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野鳥

ヒバリ(雲雀)の生態と特徴。生息地や縄張り、鳴き声、食性など

2016/09/26

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春の野原や河原を歩くと、天高く美しい鳴き声が聞こえることがあります。
ヒバリは里山など、人に近い場所に生きる鳥です。姿は見たことがなくても、誰でも一度は声を聞いたことはあるはず。
欧州にも多数生息している鳥で、世界各国で親しまれています。昔から和歌や俳句、クラシック音楽など様々な作品で表現されています。

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生態

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スズメ目ヒバリ科の鳥です。
漢字では「雲雀」と書きます。文字通り、雲のように空中を漂う雀の仲間で、他の鳥類には見られない特徴的な生態をしています。
英語ではSkylark(スカイラーク)。たんにlarkと呼ぶこともあります。直訳すると「空を愉快に飛び回る鳥」という意味です。

体の特徴

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草むらなどの地面で暮らす鳥で、草に紛れるように羽の色は茶色と黒のまだら模様です。
クチバシの先からしっぽの先まで17cm、翼を広げると32cmくらいで、スズメ科の中では比較的大きな鳥です。
スズメに比べて脚が長く、足が大きいのが特徴です。後ろ足の爪はとても長く、草むらを歩くのに都合の良い作りになっています。
頭には冠羽という飾り羽があり、普段は寝かせて目立たないようにしています。主にオスが冠羽を立たせることが多いようです。

縄張り

ヒバリは地上に巣を作り、オスが必死に縄張りを守ります。美しく聞こえるヒバリの鳴き声は、縄張りを主張するためです。
オスは、春になると自分の縄張りを構えて縄張り宣言をします。「ヒバリの高鳴き」という仕草で、空中をホバリングしながら鳴き続けます。
地面から垂直に飛び上がり、ホバリングをし、垂直に飛び降りることができます。飛翔性に優れ、変化自在に飛び回ります。

しかし、ヒバリが人目に付くのは繁殖期の春~夏まで。子育てが終わるとひっそりと草むらの中で暮らし、静かに春を待ち続けます。
非常に臆病な鳥で、子供や縄張りを守る以外は、たいてい逃げてしまいます。
鳴かないヒバリは周囲の環境に溶け込み、大変見つけにくくなります。バードウォッチャーや田畑の持ち主など、身近にいる人でないと見つけることは少ないでしょう。

繁殖について

春から夏にかけて、ヒバリの繁殖期です。
地面に草で椀型の巣を作り、3~5個の卵を産みます。卵はまだら模様で、保護色になっています。
12日ほど卵を暖めるとヒナが生まれ、わずか9~10日で巣立ちます。
巣立つころのヒナはまだ未熟で、あまり空は飛べません。そのため「巣から落ちたヒナ」と勘違いし、人間に保護される被害が後を絶ちません。
巣立った後もしばらくは親元で過ごし、巣立ち後20日ごろになると若鳥に成長します。
繁殖期が終わると番いは解消し、小さな群れを作って過ごします。

鳴き声

春から夏にかけては、早朝から夕方まで延々とさえずり続けます。
地面でも空中でも、隣のヒバリに負けずに鳴き続けます。
ヒバリのさえずりは特徴的で、地面から空中まで飛び上がる「上がり」、空中でホバリングしながらさえずる「空鳴き(または舞鳴き)」、空中から地面に着地する「降り」の3種類があります。
上がりはピーチュク、ピーチュク、ピーチュクと素早く繰り返し、降りはリュリュリュリュリュなどと鳴きます。(個体差あり)
空鳴きの鳴き声は非常に複雑で、他の鳥の声を取り入れることも。「ピチュピチュピチュ」と聞こえることもあれば、もっと複雑に聞こえることもあります。
ヒバリのさえずりは、一定レベルまでは本能で歌えるようですが、それ以上のレベルを極めるためには学習が必要です。そのため、ウグイスなどと同じように上手いオスの声を聞き、学んでいると考えられます。

かつて日本ではヒバリが飼育されていました。
ウグイスやメジロと同じく、さえずりの上手いオスのもとに若いオスを近づけて、さえずりを学習させていました。
そのため、ヒバリもさえずりの学習をすると考えられています。

