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バッタ

不快害虫、カマドウマの生態と駆除対策について。飼育もできる

kamadouma

カマドウマとはバッタ目・カマドウマ科の昆虫です。
別名便所コオロギと呼ばれていますが、トイレが好きという訳ではありません。

不気味な容姿をしているため、不快害虫に分類されています。
しかしただ気味が悪いだけで、カマドウマには毒はありません。

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カマドウマの生態と特徴

生息地

  • 地域:北海道、本州、四国、九州、沖縄
  • 場所:森の洞穴、台所、小屋
  • 時期:6月~9月

カマドウマは北は北海道、南は沖縄まで全国各地に生息しています。

特に見られる時期は6月~9月となっており、初夏から秋にかけて見る事が出来ます。

直射日光が当たらず涼しくて湿気のある場所を好むので、森の洞穴や民家の小屋周辺に潜んでいます。

特徴

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  • 体色は黄褐色(成虫)
  • 体長は30mm程度(成虫)
  • 非常に長い触角を持つ
  • 後足が大きく発達している
  • 手足には鋭いトゲが生えている
  • 翅を持たない
  • 鳴き声はない
  • 夜行性で冷暗所を好む
  • 脱皮を数回行う
  • 寿命は約2年

まずカマドウマは長い触角と大きな後足を持っています。
ここまで長く大きく発達するのはカマドウマのみでしょう。

そしてカマドウマには翅がありません。
ですからジャンプは出来ても、翅で飛んでいく事は不可能です。
翅がないので鳴き声をあげる事も出来ないでしょう。

また暑く明るい場所を苦手とするため、家屋の隅や軒下でじっとしています。
約2年と昆虫にしてはやや長めの寿命で、生涯の内に6~7回程度脱皮を繰り返して成長します。

食性および餌

カマドウマは雑食性です。

落ち葉や草花・小昆虫類の生き餌から死骸まで多岐に渡って餌にしています。

餌に出来る対象が幅広いため、環境さえ良ければ各所で生きていけるでしょう。

天敵

カマドウマの天敵は昆虫類、鳥類、爬虫類、両生類、哺乳類になります。

驚異的な跳躍力を持っていてもクモハチに捕まりますし、トカゲカエルからは丸のみです。

カラスやタヌキからは絶対に逃げられないでしょう。

この他には共食いをする事から同種のカマドウマも天敵になります。

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カマドウマの飼育について

カマドウマの飼育は難しくはありません。次の方法で飼育してみましょう。

飼い方

用意するもの

  • 昆虫ケース(大きい)
  • 野菜くず
  • 朽ち木
  • 霧吹き

ポイント

カマドウマを飼育するには大きい昆虫ケースを用意しましょう。
小さい昆虫ケースですと、ジャンプする度にゴンゴンとプラスチックの壁に衝突してしまいます。
普通のバッタならともかく強靭な脚力を持つカマドウマなので、衝突を繰り返すと死んでしまいます。

さて昆虫ケースの中には産卵のための朽ち木・野菜くずを入れてください。
野菜くず以外にも草や昆虫の死骸も食べますので、色々食べさせてみてはいかがでしょうか?
しかし高温や乾燥に弱いので、たまに加湿して昆虫ケースを冷暗所に置きましょう。

捕獲方法

カマドウマを次の捕獲方法で捕まえてみましょう。

まず大きめの網を用意します。

カマドウマを探すには河原付近の草むらなどへ足を運びましょう。
ぴょんぴょん飛び跳ねるので跳ねた瞬間を狙い、大きめの網で掬うようにすると捕まえやすいです。
居場所が分からない時は草を足でかき分けてください。
するとカマドウマが飛び出してくるので、すかさず捕まえましょう。

注意点

毒はあるか?

