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クワガタ

寿命長い、ヒラタクワガタの生態。採集から飼育や繁殖方法

2016/10/01

hiratakuwagata

ヒラタクワガタとはコウチュウ目・ヒラタクワガタ科の昆虫です。
名前通り体がペッタリと薄くなっています。
興味深い事にヒラタクワガタの生息数は東日本よりも西日本で多くなっています。

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生態

生息地

ヒラタクワガタの生息地、見られる時期は次の様になっています。

  • 地域:本州、四国、九州、南西諸島
  • 場所:低山、平地、雑木林
  • 時期:6月前半~9月

ヒラタクワガタは北は本州から南は南西諸島へとほぼ全国的に生息しています。※亜種は国内で12種類存在します
特に見られる時期は6月前半~9月となっており、初夏から秋にかけて見る事が出来ます。
冒頭で述べましたが、ヒラタクワガタは西日本での生息数が多いです。
ですから東日本で出現時期通りにヒラタクワガタを探しても発見率は低くなります

特徴

sujibuto_hiratakuwagata

※スジブトヒラタクワガタ↑(奄美諸島や徳之島に生息する亜種。上翅のスジが特徴)

ヒラタクワガタには次の特徴があります。

  • 体色、光沢黒地(成虫)/クリーム色(幼虫)
  • 体長、♂30mm~70mm程度、♀20mm~40mm(成虫)
  • 他のクワガタと比較すると大アゴや体が薄い
  • 大アゴの内側先端が細かくギザギザしている
  • 朽ち木の中で越冬する
  • 夜行性
  • 寿命は2年~3年
  • 非常に気性が荒く、メスも殺してしまう

越冬するので寿命が長く、上手に飼育すると2年~3年生きます。
大アゴ内側のギザギザが複数あり、しっかり挟み込む事で敵の昆虫を逃がしません
非常に気性が荒いクワガタムシとして有名で、時には繁殖相手となるメスも殺してしまいます。

ヒラタクワガタは主にコナラやクヌギ等の広葉樹の樹液をエサにしています。
最近は森林伐採による環境破壊が顕著です。
そのため一本の木にギュウギュウと昆虫類がひしめき合う事も珍しくありません。
しかし気性が荒いヒラタクワガタは物ともせず、自慢の大アゴでどんどん戦いを挑んでいきます

天敵

ヒラタクワガタの天敵は昆虫類、鳥類になります。
やはり樹液が出るコナラやクヌギの木で他の天敵と鉢合わせする事が多いです。
木にも堅い場所や柔らかい場所があるように、樹液が出にくい場所や出やすい場所があります。
樹液が出やすい良質なエサ場では戦いが度々勃発していたりと生存競争が厳しいです。

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飼育方法

ヒラタクワガタの飼育は比較的容易ですので次の飼育方法で飼育してみましょう。

飼育に必要な道具

  • 昆虫ケース
  • 昆虫マット
  • 水に半日浸けた柔らかいコナラやクヌギ
  • 昆虫ゼリー
  • 霧吹き

飼育に適した場所と気温

  • 直射日光の当たらない日陰
  • 気温は20度~25度の間
  • やや湿度は高め

手順

  1. まず昆虫ケースに汚れがないか確認します。※汚れがあるとカビや病気が繁殖する可能性があります。
  2. 確認後、昆虫ケースに昆虫マットを10センチ程度固く敷き詰めましょう。
  3. それからコナラやクヌギ等の木を設置します。
  4. 水に浸けるのは柔らかくして産卵をしやすくするためです。
  5. ちなみにどこかの林から持って来ず、昆虫専門店から入手した方がいいです。※自然の木では他の昆虫がすでに産卵していたり、何らかの病気が繁殖している可能性があります。
  6. 最後に昆虫ゼリーを置いて完成です。

ポイント

  • 大アゴが邪魔で昆虫ゼリーにありつきにくい事もあるため、細切れにしてあげると食べやすくなるでしょう。
  • たまに霧吹きでケース内部に湿気を与えながら乾燥を防ぎましょう。
  • ヒラタクワガタについてはやや湿度の高い環境を好む傾向にあります。