ホバリングしながらさえずることもありますが、適度な場所があれば、岩や電線などに止まってさえずることもあります。
秋冬は地鳴きで、「ビュルビュル」と鳴きます。さえずりとは全く異なる声なので、慣れた方でなければヒバリと気づかないでしょう。

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分布

日本、イギリス、ユーラシア大陸、アフリカ北部と、広い地域に生息しています。
どこの地域でも人家に近い場所で暮らし、春先に美しい声でさえずります。

日本には、一年中生息する亜種ヒバリ、冬鳥として本州より南に飛来するオオヒバリ、カラフトチュウヒバリがいます。

生息地

亜種ヒバリは一年中、日本各地に生息しています。留鳥ですが、地域によっては漂鳥です。
麦畑を特に好み、春になると賑やかな声に包まれます。
平地の草原、畑、草の生えた河川敷などが主な住処です。高原にも出没し、高度2000メートルくらいの山地で繁殖することも。
草原のような環境ならどこでも暮らせるようで、中には草が生えるヘリコプター基地に営巣することもあります。

雪が積もる地域や、寒い地域のヒバリは、冬に南下することが知られています。

近年、ヒバリが生息できる環境は減る一方で、世界的に生息数が減少しています。
都市部は田畑が住宅地になり、元からあった畑はどんどん減っています。残った畑も小さく、多くのヒバリが暮らせる環境ではありません。
欧州では大規模栽培が増え、生活する環境の多様性が失われているのも減少の原因と考えられています。
さらに、欧州は麦まきのシーズンが春から秋に変わってしまいました。春まきの麦は適度な高さでヒバリにとって良い環境ですが、秋まきの麦は春には背が高くなってしまい、ヒバリにとっては住みづらい環境です。
そのため、麦畑を放棄して野菜畑に住み着くヒバリも増えています。

東京都の一部では絶滅危惧Ⅱ種、福島県、山口県、東京の西多摩は準絶滅危惧、千葉県では一般保護動物に指定されています。

食性および餌について

雑食性で、地面でクモや昆虫を食べます。
ヒバリのクチバシは適度に長く太く、バランスが良いのが特徴です。長いクチバシは昆虫などをくわえるのに適しています。
特に、ヒナには昆虫をたっぷり与えます。昆虫の豊富な栄養で、ヒナはどんどん成長していきます。

アワやヒエなど、野生に生える小さな穀類も大好きです。
適度な太さのクチバシは、小さな穀類をかみ砕くのに適しています。

保護したときは

ヒバリのヒナが地面を歩いている光景は珍しくありません。しかし、明らかに怪我している時以外は、絶対に保護してはいけません。
ヒバリは地面に巣を作り、育ちます。はじめから地面で暮らす鳥なので、「ヒナが落ちている」のではありません。
特に、事情を知らない子供が拾ってしまうケースがよく見られます。親御さんは巣立ちシーズンの前に事情を説明して、拾わないように指導しましょう。

近所に天敵がいる場合は、安全な場所に移動してあげると安心です。ただし、できるだけ遠くに行かずに、親の目が届く範囲に留めましょう。

天敵

ネコ、、小型の猛禽類などが主な天敵です。
地面で暮らす鳥なので、他の鳥に比べて天敵の驚異に晒されることが多い傾向があります。
蛇はヒナにとって、最大の天敵です。親は蛇が近づくと必死に威嚇し、クチバシでつつき、足で蹴って追い払います。

エピソード

春の季語として知られ、和歌では万葉集などに登場します。
大伴家持の和歌は特に有名で、ヒバリを季語にした多くの和歌を残しています。

ひばり上がる 春へとさやに なりぬれば
都も見えず 霞たなびく
(ヒバリが空に上がり、すっかり春になった。
春霞がたなびき、都が見えないほどだ。)

欧州でもヒバリをもとにした作品は多く、イギリスのレイフ・ヴォーン・ウィリアムズ作曲の「揚げひばり」というヴァイオリン楽曲があります。
レイフは19世紀の音楽家で、イギリス民謡や教会音楽の研究をもとにした作曲が有名です。イギリスでも馴染み深いヒバリをもとにした楽曲があるのも納得です。
「惑星」で有名なホルストの友人でもあり、欧州ではホルスト以上の人気があります。

日本でも有名な、ハイドンの弦楽四重奏曲第67番の第一楽曲はヒバリのさえずりのように聞こえるため、「ひばり」という俗称があります。

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