コノハズクの生態と特徴。飼育はできる?
近年フクロウの飼育が盛んになりフクロウカフェなども有名になりました。フクロウは獰猛な猛禽類ですが、丸い顔と瞳が可愛いと評判です。
特に飼育しやすいと評判なのはスピックスコノハズクで、体長わずか20cmほどの小さなフクロウです。
日本にも近縁種のコノハズクが生息します。なかなか観察する機会はないですが生息数は比較的多く、日本の自然の一端を担う野鳥です。
京都府など一部の地域では激減し、絶滅危惧種に指定されています。
生態
生息地
日本では本州南部より南は留鳥、北海道と本州北部は夏鳥です。北海道で子育てをするコノハズクは秋になると本州に渡り越冬します。
世界的な分布は広く、アフリカ大陸とユーラシア大陸、インドネシアなど温帯から亜熱帯地域まで広く生息しています。各地で様々な種類や亜種がいて、日本では奄美大島より南に生息するリュウキュウコノハズクがいます。
リュウキュウコノハズクは絶滅危惧Ⅱ種に分類されます。
近縁種に北海道に夏鳥として飛来するオオコノハズク、琉球諸島に生息するリュウキュウオオコノハズクもいます。コノハズクよりもひと周り大きく外見は似ていますが、鳴き声は異なります。
特徴
フクロウ科コノハズク属の鳥です。日本で一番小さなフクロウで体長はわずか20cmほど。
漢字では「木葉梟」と書き、木の葉のように小さなミミズク(羽角のあるフクロウ)というのが由来です。
全身は目立たない白い細かな縞模様がある灰色で、目は金色です。頭には耳のような羽(羽角)があるのが大きな特徴です。
他のフクロウと同じくコノハズクも夜行性です。そのため観察が難しく、なかなか生態が解明されない鳥でした。
大木がある森林を好み、昼は木の上や岩穴の中で休み夜に活動します。コノハズクは木のコブや蜂の巣などに擬態し、じっとしていると見分けが付きにくい鳥です。
人間が建てた小屋などに身を潜めることもあり、時々観察されています。
木の洞やキツツキの古巣を利用して巣を作ります。
コノハズクは寡黙な鳥で、普段はほとんど鳴き声を上げません。唯一鳴くのは繁殖期だけで、5月と6月に「ブッ・ポウ・ソウ」「ウッ・コッ・コー」と鳴きます。
基本的に単独行動を好みますが、繁殖期は雌雄がカップルになり育児に励みます。
4~5個の卵を産み、約2週間で孵化します。両親がセミやトンボ、コオロギ、蜘蛛など様々な虫を与えて成長します。
北の地域のコノハズクは秋になると暖かい地域に渡ります。地域差はありますが9月後半から10月ごろから移動をはじめます。
フクロウ、ミミズク、コノハズクの違いは「羽角の有無」です。フクロウは羽角がない丸い頭で、ミミズクは羽角がある耳つきの頭です。コノハズクはミミズクの一種なので羽角があります。
羽角は単なる飾りで、本物の耳は頭の横に付いています。羽毛の下には耳たぶのない大きな耳が隠れています。
エサ
昆虫、節足動物を主に補食します。小さな体を活かして様々な虫をとらえます。
夏はセミ、トンボなど大型の昆虫を捕らえ、カナブンやコオロギ、クモ、シャクトリムシ、トビケラ、節足動物なども補食します。ネズミなど小型ほ乳類を捕まえることもあります。
昆虫は森に溢れているので、猛禽類の中ではエサには比較的困らない傾向があります。しかし生息数は減少傾向にあり、かつてはコノハズクの鳴き声で有名だった鳳来寺山もほとんど観察できなくなりました。
エサが豊富でも巣を作る場所が減っているためではないかと考えられています。
鳴き声について
昆虫、節足動物を主に補食します。小さな体を活かして様々な虫をとらえます。
夏はセミ、トンボなど大型の昆虫を捕らえ、カナブンやコオロギ、クモ、シャクトリムシ、トビケラ、節足動物なども補食します。ネズミなど小型ほ乳類を捕まえることもあります。
昆虫は森に溢れているので、猛禽類の中ではエサには比較的困らない傾向があります。しかし生息数は減少傾向にあり、かつてはコノハズクの鳴き声で有名だった鳳来寺山もほとんど観察できなくなりました。
エサが豊富でも巣を作る場所が減っているためではないかと考えられています。
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飼育
※スピックスコノハズク↑
日本の野鳥のコノハズクは飼育できません。しかしペットショップではコノハズクの雛がよく売られています。
これらは南アメリカ原産のスピックスコノハズクや、アフリカ原産のアフリカオオコノハズクです。特にスピックスコノハズクは人に懐きやすく体も丈夫と言われ、性格も温厚と言われています。
丸い瞳で見上げる姿は健気な子供のようで、ペットとして人気が高い鳥です。
飼い方は他のフクロウと同様、適度に放鳥させる環境を作ります。ひと部屋まるごとコノハズク部屋にして、ときどきケージから出してあげましょう。
フンやペリットで床が汚れるので、できるだけ頻繁に掃除をして清潔にしましょう。
砂浴びを好むので、セメントをこねる容器(ホームセンターなどで販売しています)などに砂を入れて置いてあげましょう。
手に乗せるときは皮手袋をはめ、ピンセットでエサを与えます。エサは冷凍ヒヨコや冷凍マウス、冷凍ウズラを主食にして、オヤツにミルワーム、コオロギなどを与えます。
寿命は8~10年ほどでフクロウの中では短命です。しかし犬猫に近い寿命はあるので長期間飼い続けられる資金と環境作りが欠かせません。途中で飼育放棄しないように仕事に励み、飼い主も健康に気遣う必要があります。
スピックスコノハズクの価格は20~30万ほどですが、それ以外にも多くの資金が必要です。生半可な気持ちではとても飼えないので、事前によく下調べしましょう。
鳴き声も大きめなので集合住宅で飼育するには向かないと言われています。猛禽類を診る獣医師も少ないので事前にショップに相談しましょう。
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