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クワガタ

コクワガタの生態。寿命長く越冬も!幼虫も簡単飼育方法!

2016/10/04

kokuwagata

コクワガタとはコウチュウ目・クワガタムシ科の昆虫です。
コクワガタという名前なのですごく小さいと思われがちですが、特にそうでもありません。
コクワガタよりも小さなクワガタはたくさんいるので、それらと比較すると大体中くらいの大きさになります。

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コクワガタの生態と特徴について

生息地

コクワガタの生息地、見られる時期は次の様になっています。

  • 地域:北海道、本州、四国、九州、南西諸島
  • 場所:低山、平地、雑木林
  • 時期:6月~8月

コクワガタは北から南へと全国的に生息しています。
特に見られる時期は6月~8月となっており、初夏から夏にかけて見る事が出来ます。
夜行性なので夜間活動を活発化させますが、実際は昼間でも活動している個体もいます。

特徴

コクワガタには次の特徴があります。

  • 成虫の体色は光沢黒地、光沢赤茶地。幼虫はクリーム色
  • 成虫の体長は♂20mm~50mm程度、♀20mm~30mm
  • オスの大アゴはまっすぐに伸びている
  • オスの大アゴには一つ突起が生えている
  • 四肢の外側にはトゲがいくつも生えている
  • メスはオスよりも小さい
  • 寿命は2年~3年

kokuwagata2

※オス↑

大アゴが湾曲している種が多いですが、コクワガタは直線的でまっすぐ伸びています。
そして大アゴの内側には一つだけ鋭い突起が生えています。
しかし四肢には外側にたくさんのトゲが生えているので対照的です。
また寿命が2年~3年と長めになっており、育てやすい種でもあります。

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※メス↑

コクワガタは主にコナラやクヌギ等の広葉樹の樹液をエサにしています。
最近は森林伐採による環境破壊が顕著です。
そのため一本の広葉樹の木にギュウギュウと昆虫類がひしめき合う事も珍しくありません。
コクワガタはそれほど小さくはないものの、他の昆虫から追い出されてしまう場合もあります。
コクワガタに限りませんが、昆虫は樹液にありつくのが段々難しくなっています。

天敵

コクワガタの天敵は昆虫類、鳥類になります。
やはりエサである樹液があるコナラやクヌギの木で、天敵と鉢合わせする事が多いです。
木には樹液が出にくい場所や出やすい場所があります。
樹液が出やすい良質なエサ場では戦いが度々勃発しています。
良い匂いに釣られて蜜にありつけたはいいが、人間による蜜のトラップだったという場合も…。

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飼育方法について

コクワガタは比較的飼育は容易です。次の飼育方法で飼育してみましょう。

飼い方

必要な道具
  • 昆虫ケース
  • 昆虫マット
  • 水に半日浸けた柔らかいコナラやクヌギ
  • 昆虫ゼリー
  • 霧吹き
飼育に適した場所と気温
  • 直射日光の当たらない日陰
  • 気温は20度~25度の間
手順
  1. まず昆虫ケースに汚れがないか確認します。※汚れがあるとカビや病気が繁殖する可能性があります。
  2. 確認後、昆虫ケースに昆虫マットを10センチ程度しっかり敷き詰めましょう。
  3. それからその上に5センチ程度昆虫マットを柔らかく敷いて、コナラやクヌギ等の木を3分の1程度埋め込みます。※水に浸けるのは産卵をしやすくするため。念のため一部木の樹皮を削ってあげるとさらに産卵しやすくなるでしょう。ちなみに木はどこかの林からもって来ず、昆虫専門店から入手した方がいいです。自然の木では他の昆虫がすでに産卵していたり、何らかの病気に感染している可能性があります。
  4. 最後に昆虫ゼリーを置いて完成です。

大アゴが邪魔で昆虫ゼリーにありつきにくい事もあるため、細切れにしてあげると食べやすくなるでしょう。
もちろんですが、昆虫ゼリーは定期的に交換してください。
たまに昆虫ケースの中を霧吹きで湿気を与えながら、乾燥を防ぎましょう。

採集方法

コクワガタの採集は網を使用するとよいでしょう。

まずコクワガタを捕獲する前に、コナラやクヌギの木を探します。
コクワガタ自体の個体数が減少しているので、木を何ヵ所か確認すると発見率もアップするでしょう。
さてコクワガタを見付けたら網で捕獲します。
もし見当たらなくても諦めて去るのではなく、何度か木を蹴ってみてください。
運が良ければコクワガタがポロポロ落ちてきます。