カマドウマ自体には毒はありません。
しかし体内にハリガネムシという寄生虫(線形虫)がいる場合があります。

カマドウマの天敵ハリガネムシとは…

ハリガネムシとは線形虫綱・ハリガネムシ目の生き物です。

体長は個体差がありますが、直径は約2mm前後です。

ヒモのような姿をしており、ハラビロカマキリやカマドウマなどの昆虫類に寄生します。

人間への寄生例も過去にあったようですが、数は多くないので稀と考えて良いでしょう。

ハリガネムシが昆虫類に寄生する流れ

ハリガネムシは寄生虫として知られていますが、実は水棲生物でもあります。

ハリガネムシがどのように成長して、昆虫類に寄生するか流れをまとめました。

  1. ハリガネムシ幼虫が水辺で誕生
  2. 水棲昆虫類がハリガネムシを捕食
  3. ハリガネムシを捕食した水棲昆虫類に寄生
  4. 寄生済み水棲昆虫類をカマドウマが捕食
  5. カマドウマに寄生し体内で成長
  6. ハリガネムシがカマドウマを操作
  7. 水辺でカマドウマの体内からハリガネムシが脱出
  8. カマドウマは死亡

カマドウマに寄生したハリガネムシですが、水辺に戻った後には魚類に食べられてしまいます。

食物連鎖の一環ですが、このような仕組みで繁栄するハリガネムシはとても怖いですね。

誰でも出来るカマドウマの対策

駆除の仕方について

特に害はありませんが、気味が悪いので駆除したいと思う方が多いカマドウマ。
本来は駆除はオススメしませんが、どうしても・・・という方に誰でもカンタンに出来る駆除方法をご紹介しましょう。

  • お湯をかける
  • 掃除機で吸う
  • 殺虫剤を噴射する

まずお湯をかけるとすぐに死んでしまいます。
一部では手足がバラバラになるとの話が囁かれています。
お湯をかけて駆除した後はガムテープを上から乗せると、カマドウマに触れず処分出来ます。

カマドウマに近付きたくないという人にお薦めなのが掃除機による吸引です。
やり方は掃除機でカマドウマを吸うだけ。
掃除機本体の吸引口にカマドウマが引っ掛からないように、チリなどを吸って奥に押し込みましょう。
その後、掃除機のパックを捨てれば駆除完了です。

殺虫剤を噴射する駆除方法もありますが、死ぬまで時間がかかります。
また噴射の刺激でカマドウマが飛び跳ねるので、駆除者がパニックに陥りやすいのが難点です。

なにより殺虫剤は人にも環境にも有害なのでオススメはできません。

害はないのですからやはりそっとしておくのが一番です。

ここまで書いておいてこんなこと言うと身も蓋もありませんが…

どうしてもイヤな方は予防しましょう

  • 草や障害物を排除する
  • 湿度を下げる
  • 掃除を怠らない

隠れ家となる草や障害物は片付けてください。
排除する事で空気の流れが良くなり、乾燥を嫌うカマドウマにとって居心地が悪い場所となります。
そして小まめに掃除をして、カマドウマの餌となる草や昆虫の死骸を取り除きましょう。

カマドウマに関する豆知識

緑色のカマドウマがいる?

緑色のカマドウマの目撃情報がネットに寄せられる事があります。
ですが緑色のカマドウマはいません。
似たような昆虫として挙げられるのは、ウマオイやヤブキリです。
どちらも触角と発達した後足がカマドウマにソックリですから間違えたのでしょう。

巨大カマドウマ、その名はウェタ

ニュージーランドの森林には、巨大なカマドウマが生息しています。
そのカマドウマとは『ジャイアント・ウェタ』という珍しい種類です。

  • 体色:暗褐色(成虫)
  • 体長:100mm程度(成虫)
  • ニュージーランドで発見された個体は約70g程度
  • 性格はおとなしい

ウェタは世界一巨大な昆虫として知られています。
しかし数が非常に少ないので滅多に見付かりません。
またおとなしい性格と愛嬌のある顔付きで可愛いと話題になった昆虫です。

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