カサゴの生態と特徴。種類や釣り方、飼育方法、エサなど
2016/09/22
釣りをする人はもちろん、スーパーで赤っぽいゴツゴツした、鎧武者のような魚を見かけたことはありませんか?
関西ではガシラと呼ばれるこの魚、正式名称をカサゴと言います。
メバルと似ている、と思う人もいるかもしれませんが、カサゴの方がメバルよりもゴツゴツした岩場に生息しています。
さて、大きな眼とがっしりと屈強な体を持つこの魚、いったいどういった生き物なのでしょうか。
生態
生息地
カサゴは日本近海では北海道以南、海外では中国、朝鮮半島、台湾やフィリピンに生息することが知られています。
分布域からもわかるように、比較的暖かい海を好む魚とされています。
特徴
体長は最大30センチほど、体は煉瓦色から茶色を帯び、小さな斑点模様が見られます。
カサゴとそっくりな魚として、近縁種の「ウッカリカサゴ」がいます。
この2種はかつて混同されていましたが、斑点の縁取りの有無、生息深度などで区別できます。
ちなみに、「ウッカリ」とは「うっかりするとカサゴと間違うから」という、冗談のようで本当の由来をもっています。
ウッカリカサゴはカサゴよりも深場に生息し、より大型に育つ魚です。
食性および餌
カサゴはあまり動き回らず、目の前に餌が来たら逃さず飛びつく待ち伏せ型の捕食者です。
そのため、大きな口で獲物を逃がすまい、といった適応が見られます。
餌は小魚、甲殻類、ゴカイの仲間など多岐にわたります。
釣り人の中には、「カサゴは目の前に餌さえ落とせばすぐ釣れる」と言う方もいるくらいです。
天敵
天敵となるのは、ハタの仲間のような、自分よりも大型の肉食魚です。
水産重要種で食用として人気があることを考えると、人間も天敵のひとつとなります。
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自宅飼育は可能か
カサゴの仲間はカラフルなものも多く、しばしばペットショップで見かけます。
とはいえ、機会は決して多くないので、自分で採集をする方が確実です。
釣り方やエサ、ポイント
釣り場は防波堤、岩礁地帯、テトラポットの付近などです。
カサゴの好む場所では仕掛けが岩などに引っかかりやすいため、ブラクリ仕掛けのように、糸を短くして引っかかりにくくしたものを使います。
餌は青イソメや魚の切り身の他、ルアーでもよく釣れます。
テトラポッドの場合、隙間に仕掛けを落とす「穴釣り」は簡単かつメジャーな方法です。カサゴはすぐに針を飲み込みやすく、餌を加えた直後に棲みかに戻るため、あたりがあってからぼうっとしていると釣り上げられなくなります。そのため、すぐに合わせて巣穴から引きずりだす、というくらいの覚悟が必要です。
釣った後は針をはずし、バケツかクーラーに入れておきます。いうまでもなく、エアレーションは必須アイテムです。
飼育環境
カサゴを飼育する場合、単独であれば60センチ水槽で十分です。
本来なら岩場に棲む魚なので、底に砂利を敷く、物陰となる岩や煉瓦をレイアウトする、などの工夫をしてやります。
その他の備品として、水温計、エアレーション、フィルターなどの一般的な飼育器具をそろえると良いでしょう。
飼育ポイント
餌は、ゴカイや小魚のような生餌を採集して与えるのも良いですが、魚の切り身などで代用することもできます。
生餌をたくさん与えすぎると急に水が汚れてしまうため、ほどほどにしておく方が無難です。
水面から餌をやる方法もよいですが、もう少し迫力を味わいたい人はピンセットやお箸を使って餌を口元に持って行ってあげるのがおすすめです。
手から直に、というわけではありませんが、秒速でぱくつく様子はなかなかに圧巻ですよ。
注意点
カサゴをはじめとするメバルの仲間には、頭部に鋭い棘を持っています。
そのため、不用意につかむと手に刺さってしまう可能性があります。また、背鰭の棘も鋭く、薄い手袋であれば突き破ってしまいます。
このような棘は網に引っ掛かりやすいため、水替えの時に水槽から魚を移す際には注意が必要です。
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