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コゲラの生態について。ドラミングや鳴き声などの特徴

公園を歩いてるとたまに「ギィー」と古びた扉が開いたような音を聞くことがあります。これがコゲラの鳴き声です。
コゲラは日本最小のキツツキの仲間です。数も多く近年は公園などでよく見かけるようになりました。しかし外見は一般的にイメージされるキツツキとは異なり、一見すると小鳥のように見えます。

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コゲラの生態

生息地

日本各地に生息し、一部の離島を除けばほぼ日本全国に分布しています。数もキツツキの中では多く公園などでも観察することができます。
しかし世界的には東アジアのごく一部にしか生息しない貴重な鳥で、ロシア南東部や樺太、朝鮮半島の北部、中国東北部などに分布します。そのためコゲラは英名で「Japanese pygmy Woodpecker」と呼ばれます。

日本各地に生息する留鳥なので亜種がたくさんいます。
北海道のエゾコゲラ、本州のコゲラ、伊豆諸島のミヤマコゲラ、本州西部と四国のシコクコゲラ、九州のキュウシュウコゲラ、対馬、隠岐群島のツシマコゲラ、奄美群島のアマミコゲラ、沖縄本島と屋我地島のリュウキュウコゲラ、八重山諸島のオリイコゲラがいます。
ただハッキリと場所が分かれているわけではなく混ざっている地域も少なくないと考えられています。

多くの亜種は十分な数が生息していますがミヤマコゲラは三宅村の特別天然記念物に指定され、絶滅危惧Ⅱ類に分類されています。離島の生態系は非常に脆く、少しの環境変化で固有種は生きていけなくなります。
コゲラは南に分布する亜種ほど色が濃くなり、北のエゾコゲラは薄い茶色です。色が濃い個体は一見すると奇妙なスズメのように見え、とてもキツツキには見えません。コゲラの特徴を捉えたイラストや画像を覚えておけばどの亜種かある程度判断できます。

木がたくさんある場所ならどこでも生活できる逞しいキツツキです。原生林から雑木林、都市部の大きな公園、立木が多い庭先、学校、街路樹など木のある場所なら比較的よく見かけます。針葉樹林も広葉樹林も亜熱帯の森も利用して生活できます。
80年代からは都市部の公園で繁殖が確認され、現在では都市部でもよく見かける鳥になりました。

体の特徴

キツツキ目キツツキ科アカゲラ科の小鳥です。
くちばしの先からしっぽの先まで15cmほど、翼を広げても27cmほどの小さなキツツキです。ほぼスズメと同じサイズで、重量も18~26gほどです。
雌のほうが雄より少し大きく、20ヘクタールほどの広いなわばりを構えてつがいや家族単位で暮らします。
体全体は茶色で翼の色は特に濃く、横ストライプの白いまだら模様です。
お腹は淡い茶色と白のまだら模様で、顔は背と腹の中間くらいの茶色で頬と目の上、のどが白いのが特徴です。
くちばしはまっすぐで細く、木を叩くのに適した作りです。
雄は頭の後ろにわずかに赤い点がありますが野生下の観察ではほとんど見えません。バードウォッチングで雌雄を確認することが難しい鳥です。

コゲラの写真を見ると森の小鳥という風貌でキツツキらしくありませんが、よく見るとキツツキ特有の特徴を備えています。
足指は前2本後ろ2本で力強く木を掴み身体を支えます。他のキツツキ同様垂直に木の幹に止まることができ、木をリズミカルに叩いてドラミングを行います。


コゲラのドラミングは他のキツツキと同じく鳴き声に相当します。なわばりの主張やペアの募集など様々な用途でドラミングを活用します。
大型のキツツキは木の幹や朽ちた木の幹を叩きますがコゲラは小さいので枝も叩くことができます。
しっぽはとても固く、木の幹に立てかけて両足と3点で体を支えます。

コゲラは20ヘクタールほどを縄張りにして、その中で子育てを行います。
コゲラの営巣は木に穴を開けるところから始まります。関東では4月下旬ごろからカップルで木の幹に巣穴を掘り、わずか数日で穴掘りを完了します。巣穴は3cmほどの真円で工具で開けたような精巧な作りです。
2個の卵を産み2週間ほど卵を暖めると孵化します。コゲラの雛は約1ヶ月ほどかけて巣立ちし、しばらくは家族とともに暮らします。
鳴き声は「ギー」「キッキッキッ」など。侵入者にはギーギー鳴いて威嚇します。ドラミングの音はほかのキツツキに比べて小さく高く、注意して耳を澄ませないと聞くのは難しいでしょう。
コゲラの巣は毎年新しく作り直します。古巣は他の小鳥や小動物たちのねぐらや巣に利用され、貴重な隠れ家になります。

繁殖期が終わった秋から冬には他の鳥と混群を作ることもあります。エナガシジュウカラヤマガラメジロ、キクイタダキなどと一緒に行動して天敵の猛禽類をいち早く発見します。

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エサ

昆虫や節足動物を主体に食べ、秋には果実も好んで食べます。
キツツキといえば木に穴を開けてカミキリムシの幼虫などを探り出すイメージがありますがコゲラは木の葉に付く害虫や皮の中に潜む虫を好んで食べます。
足が頑丈なのでエナガのようにひっくり返りながら枝の先あたりまで餌を取ることができます。しかしエナガに比べて体重がずっと重いので枝の先端付近までは近づけません。自然界では餌場が被らないように調整しています。
冬場にエサが少なくなると木の幹に穴を開けて中の虫をほじり出すこともあります。

コゲラはヒナには虫の成虫をよく与えるという観察結果もあります。成虫は甲殻が硬くカルシウム分が豊富です。キツツキは体を酷使するため骨を丈夫にするために与えているのではないかと考えられています。

天敵

ハイタカやツミなど小型の猛禽類が主な天敵です。
ヒナを狙う天敵は多く、カラスに巣ごと破壊されたり蛇に侵入されて卵やヒナを食べられることもあります。
天敵に狙われないように親も傾いた木に下から穴を開けて巣作りするなど工夫を怠りません。

注意点

バードウォッチング

コゲラは比較的人間に近い場所で暮らし、子育てを行う鳥です。庭先に巣穴を開けることもありますが育児中はできるだけ近寄らないように心がけましょう。
コゲラは警戒心が強く人間も激しく警戒します。よけいなストレスを与えないように庭先の作業は必要最低限に控えたり無関心を装うとコゲラもリラックスできます。

巣箱の設置

コゲラも他の小鳥と同じく、巣箱に呼ぶことができます。
簡素な作りの木箱に直径3cmの穴を開け、高い木に括りつければ寄ってくる可能性があります。
コゲラは足の力が強いので足場は作らないほうが良いでしょう。足場があると蛇などの天敵や自分の巣を求めるライバル鳥が足場にする恐れがあり、シジュウカラなどに巣を先に取られてしまう可能性があります。

エピソード

コゲラはキツツキらしいインパクトが少ない鳥ですが身近な存在で様々なところで名前を見ることができます。
那須高原には同名の温泉宿があり、工具の小型電動スクレーパーにもコゲラの名前が付いたものがあります。

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