イタチの種類と生態。鳴き声、ふん、臭いなど特徴について
イタチとはネコ目・イタチ科の動物です。
日本にはニホンイタチとチョウセンイタチが生息しています。
どちらも類似しているため在来種だと思われていますが、ニホンイタチが在来種です。
イタチの生態と特徴
ニホンイタチとチョウセンイタチ
チョウセンイタチは元々は対馬にしか生息していませんでした。
しかし1930年頃から毛皮養殖のために持ち込まれた個体が徐々に数を増やして現在に至ります。
全国的に生息していたニホンイタチは住処を追われ、西日本ではほぼチョウセンイタチしか見られなくなったとの声もあります。
勢力の拡大、及び生態系への影響から日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。
実際に西日本におけるイタチ駆除ではチョウセンイタチの捕獲が多いとの事です。
その反面で在来種のニホンイタチは減少の一途を辿っており、レッドリストによると佐賀県では絶滅危惧II類(VU)に指定されています。
レッドリストの傾向では西日本を中心とする都道府県で絶滅危惧II類(VU)・準絶滅危惧(NT)と指定されており、将来的に見て絶滅危惧指定の動きが東日本へ拡大するのは間違いないでしょう。
生息地
イタチの生息地、見られる時期は次の様になっています。
- 地域:北海道、本州、四国、九州
- 場所:平地、雑木林、民家
- 時期:3月~10月
イタチは北から南へとほぼ全国的に生息しています。
特に見られる時期は3月~10月となっており、初春から晩秋にかけて見る事が出来ます。
冬眠はしませんので基本的には一年中活動しています。
かつて森に住んでいたイタチでしたが、最近は人間が住む民家に忍び込んで暮らしている個体も増加中です。
夜になるとガタガタ・バタバタという謎の音がして調べてみたらイタチだったというご家庭もあります。
特徴
イタチには次の特徴があります。
- 体長は50cm程度(成獣)
- 体色は、山吹色や明褐色、鼻の回りはやや白色、目と鼻の頭の回りが黒色や濃茶色(成獣)
- 性格は獰猛で攻撃的
- 耳は丸く、手足が短い
- 足の裏は毛で覆われており、丸い肉球が点在している
- 指の数は5本、先端には長く伸びた爪が生えている
- 肛門周辺には一対の臭腺を持ち、危険を察知すると液を発射する
- 出産は1年に1回、平均5匹ほど産む
- オスはメスの2倍ほど大きい
- 昼夜活動するが夜行性
性格と鳴き声
かわいい顔をしていますが、性格は獰猛で攻撃的です。
迂闊に接近しますと、噛み付く、引っ掻くなどの攻撃を仕掛けてくるので注意。
この時「キッ、キッ、キッーッ」と小刻みに甲高い鳴き声を発して威嚇します。
臭腺から悪臭を放つ
それから犬や猫のように肛門周辺に一対の臭腺を持ちます。
臭腺はマーキングの用途以外には外敵に襲われた際に使います。
イタチは外敵と遭遇すると臭腺から強烈な悪臭を放り、相手が怯んだ間に逃げ出します。
その悪臭は取れるまで時間がかかり、嗅覚が優れる動物には地獄のような苦しみでしょう。
これが俗に言う「イタチの最後っ屁」というものです。
高い繁殖力
そしてイタチは約5週間程度の妊娠期間を経て、一回の出産で5匹ほど子供を産みます。
一年に2度出産をしたとの報告もあり、繁殖力の高さが窺えます。
赤ちゃんの鳴き声は「ピキュ、ピキュ」と甲高く、人間には少し耳障りです。
成獣になると威嚇時くらいと鳴き声を発する機会は減少します。
活動タイプ
夜行性と言われていますが、実際には昼間も活動しています。
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食性およびエサ
イタチは雑食性で何でも食べます。
ミミズ、カマキリ、カエル、トカゲなど昆虫・両生類・爬虫類から、鳥のヒナ、ネズミ、といった鳥類・哺乳類も捕食します。
イタチの体長はおおよそ30~60センチですが、自身よりも大きいニワトリなどにも怯むことなくしぶとく襲いかかります。
また最近は野菜や果物など農作物を荒らす食害も増加しており、農家の方々は頭を悩ませています。
イタチのふんの特徴
このように肉食系に傾いた雑食性ですから、ふんは鼻が曲がるほどの悪臭です。
ふんの形状ですが水分がしっかり含まれており、途切れることがなく細長いです。
天敵
イタチの天敵は鳥類(猛禽類)、哺乳類になります。
イタチは食物連鎖のやや上位に位置していますが、それでもタカなどの猛禽類やキツネなどから捕食されます。
猛禽類は上空から音もなく滑空し、大きく鋭利な鍵ツメで捕んで連れ去ります。
イタチは成獣で重くて約500グラム、赤ちゃんではさらに軽くなるため猛禽類が鍵ツメで運ぶことは容易でしょう。
なので親イタチは子供が猛禽類や哺乳類から狙われないよう警戒しています。
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