天敵も嫌がる臭い、カメムシの生態と対策。簡単予防&駆除
2016/10/19
カメムシとはカメムシ目・カメムシ科の昆虫の総称です。(写真:アオクサカメムシ)
日本には約3000種以上がおり、数が多いのもカメムシならではです。
また悪臭を放つので不快害虫として知られており、屁こき虫・へっぴり虫という不名誉な名前も付いてしまいました。
カメムシの生態と特徴
生息地
※クヌギカメムシ↑
カメムシの生息地、見られる時期は次の様になっています。
- 地域:北海道、本州、四国、九州、南西諸島
- 場所:野原、畑、雑木林
- 時期:5月~10月
カメムシは北は北海道、南は南西諸島まで全国的に生息しています。
特に見られる時期は5月~10月となっており、初夏から秋にかけて見る事が出来ます。
5月~7月は活動が顕著で、外干しした洗濯物に付着している事も珍しくありません。
8月~10月となると次第に活動が落ち着きます。しかし活動は顕著ではないものの、この時期は越冬地探しの真っ最中です。
なのであなたのお宅や軒先の隙間にカメムシがビッシリ集まっているかもしれません。
特徴
※ナガメ↑
- 体長は20mm程度(成虫)
- 体色は種類によって様々(成虫)
- 刺激を受けると悪臭を発散する
- 口器が針のようになっている
- 自由に口器を動かせる
- 体型は楯型か丸型
- 背中に硬い小楯板を持つ
- 気温が下がると活動が鈍くなる
- 不完全変態をする
なぜ臭い
まずカメムシが何らかの刺激を受けると、足の付け根の臭腺から"トランス-2-ヘキセナール"が含まれた独特な臭い液体を分泌します。
トランス-2-ヘキセナールは青臭く、成分は人間の加齢臭にも含まれています。
この液体を発散する事で自身を"防御"する働きがあるのです。
特徴的な口器(こうき)
また口器が針状になっており、指で触ってみると自由に位置を動かせます。
同じカメムシ目の仲間であるセミにも針状の口器がありますが、柔軟に動かせないので対照的です。
硬い体
※クサギカメムシ↑
そして勇者の楯のような体型をしています。
背中には硬く頑丈な小楯板もあり、範囲は背中全体・一部と種類によって違います。
硬いので窓ガラスにぶつかるとコン!と良い音が鳴るんですね。
最後に気温の変化にも敏感で、少し肌寒くなると動きが鈍くなって活動しなくなります。
食性および餌
カメムシは主に果物・茎・葉の水分をエサにしています。
特に好物なのはセリ科・イネ科の植物です。
気に入ったエサを見付けたら針状の口器を突き刺して水分を吸います。
突き刺した口器によって植物の組織が破壊され、そこから傷みや腐敗が進行するのです。
このように農作物や木々に甚大な被害を及ぼすので、害虫として嫌われています。
またカメムシには肉食系である種類もおり、チョウやガの幼虫の体液を吸っています。
つまりカメムシの草食系は害虫、肉食系は益虫となります。
天敵
カメムシの天敵は昆虫類、鳥類になります。
特にカマキリやクモは大の天敵で、この他には寄生バチにも狙われています。
カメムシの幼虫はクモに覆い被られても逃げられるよう、背中側から悪臭を発散できます。
カメムシの増加にお悩みであれば、クモやカマキリを離して捕食してもらいましょう。
SPONSORED LINK
カメムシを飼育したい!物好きなあなたへ
※アカスジカメムシ↑
カメムシの飼育は簡単です。次の方法で飼育してみましょう。
飼い方
用意するもの
- 昆虫ケース、プラスチックケース、空き瓶
- 葉っぱ、植物の茎、果物、幼虫、生ピーナッツ
ポイント
カメムシの飼育は難しくなく、昆虫ケースにエサとなる葉っぱを入れるだけです。
ただし種類よって好むエサが異なります。
ですから飼育するカメムシの種を特定し、何を食べるのか調べてみましょう。
良く分からない場合は生ピーナッツを入れてあげてください。
カメムシは生ピーナッツを好んで食べます。
そしてカメムシは気温の低下に弱いので、暖かい場所に昆虫ケースを置きましょう。
注意!カメムシの悪臭でカメムシが死ぬ?
