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野鳥

カイツブリの生態と特徴

2017/06/14

波が少ない池などで、黒い小さなカモのような鳥が浮かんでいることがあります。
いきなり消えたかと思うと、少し離れた場所に再び現れる水鳥はカイツブリです。
カモのように見えますが、カモとは全く異なる鳥です。

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カイツブリの生態と特徴

生息地

日本各地に生息しますが、北海道から本州中部より北では夏鳥です。
流れが穏やかな水を好み、湖や池、沼、湿原、流れがゆるやかな川などに生息します。
基本的に淡水を好みますが、渡りの途中では海上にいることもあります。

世界的な分布は広く、アフリカ大陸の中部以南、ユーラシア大陸の中部以南、イギリス、ヨーロッパ諸国、フィリピン、インドネシア、ソロモン諸島、パプアニューギニアなど、様々な地域に適応しています。
基本的に留鳥ですが、ヨーロッパなど寒い地域のカイツブリは冬になると南に渡ります。

特徴

 

カイツブリ目カイツブリ科カイツブリ属の鳥です。日本のカイツブリ科の鳥ではもっとも小型です。
別名(古語)は「にお(にほ)」。漢字では鳰と書きますが、これは和製漢字で、その名のとおり「水に入る(潜る)鳥」という意味です。

 

ため池や堀など、水が緩やかな環境を好みます。地域によっては絶滅危惧種ですが生息地は予想しやすいので、比較的見つけやすい野鳥です。
琵琶湖のカイツブリは特に有名で、滋賀県の県鳥に指定されています。

 

くちばしの先からしっぽの先まで25~29cm、翼を広げると40~45cmという小さな水鳥です。ドバトくらいの大きさなので、大きな湖などで観察するときは見失わないように気をつけましょう。
一見するとカモのような外見ですが、よく観察するとカモとは全く異なる特徴をいくつも持っています。

くちばしは細くて長く、くちばしの付け根と先の白が目立ちます。目は猛禽のように黄色く、瞳は黒いのが特徴です。
夏羽は全身が黒く、目の周りから首にかけて赤茶色です。冬毛は顔の赤みが灰色になり、とても地味な姿になります。
お尻のあたりは産毛のようにフワフワした質感で、全身を脂で覆われたカモとは異なります。
お尻を天に突き出すような姿勢で泳いでいますが、これはカイツブリの足がお尻の付近に付いているためです。カイツブリの足は水に泳ぐためだけに進化し、船のスクリューのように銅の下側に付いています。
そのため、ほとんど歩くことはできません。まれに池から池に移動するときに歩くこともありますが、不安定な姿勢でふらつきながら移動すると言われています。
同じような体型の鳥に、海上で暮らすアビなどがいます。

カイツブリの足は弁足という独特の水掻きがついています。
一本一本の指から木の葉のように水掻きが付いていて、カモのように指の間に水掻きが付いている構造とは全く異なります。弁足はカイツブリ以外には水面の水草の上を歩くバンなどが持っています。
鳴き声は「キリッキリッ」と鋭く高い声を上げます。あまり鳴きませんが、繁殖期には雌雄が鳴き交わします。

繁殖について

日本では4~7月ごろが繁殖期です。繁殖期に入るとなわばりを作り、水に浮かぶ巣を作ります。水草や杭などに水草を巻き付け、円錐系の巣を汲み上げます。
1回で4~6個の卵を産み、雌雄で卵を暖めます。20~25日ほどで孵化し、ヒナは1週間ほどで泳げるようになります。
ヒナの顔や首は白黒のまだら模様で、水草が生い茂る環境により同化しやすい作りになっています。
ヒナは泳げるようになっても保温は不十分なので、親が背中に乗せて移動します。子育てシーズンに観察すると、親の背中にかわいいヒナが乗っている姿を見ることができます。
ヒナは比較的長い間親とともに暮らし、エサの取り方を教わります。60~70日ほどで幼鳥に成長すると、親から追い出されて巣立ちを迎えます。
幼鳥は、生後1年で大人になり、カップルを形成します。

カイツブリは独立心が強く基本的に1羽で暮らしますが、冬は数十羽ほどが集まって群を作ることもあります。

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種類

カイツブリの仲間は他にも日本では最大種のカンムリカイツブリ、ミミカイツブリ、ハジロカイツブリなどがいます。すべて冬鳥でカイツブリ以上に数が少ないため、ある程度情報をリサーチしてから探すと良いでしょう。
アカエリカイツブリは北海道の一部で繁殖しています。

エサ

カイツブリは水に潜り、小さな貝や魚介類、水中の昆虫などを捕食します。
水に潜ることは得意で、雌は小さなヒナを背中に乗せたまま潜水することもあります。ヒナは小さなころから潜水の方法を学びます。
あまり深くには潜らず、水中2メートルあたりの浅い水底でエサを探します。

天敵

ヒナはブラックバスの餌食になることがあります。
ブラックバスは非常の貪欲な魚で有名ですが、カイツブリのヒナまで食べてしまいます。
カイツブリ保護のためには、ブラックバス駆除が欠かせません。ブラックバスを駆除した池では、カイツブリが繁殖を再開したケースが報告されています。
カラスやイタチに襲われることも珍しくありません。

親は猛禽類などが主な天敵です。滅多に地上に降りず、空を飛ぶことも苦手なので天敵は多くありませんが、空から襲ってくる猛禽類は驚異です。

エピソード

可愛い外見と潜水する姿は、古代から日本人の関心を寄せていました。
「かいつぶり」の名は室町時代に定着し、奈良時代には「におどり」(にほどり)と呼ばれていました。

琵琶湖はカイツブリ科の鳥が多く、かつては「にほのうみ」(鳰海)と呼ばれていました。
現在でも琵琶湖ではカイツブリの保護が盛んです。ボート競技会「びわ湖かいつぶりレガッタ」など、カイツブリの名を冠したイベントもあります。
カイツブリの着ぐるみ(カモのような造形ですが)を着た「野洲のおっさん」が、定期的に琵琶湖一周の様子を放送しています。「知ったかぶりカイツブリ」シリーズはCDやDVDにもなっています。
びわ湖放送やyoutubeなどで放送されているので、滋賀県では有名人(鳥?)です。

村上春樹の短編小説「かいつぶり」では、人間のように振る舞うカイツブリらしき鳥が登場します。

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