に入る毒は少ないのです。毒の主成分は出血毒で、神経毒成分は少ないことが特徴です。また、LD50は腹腔1.5、静脈1.55、皮下20.00mg/㎏と、噛まれる部位によって毒性が大きく異なることも驚きです。
噛まれたときの対策
血清が多く出回っているため、健康な成人であれば基本的に大事にはいたりませんが、幼児やお年寄りは注意が必要です。
特に注意したいのは、「毒ヘビの毒を吸いだす」行為。最近の通説では、傷ぐちを切開して毒を吸いだそうとしても吸い出される毒はほんのわずかであり、おまけに化膿の危険性が高まる、虫歯などの傷口から毒が侵入するという百害あって一利なしな結論に至っています。
マムシの出血毒は患部が2倍くらいに腫れあがるため、パニックになることもありますが落ちついて対処しなければなりません。患部を冷やす、切開する、などは行わず、傷口よりも心臓の近くを縛ってすぐさま付近の病院へ急ぎます。
この時、10分に一度くらい止血帯をゆるめて血を流すようにします。きつく縛りすぎると細胞の壊死を助長してしまうため、絶対に力いっぱい縛ってはいけません。
マムシ酒を自作しようとして・・・
マムシというと日本酒の瓶にヘビの体が丸ごと入った「マムシ酒」が有名です。見た目のインパクトもさることながら、好きな人にはたまらないというこのお酒、買うのが億劫だからと言ってくれぐれも自作しようとは考えないでください。
実際、「マムシ酒を作ろうと思って」マムシを獲りそこね、噛まれた事故がいくつも報告されています。
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飼育はできる?
上記の通り、マムシといると日常的に危険にさらされるのであまり買うのはおすすめできない種類のヘビです。どうしても飼いたい人は、付近の病院を調べ、万全の対策を講じ自己責任の範囲で飼育しましょう。
寿命・餌・天敵
マムシの寿命はおよそ30年、動物性の餌を好んで食べ、自然界では小型の哺乳類、両生類、爬虫類を餌にしています。夜行性で平地や山間部の水辺に暮らしています。他のヘビ類と同じく、鳥類が天敵です。マムシはクサリヘビ科特有の三角形の頭を持っていて、目の近くに「ピット器官」という熱感知器官があります。この働きによって、暗闇の中でもネズミの仲間などの獲物や天敵を察知し、攻撃することができます。
捕獲方法
もしマムシを捕獲したいならば、スニーカーやサンダルのようなものではなく、長靴や丈の長いブーツなどを履いて、噛まれないようにするとよいでしょう。夜中は足場が昼間よりも見づらいので、気が付くと目の前にマムシがいたらボトリ、と落ちてきたりします。勇気があるのは結構なことですが、夜間採集は慣れないうちは避けた方が無難です。
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