カメムシにとっても、トランス-2-ヘキセナールは悪臭です。
某テレビ番組内の実験では密閉環境にカメムシを閉じ込めたところ、悪臭でカメムシが死んでしまいました。
軽い症状でも気絶ですから、カメムシの悪臭とは恐ろしいものです。
捕獲方法
カメムシを次の捕獲方法で捕まえてみましょう。
使用する道具
- 網
- ゴム手袋、軍手
- 長袖、帽子
ポイント
臭い液体を分泌しますので、ゴム手袋をはめて直接触れずに捕まえましょう。
またカメムシには翅がありますから、ふとした拍子に飛ぶかもしれません。
髪の毛や上半身を帽子や長袖でガードしてください。
簡単捕獲方法
ペットボトルのみを使う方法です。
手に臭いがつかず安全に行えます。
捕獲の際に知っておきたいこと
カメムシには毒がある?噛む?
カメムシには毒はありません。
またカメムシは噛むのではなく、口器で"刺す"です。
刺されると痛いのはサシガメ
カメムシ探しで気を付けなければならないのは、サシガメによるケガです。
サシガメはカメムシ目の昆虫で、刺されると強烈な痛みを伴います。
カメムシとサシガメの違い
・体型が縦長→サシガメ
(カメムシは楯型・丸型)
・首が細い→サシガメ
(カメムシは首がない)
・体色がくすんだ褐色系→サシガメ
(カメムシは色が明るい)
ちょっと怪しいと感じたら触れないように。
知っておきたいカメムシ対策
様々なトラブルを引き起こすカメムシの対処法についてまとめました。
ペットボトル捕獲器を作ろう
- ペットボトル(500ml)
- 殺虫剤、水
- ビニール袋
ペットボトルの飲み口側とボトル側を3:1の割合で半分にカット。
次に飲み口を漏斗状にひっくり返して、ボトル側にはめたら完成です。
ペットボトルを被せてからフチで触れると、漏斗状の飲み口から底へ落ちていきます。
あらかじめボトル底に殺虫剤入りの水を入れておくと、落ちてきたカメムシをスムーズに駆除できます。
そしてカメムシが溜まったら漏斗側のペットボトルを外し、袋を被せて逆さにします。
後は袋を縛ってゴミに捨てるだけ。
手も汚れず、臭いも気になりません。
カメムシを予防・駆除する方法
- 窓、網戸、エアコン口の隙間をなくす
- ハッカ油やミントオイルを水で薄めたものを霧吹きで散布
- 草を刈る
カメムシは網戸などの隙間から室内に侵入します。
特に要注意なのがサッシです。
サッシが劣化すると歪みが生じ、角にカメムシが通れる穴が出来やすいです。
そして網戸にカメムシが嫌うハッカ油やミントオイルを塗ります。
水で希釈したハッカ油類を散布すると簡単ですね。
草刈りでカメムシのエサを絶つのも大切です。
カメムシの卵を駆除しよう
網戸、葉っぱの裏、外壁などに産み付けられます。
数は20個程度で色は白です。
約1週間程度で孵化しますので、孵化前に以下の道具で駆除しましょう。
- ガムテープ
- 制汗剤
- 線香
ガムテープは貼り付けると剥がすを繰り返して、完全に駆除しましょう。
制汗剤も卵を冷却するので駆除が簡単になります。
線香で焼き殺すのも確実です、ただし火災には気を付けてください。
カメムシの臭いをとるには
悪臭の主成分であるトランス-2-ヘキセナールは親油性です。
つまり油に溶けやすく、オリーブオイルやクレンジングオイルで擦ると緩和されます。
その後も臭いが気になるのであれば、ハンドクリームで消臭とスキンケアを兼ねてくださいね。
SPONSORED LINK
合わせて読みたい記事