食用にもできる!カミツキガメの特徴と飼育について
本種は雌雄ともに甲長は40㎝、最大で50㎝ほどに成長します。
カミツキガメはホクベイカミツキガメ、ナンベイカミツキガメ、フロリダカミツキガメ、チュウベイカミツキガメの4つの亜種に分かれます。
日本で報告されているのはこのうち、ホクベイカミツキガメです。
ホクベイカミツキガメはカナダ南部、フロリダ半島と西部を除くアメリカ合衆国原産で、日本では本州四国、九州や沖縄県などで野生化した個体が保護されています。
とくに千葉県の印旛沼水系、東京都内の人工池などでは定着し、繁殖が確認されています。
ワニガメの生態と特徴
本種は同科の最大種、ワニガメほど大きくは育たないものの、より攻撃的な性質であるとされています。
また、甲長は最大50㎝ではありますが、尾が長く、首も伸ばすことができるので、全長で100㎝近くに育ちます。
カミツキガメの甲羅はワニガメと同じく3本の隆起線があります。しかしこのカメの甲羅は滑らかな曲線状なので、甲羅がトゲトゲしていて、キールの強いワニガメとはすぐに区別できます。
餌
カミツキガメは雑食性で、肉食性および植物性いずれの餌でもよく食べます。
主な餌はザリガニやカニなどの甲殻類、ヘビ、カエル、魚類や小型の哺乳類、そして水草や果実などで、えり好みせず貪食な大食漢です。
天敵
本種の天敵は同じく爬虫類のワニ、大型のヘビ、肉食性の大型鳥類および哺乳類です。ただし、日本には原産地と異なり天敵の数がとても少ないことから、野生化した個体は生き延びやすいといわれています。
生息地
大きな湖沼や河川の中・下流域に生息し、上流や渓流域には生息しません。
底は砂泥質で、流木や水生植物が多い場所を好みます。湿地や沼などのみでなく、塩分の薄い汽水域にも棲むことができ、餌のみならず生息環境もあまりえり好みしないことも本種の特徴です。
冬眠は水底で行い、低温にもよく耐えることができます。
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飼育について
カミツキガメは1960年代からペット用として幼個体が輸入されました。
しかし、育つにつれ気性が荒くなるため、もてあました飼い主が野外に放流し野生化する事例が相次いでいます。
がっちりとした首や腕から想像されるように、水中から出すと前へ飛びかかるように攻撃してくるさまから、「危険動物」として扱われています。
首を伸ばすことができるので、間合いをきちんと取りかねるとうっかり噛みつかれてしまう可能性があります。
陸上では攻撃的なカミツキガメですが、水中では踏みつけるなどの刺激を与えない限り向こうから攻撃してくることはないと言われています。
カミツキガメは日本の侵略的外来生物ワースト100にも数えられており、2000年に動物愛護法が改正された影響を受け流通量は激減し、2005年には特定外来種に指定されたため飼育はもちろん販売・譲渡・移動・輸入・放逐などが許可された場合を除いて禁止されました。
では、なぜこれほど厳重に管理されているにもかかわらず今なお違法放流が後を絶たないのでしょうか。
実は、動物愛護法の改正前は無許可で簡単に飼育できたのです。
改正後は届出により許可を受ければ飼育を続けられます。しかし、行政はそもそも改正前に誰が何個体飼育していたのかを正確に把握できていません。
そのため、飼いきれないといった無責任な理由で違法放流する飼い主が逃がした個体が全国のあちらこちらで野生化しているのです。
捕獲
カミツキガメは、印旛沼水系では釣りをしていると仕掛けにかかることもあります。
この時気を付けるのは、気がたっているカミツキガメに近寄らず、刺激しないことです。
連れた場合は、地域の保健所や警察署に連絡しましょう。
ちなみに、中には釣ったカミツキガメを食べてやろうという猛者もいるようです。その人によれば、肉は赤身で臭みもなく美味しいのだとか。
なお、釣り上げた直後は臭いそうです。興味のある人は、フックなどを準備して万全を期した上で食べてみてはいかがでしょう。
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