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カササギの生態について。鳴き声や生息地、分布の特徴

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白と黒のコントラストが美しいカササギは、日本では局地的に点在しています。

中国では瑞兆(めでたい事が起こる前に現れる動物)とされ、カササギをモチーフにしたグッズが人気です。カササギとは、どのような鳥でしょうか。

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カササギの生態と特徴

生息地と分布

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日本では生息地の分布が点在していますが、特に佐賀県など九州のカササギが有名です。
九州ではカササギの勢力が増し、同じような生態のオナガを本州に追い出してしまったと言われています。

北海道、長野県、福岡県、長崎県、熊本県でも繁殖が確認されています。
人里を好み、山野には生息しません。そのため、あまり山を越えて移動せずに先祖代々、同じ町に住み続けると考えられています。

分布が点在する理由

なぜ日本ではカササギの分布が点在しているのでしょうか。それは古来から大陸から人の手で移入した帰化鳥だからと言われています。

飛鳥時代から中国大陸からカササギが持ち込まれたという記録があり、17世紀には朝鮮半島のカササギを佐賀県に移入したというのが一般的な説です。

しかし、九州のカササギのDNAは中国の亜種に近く、中国のカササギと同じ種類と分類されています。カササギが渡来した経緯は謎が多いですが、自力で渡ってきた可能性も否定できません。

北海道のカササギは、ロシアのカササギのDNAと一致します。北海道でカササギが見つかったのは1980年代ですが、こちらは自力で渡ってきたのではないかと考えられています。

カササギの翼は長距離飛行に向かず、日本海を渡るのは難しいと考えられていました。そのため、当初は韓国のプサンから北海道へ就航する貨物船に乗って渡ってきたと考えられていました。

しかし、プサンにロシアのカササギが潜り込むとは考えにくく、当時はロシアと北海道の交易も僅かでした。
そのため北海道のカササギは自力で日本海を渡ってきたという説が現実味を帯びています。

世界的にはユーラシア大陸一帯に広く分布し、北アメリカ西部にも分布します。
分布が広いため亜種も多いですが、亜種の分類は様々な説があり、近い将来変わる可能性があります。

特徴

スズメ目カラス科カササギ属の留鳥です。
あまり長距離は飛ばず、決まった場所に一年じゅう暮らしています。そのため、カササギを見かける地域ではありふれていますが、見ない地域では全く見かけません。

体の特徴

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カササギはカラスの仲間です。顔はハシボソガラスによく似て、細いクチバシに賢そうな黒い瞳が光ります。
和名では他にもカチガラス、コウライガラスなどの異名があります。英語ではEurasian Magpie、学名はPica Picaと呼ばれ、特徴のある名前が付けられています。

くちばしの先からしっぽの先まで45cm、お腹と翼の一部が白く、肩は上品な深い青色です。

一見するとパンダのような色合いで、一目見たら忘れられない特徴的な姿をしています。

体のわりにしっぽが長く、扇形に尾羽を広げて飛ぶ姿は優雅に見えます。

カラスの仲間ですが群れることはなく、つがいか家族単位で行動します。鳴き声は騒がしく、カチカチと鳴きます。

繁殖活動

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カササギは、冬に巣作りを行います。
10月ごろから巣作り候補地の選定を行い、枝など固いまっすぐなものを集めて、1メートルもある大きな巣を作ります。
本来は高い木に営巣しますが、電柱に営巣してしまうことも度々です。現在は90%の巣は電柱などの人工物に作ることが知られています。

漏電の原因になるので、卵を生むまでに除去する必要があります。(卵を生むまでは、巣を取り除いても法に違反しないため)

4月ごろから5~8個の卵を産みます。春から初夏にかけて巣立ちを迎え、しばらく家族で暮らします。
つがいは、一度結ばれたら生涯相手を変えないと考えられています。

食性および餌

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雑食性で、イナゴなどの昆虫やカエルトカゲ、魚、穀物、果実など、その時期にある旬のものを食べます。

秋になり、庭木に柿が実る頃にはカササギもやって来ます。つがいで飛来し、仲良く柿を食べる姿を見かけることもあります。

害虫のイナゴをたくさん食べるため、農家からは益鳥と考えられています。一方で、朝鮮半島ではジャガイモなど農作物を食べた個体が見つかったこともあります。

天敵

成鳥になればほとんど天敵はいませんが、同じ仲間のカラスは厄介な存在です。

卵やヒナを狙い、食べるものを争うカラスは、カササギにとっては天敵と呼んで良いほど面倒な相手です。

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エピソード

カササギと言ったら佐賀県

歴史上、日本でカササギが最も身近にいた地域は佐賀県です。
県鳥にも指定され、1923年には佐賀県の天然記念物に指定されました。天然記念物ではありますが、現在のところカササギの数は安定し、絶滅を危惧する様子はありません。

佐賀県のカササギは、400年前の朝鮮出兵の際に朝鮮半島から持ち込まれた、という説があります。しかし、実際はそのような文献は残っておらず、DNAも中国大陸のカササギと一致しています。
江戸時代までは佐賀県にあった2つの藩、柳河藩と佐嘉藩でしか見られない希少動物で、佐嘉藩では狩猟禁止に指定し、厳重に保護していました。

カササギにとって転機を迎えたのは1970年代からです。カササギが苦手な森が切り開かれ、電柱に営巣することを覚えたこともあり、佐賀県だけでなく九州一帯に広がりつつあります。
しかし、元々いた佐賀県からは徐々に生息数が減っているようで、昔ほど見慣れた存在でなくなった、カササギを見たこともない世代が出始めたという声も。

佐賀県では県を挙げて保護活動を行い、ヒナの保護も積極的に行います。毎年30~40羽ほどが保護され、専門の職員が巣立つまで育て上げます。
数が多い鳥を積極的に保護することは珍しいですが、伝統的にカササギが多い佐賀県ならではの保護活動と言えます。

北海道でも室蘭市や苫小牧市を中心に、徐々に生息域を広げています。

かしこい鳥です

カササギは体のわりに脳の割合が大きく、非常に賢い鳥の一つに数えられます。
ほ乳類しかクリアできないと思われていたミラーテスト(鏡に映った自分を、自分自身と認識できる能力)を突破するほど賢く、非常に高い知能を持っています。

カラス同様、人間の様子をよく観察して、人間の個体識別能力もあります。子供や女性、お年寄りには警戒しませんが、イタズラしてきそうな中高生男子や、危害を加える可能性のある大人の男性には警戒します。

中国では

中国では夫婦和合のシンボルとされ、結婚式ではカササギをモチーフにしたプレゼントを送ります。

中国では「喜鵲」と書き、「鵲(かささぎ)」の字に「喜び」を重ねてめでたさを強調します。

伝統芸能の中国切り絵にもカササギのデザインは定番で、龍や蝶、牡丹などと並んで人気です。

七夕伝説にもカササギは織姫を助ける役目を買っています。カササギが体を張って、織姫と彦星をつなぐ架け橋になったという話があり、夫婦和合を結ぶシンボルとして愛されています。

朝鮮半島では

朝鮮半島でも瑞兆(ずいちょう)とされ、王宮跡などに生息しています。韓国語では「カチ」と呼ばれ国鳥に近い地位を与えられています。

西洋では

一方で、西洋ではずる賢さを強調されたせいか、凶兆と考えられています。中世には魔女の化身と考えられていました。
ロッシーニのオペラ「泥棒かささぎ」では、銀の食器や銀貨を盗んで隠してしまうカササギが人間社会をひっかき回す描写がされています。

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