繁殖させる場合

  • 繁殖を希望するならば、オスとメスの相性を適宜確認し見極めます。
  • 相性が良いと繁殖しますが、相性が悪いとオスがメスを容赦なく殺します
  • ですから相性が良くても繁殖が済んだら、オスとメスを分けて一匹ずつ飼育するのが無難です。

採集方法

ヒラタクワガタを次の捕獲方法で捕まえてみましょう。

まずヒラタクワガタを捕獲する前に、コナラやクヌギの木を探します。
さてヒラタクワガタを見付けたら網で捕獲します。
見当たらない場合は木を蹴ってみてもいいかもしれません。
それでもダメであればトラップを仕掛けて夜間に出直しましょう。

トラップに必要な道具

  • 焼酎
  • 砂糖
  • バナナ
  • パイナップル
  • ストッキング
  • ビン
  • ハケ

トラップの作り方と設置

  1. まずビンにカットしたバナナやパイナップルを入れ、焼酎や砂糖と合わせてフタをします。
  2. トラップ液は何度か振ったりして半日から1日程度放置。
  3. 日向に置いて発酵を促しましょう。
  4. その後ストッキングにトラップ液に浸けたバナナやパイナップルを入れ、コナラやクヌギの木に縛り付けます。
  5. ストッキングがない場合は木にハケを使ってトラップ液を塗ってもいいでしょう。

すると発酵臭に引き寄せられたヒラタクワガタが見付かるかもしれません。
ヒラタクワガタは木の割れ目や洞状になった場所を好みます。
湿度が高くジメジメしているからです。
木の表面では他の昆虫が集まりやすいですが、木の割れ目等にトラップ液を塗ってピンポイントにヒラタクワガタを狙うのもいいかもしれません。

このトラップはその他の昆虫も引き寄せるため、昆虫採集の際には便利です。
気性が荒いヒラタクワガタですから、トラップで集まった他の昆虫とケンカをしている姿が見られるかもしれません。
トラップはその後忘れずに回収してください。

注意点

ヒラタクワガタの気性は大変荒く凶暴です。
ちょっと触ろうとしてハサミにグワッと挟まれると出血しやすいです。
皮膚が柔らかいお子さんが挟まれるとキズが深くなる事があるので気を付けてください。
特に毒はありませんが、バイキンがキズから入る可能性も考えられます。
念のため患部を消毒して様子を見ましょう。

うんちく

ヒラタクワガタのちょっとしたうんちくを紹介しましょう。

この幼虫はオスとメスどっち?

昆虫観察や飼育で人間を悩ませるのがオスとメスの判別です。
成虫になればどちらであるのか分かるものの、出来れば早めに知りたいですよね。
クワガタのオスとメスは実は幼虫時のある部分を確認すれば判ります。
幼虫にはフシがいくつも連なっていますが、お尻から3つ目の部分に薄黄色のスジがあればメスです。
この薄黄色は卵巣なので有無で雌雄がハッキリします。
ただし孵化後すぐには卵巣も発達していません。
大体分かるようになるのは2齢くらいに成長した時期です。

ヒラタクワガタとコクワガタの見分け方

クワガタ採集をしていて困るのが見分けです。
特に似ているのがヒラタクワガタとコクワガタ、ややヒラタクワガタの方が大きいですが個体差があります。
いくつか違いもあるので、チェックして判別に役立ててください。

大アゴ内側に複数のギザギザがある
→〇:ヒラタクワガタ
→×:コクワガタ

大アゴの湾曲が大きい
→〇:コクワガタ
→×:ヒラタクワガタ

オスは割と簡単に見分けられますが、しかし問題はメスです。
姿はもちろんの事、大きさも似ているので判別が難しいです。
しかし何点か違いはありますから見分けてみましょう。

sujibuto_hiratakuwagata_mesu

※スジブトヒラタクワガタのメスです↑

光沢があり、背中にスジが見られない
→〇:ヒラタクワガタ
→×:コクワガタ

※写真はスジブトヒラタなのでスジあります(笑)

前脚の腕にある頚節がまっすぐ
→〇:コクワガタ
→×:ヒラタクワガタ

頚節とは関節からすぐの腕部分を指します、
この頚節がまっすぐだとコクワガタ、少し湾曲しているとヒラタクワガタです。
バンザイしているのがコクワガタ、外国映画でよくある手を上げろポーズをしているのがヒラタクワガタと覚えておきましょう。

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