しかしそれでもダメであればトラップを仕掛けて夜間に出直しましょう。

トラップに必要な道具
  • 焼酎
  • 砂糖
  • バナナ
  • パイナップ
  • ストッキング
  • ビン
  • ハケ
手順
  1. まずビンにカットしたバナナやパイナップルを入れ、焼酎や砂糖と合わせてフタをします。
  2. トラップ液は何度か振ったりして半日から1日程度放置。
  3. その後、ストッキングにトラップ液に浸けたバナナやパイナップルを入れて木に縛り付けます。ストッキングがない場合は木にハケを使ってトラップ液を塗ってもいいでしょう。
  4. それから夜に訪れると発酵臭に引き寄せられたコクワガタが見付かるかもしれません。

このトラップはコクワガタ以外の昆虫も引き寄せるため、昆虫採集の際には便利です。

トラップはその後忘れずに回収してくださいね。

コラム

コクワガタの幼虫を育てる方法

kokuwagata-kera

※蛹(サナギ)↑

9月~10月の秋頃になると昆虫マットや産卵木に不自然な痕跡が残る事があります。
もしそのような痕跡を見付けたら、コクワガタが産卵しているかもしれません。
そうであればコクワガタの幼虫飼育にチャレンジしてみましょう。

幼虫の飼育に必要な道具

  • 飼育ビン
  • 昆虫マット
  • 霧吹き
  • 長細い棒、ドライバー
  • すりこぎ

産卵から2ヶ月~3ヶ月程度経過しますと卵は幼虫に成長しています。
そこで昆虫マットや産卵木を長細い棒やドライバーで掘ってみます。
幼虫の皮膚組織は非常にデリケートですから丁寧に掘り起こしましょう。

飼育手順

  1. 幼虫を見付けたら飼育ビンに移動させます。
  2. 飼育ビンの作り方は簡単で、水で湿らせた昆虫マットを詰めます。
  3. 昆虫マットは霧吹きで均等に湿らせてください。
  4. 手でギュッと握ってみて、形が残る程度が目安です。
  5. その後、飼育ビンに昆虫マットを硬く押し詰めていきます。
  6. 上からすりこぎのような棒で押すとしっかりします。
  7. そして完成した飼育ビンのマット表面に穴を開けて幼虫を入れてあげましょう。

幼虫はマットを食べながら成長するのですが、当然ビンの中ではエサが減りますしフンも溜まります。
そこで大体3か月~4か月経ったら別のビンに詰め替えましょう。

サナギになったらしばらくは絶対に振動を与えないようにしてください。
ここで刺激を与えてしまうと成虫になれずに死んでしまう確率が上がります。
後はしばらく待ってみましょう。

総括ですが、コクワガタは成虫になるまで約8カ月~10カ月程度掛かります。
このビンを置く環境も重要で、23度~25度くらいであれば大体1年程度で羽化します。
逆にこれよりも温度が低い場所に置いておくと羽化まで1年以上時間が掛かるため大変です。

飼育ビン作りが面倒な人はこちらをどうぞ

昆虫専門店には『菌糸ビン』といったグッズも売っています。
ビンの中にはすでにクワガタのエサであるキノコの菌が繁殖しています。
つまりもうビンが出来上がっているので、後は中に穴を開けてコクワガタの幼虫を入れるだけ。
菌糸ビンを使う場合、エサとなる白い菌糸がなくなったら新しい菌糸ビンへ幼虫を移動させましょう。
幼虫は暑さや湿気に弱いので、飼育ビン(菌糸ビン)は風通しの良い暗所にソッと置きます。
デリケートですから飼育ビンを揺らす等してショックを与えないように。

越冬します

コクワガタは昆虫が息絶えてしまう季節の冬でも実は生きています。
どこで越冬するかですが、コナラやクヌギ等の木の中です。
成虫も幼虫も木の中でじっとしながら寒い冬をやり過ごします。
木の中は温かいため、寒さに弱い昆虫でも越冬出来るのですね。

コクワガタよりも長生きのクワガタがいます

コクワガタの寿命は2年~3年になります。
一般的に昆虫は数ヶ月で死んでしまう種類が多いですが、コクワガタはそれに比べるとかなり長生き。
さてクワガタ界にはコクワガタよりも寿命が長い種類もいます。
それはオオクワガタです。
オオクワガタは上手に飼育すれば4年~5年ととても長生きします。

短命と思われがちな昆虫ですが、コクワガタやオオクワガタのように長生きする種もいるのですね。
クワガタ類を飼育する際には寿命について忘れずにしましょう。

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