ジョウビタキの生態★鳴き声や習性、餌♪オス・メス見分け方
2016/09/30
バードウォッチ愛好家の間では人気の高いジョウビタキは、冬に日本にやって来る冬鳥です。
お腹のオレンジが冬の無機質な森によく栄え、大変愛らしい鳥です。
人間への警戒心も比較的低く、数メートル先でこちらを伺っていることも。
冬は町中にも現れ、庭木の実などを食べることもあります。
生態
生息地
チベット~中国東北部やバイカル湖周辺で繁殖し、冬になると中国南部や日本、インドシナ半島に南下します。
日本では冬鳥で、里山や町中でも見る機会が多い鳥です。
日本でもわずかに繁殖例が確認され、北海道大雪山麓や上川町、長野県岡谷市などで発見されています。
基本的に飼育下での繁殖は難しい鳥ですが、豊橋総合動物公園では2002年にジョウビタキの繁殖に成功しました。
ジョウビタキの生態がさらに詳しく知る機会になるでしょう。
特徴
ツグミ科(またはヒタキ科)ジョウビタキ属の鳥です。
近縁種にクロジョウビタキ、シロビタイジョウビタキがいますが、日本にはごくまれに迷って飛来するだけです。
大きさ
スズメより少し小さなサイズで、くちばしの先からしっぽの先まで13.5~15.5cm、体重は13~20gと小柄な姿です。
オス・メスの見分け方
雌雄で羽の色が全く異なり、雄は頭が銀髪のように白っぽい灰色で、目の周辺は真っ黒です。雌は頭が淡褐色で、白いアイリングがあります。
雄は豪華で美しい姿をしていますが、雌も小鳥らしい素朴な愛らしさがあり、それぞれ魅力があります。
雌雄とも胸やお腹、尻尾はオレンジ色で、大変よく映えます。
翼の一部が白く、翼を閉じると肩口のあたりに白い斑点が目立ちます。
性格・習性
愛らしい外見ですが気が強く、縄張り意識がとても強い鳥です。
繁殖期でない時期は単独行動を取り、一羽づつ厳重に縄張りを仕切る習性があります。
縄張り内に同族がいたら、オスメス関係なく突っかかっていきます。
ときどき、車のサイドミラーに写る自分自身の姿を敵と勘違いして、えんえんと攻撃していることも。
滑稽に見えるかもしれませんが、鏡に映る姿が自分だと認識するのは大変難しく、類人猿と人類しか認知できないと言われています。
もし鏡に喧嘩を売ってる姿を見かけたら、声を出すなり追い立てるなりして追い払いましょう。
鳴き声
平地、里山、市街地の公園や庭、低い山の森林などに生息します。
鳴き声は鋭く、「ピッ!」「キッ!」など。遠くまで響く声なので、声だけ聞いたことがある方は少なくないと思います。
早朝には「キッ、キッ、」「カッ、カッ」と鳴くこともあります。
この声が火打ち石を打つ音に似ているため、「火炊き=ヒタキ」の名の語源になったと言われています。
繁殖期には日本にいないため、基本的にさえずりは聞くことはできません。
ちなみに、ジョウビタキのジョウ(尉)は銀髪の古語です。雄の頭が銀髪のような灰色なのが語源です。
SPONSORED LINK
餌
昆虫、クモなどが好物ですが、冬は昆虫類が少ないため、庭の実なども好んで食べます。
ピラサンカやヒサカキの実が好物で、よく食べに来ます。自宅に野鳥を招きたいなら、これらの庭木を育てると良いでしょう。
地上に降りて、落ち葉をかき分けて餌を探すことも珍しくありません。
注意点(保護した時は)
冬は庭などに遊びに来ることが多いため、窓ガラスに突撃して気絶することがあります。
大きな音がしたらすぐにベランダや庭を確認して、落ちている鳥がいないか確認しましょう。
脳しんとうを起こしているだけなら、小さな段ボール箱に入れてしばらく放置します。
目覚めたらガサガサ音を立てるので、元気そうならそのまま離しましょう。
もし怪我をしている場合は布で包んで、ただちに動物病院に連絡します。
鳥インフルを恐れて野鳥を診ない病院も増えているため、必ず事前に確認しましょう。
何度も窓ガラスに鳥がぶつかる場合は、鳥が窓ガラスを認識していない可能性があります。
普段からカーテンを引いておくと、ある程度は防げるようです。
エピソード
翼の白い斑点が紋付きの着物に見えることから、「紋付き鳥」と呼ばれることもあります。おじぎをするような仕草でしっぽを上下に震わせる習性があり、なにかに謝っているようにも見えます。
西瀬戸内地方には、スズメと紋付き鳥の昔話が残っています。
スズメと紋付き鳥は姉妹ですが、母が重病を煩ってしまいます。
知らせを聞いたとき、スズメはくちばしにお歯黒を塗っている最中でしたが、すぐに止めて駆けつけたので、看取ることができました。(スズメの嘴が一部だけ黒いのは、塗りかけたお歯黒ということです)
それと比べて紋付き鳥は、化粧をしたり紋付きを着たりと身支度に時間をかけすぎたせいで、親の死に目に間に合いませんでした。
怒った父が紋付き鳥に勘当を言い渡します。それで今でも紋付き鳥は父に頭を下げて謝り続けているのでした。
スズメと別の鳥が兄弟姉妹で、親の死に目に遭う話は他にもあります。
スズメとツバメ(とコウモリ)の姉妹の話は特に有名で、千葉県房総半島や沖縄県で似たような話が残っています。
こちらの話もスズメは孝行者で、別の鳥は親不孝者という設定なので、紋付き鳥の話の元ネタなのかもしれません。
SPONSORED LINK
合わせて読みたい記事