犬の関節炎について。原因と予防対策、症状や治療法など
2017/04/05
犬の関節炎とは、人間と同じく犬の関節には軟骨と呼ばれる部位があり、骨と骨の間のクッションとして働くようになっています。
関節炎は軟骨の部分が様々な要因ですり減ることにより、クッション機能が低下し、患部に痛みを感じる、腫れが見られる、動きがぎくしゃくしている、といった症状がみられるようになります。
具体的には、飼い主とのスキンシップを嫌がるようになる、肢をかばうようにして歩く、散歩に行きたがらずじっとしていることが多い、といった症状が見られます。
関節炎は早期発見・早期治療により改善可能な病気です。日々愛犬の様子をこまめにチェックし、少しでも様子がおかしなそぶりが見られれば獣医師に相談することをおすすめします。
関節炎にならないためには
原因
犬の関節炎の原因は大きく4つあります。
1つ目は栄養過多による肥満。人間と同じく、あまりに体重が重いと関節に負担をかけることになってしまい、結果として炎症などの病気が起こりやすくなります。
2つ目は運動不足で、室内飼育の小型犬によく見られるケースです。運動不足は足腰の筋肉を弱くしてしまうため、前肢や後肢にかかる負担が大きくなります。
3つ目は最近増えている、加齢によるケース。飼育環境や餌の質の改善により、近年では飼い犬は長寿化しています。高齢になるほど軟骨組織の摩耗は進むため、関節炎になるやすくなるのです。
最後は、怪我など外傷がきっかけで関節炎となるケースで、先天的に関節が弱い犬種に多く見られます。
対策
関節炎の対策として日頃から実行できるものは、
- バランスのとれた食事を与え、適正体重にコントロールする
- 適度な運動を習慣にする(過度の運動はNG)
の2つです。特に、適正体重を保つことは肥満、糖尿病といった他の疾患にも関わってきます。
「かわいいから」と甘やかしておやつをたくさん与えるのではなく、節度をもって接することが望まれます。また、運動は足腰の強化にも有効です。適切な運動量が分からない場合は、獣医師やペットショップの店員に相談にのってもらうと良いでしょう。
特に小型犬の場合、フローリングの床が滑るときに踏ん張ることも関節炎になりやすくすると言われています。滑り止めマットレスを敷く、などの対策をとってもよいでしょう。
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関節炎になりやすい犬
関節炎にやりやすい犬は大きく2パターンに分かれます。
ひとつめは、トイプードルやヨークシャーテリア、チワワのような室内飼育の小型犬。これらは運動不足により足腰が弱くなりやすいため、関節炎が良く見られます。
ふたつめは、運動量が多すぎる犬や、大食漢で肥満になりやすい大型犬にもみられます。高齢化と生活習慣がポイントとなる病気なので、愛犬と日々のふれあいを大事にして過ごしましょう。
治療法
犬の関節炎は、一度なるとすぐには完治しません。
治療法は原因療法(週に1回×4週間、軟骨の復元を助ける薬で治療する)、食事療法(関節や体重に適した特別食を与える)、対症療法(鎮痛・消炎薬を施す)、運動療法(適度な運動により関節の可動域を広げ、筋肉を鍛える)の4つから、犬の特徴や症状を加味して複数組み合わせて行います。
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