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時速390km!ハヤブサ(隼)の生態とは

2016/09/27

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切り立った崖やビルなどに居を構え、鳥類最速の速度で獲物に襲いかかるハヤブサは、猛禽類でも非常に特徴的な姿をしています。
ハヤブサの優れた機能は人間にも模倣され、ジェットエンジンなどにも活用されています。

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ハヤブサの生態や特徴

生息地

南極大陸を除いた全世界に分布します。

渡りをする個体がいるため、寒い地域では夏鳥、暖かい地域には冬鳥として飛来します。

分布が広いので、地域ごとに19亜種に分かれています。

日本にはハヤブサとシマハヤブサがいますが、シマハヤブサは絶滅しているという説があるほど数を減らし、現在は絶滅危惧1A類(野生環境下で絶滅寸前)に指定されています。

海岸や湖、河川など、見晴らしが良い場所に暮らしています。環境破壊で生息地は減少の一途を辿り、絶滅危惧種に指定されています。
しかし最近は都会のビルに居を構えることもあり、大量にいるハトなどを食べて暮らしています。ハヤブサにとって摩天楼は断崖絶壁で、暮らしに馴染みやすいと考えられています。

高層マンションなどのベランダで巣を作り、子育てをすることも。時々ニュースで報道されています。

特徴

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ハヤブサ科ハヤブサ属の鳥類です。

鋭いカギ爪と曲がったくちばしは猛禽類らしい勇ましさがありますが、真っ黒な大きな目が目立ち、愛らしい印象もあります。

オスよりメスのほうが大きく、オスはクチバシからしっぽの先まで38~45cm、メスは46~51cmもあります。
翼を広げると84~120cmほど。

足は黄色く、空を飛んでいると黄色い足がよく目立ちます。

お腹には細かい横縞が走り、頭と背中は黒っぽい茶色です。顔にはヒゲのような黒い模様があります。

翼は固く、高速で飛んでも乱れない作りになっています。獲物に襲いかかるときは翼を半分閉じ、くの字に曲げて急降下します。

時速390キロのスピード

急降下するスピードは最高390キロという驚異的な速さを誇ります。日本の留鳥の中では最速で、世界を見回してもグンカンドリに次ぐスピードです。

超高速の中でも、ハヤブサは呼吸することができます。鼻の中に突起があり、この突起が気流を乱して勢いを落とし、呼吸するのを助けます。

これを応用したのがジェットエンジンの吸気口で、吸気口に円錐の突起が付いています。
航空機のエンジンを見ると、エンジンの中心に渦巻き模様の突起があります。この突起がハヤブサを倣って付けられたものです。(うずまき模様は鳥避け効果を狙ったもの)

営巣・産卵・子育て

性成熟すると巣をかけやすそうな断崖絶壁などに居を構え、カップルで暮らします。

ハヤブサはオスとメスの体格差が特に激しいのですが、これは鳥類など素早い獲物を捕らえるためと言われています。

小さなオスは数が多い小さな獲物をたくさん狩り、大きなメスは雛が成長したら大きな獲物を捕らえます。

オスは攻撃性が強く、雛でも攻撃することがあるため、雛を守るメスのほうが大きいほうが繁殖しやすいという利点もあります。

交尾の成功率を上げるため、ハヤブサの卵巣は2つとも機能しています。(多くの鳥類は軽量化のため、卵巣の片方が退化しています)

巣は断崖絶壁の窪み作り、そこへ卵を産み、3~4羽の雛を育てます。メスが卵を温め、雛が小さなうちは巣で子供を守り続けます。

オスはひたすら餌を運び続け、雛とメスに食事を支えます。

1ヶ月強ほどで巣立ち、2年ほどで大人になります。

実はインコの仲間

近年のDNA鑑定で、ハヤブサはインコの仲間であることが判明しました。

オウム・インコ類にもニュージーランドには雑食性のミヤマオウム(ケア)がいるので、肉食化しても不思議ではありません。

猛禽にしては顔が愛らしい理由も、インコの仲間なら納得です。

食性および餌

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鳥類を主に食べ、スズメからハトくらいのサイズの鳥をよく捕らえます。

見晴らしの良い場所で獲物をじっくり見定め、狙いを付けると空高く飛び上がります。そして翼を縮めて急降下し、獲物を足で捕らえます。

水の上で捕らえるときは、蹴飛ばして水面に叩きつけて捕らえることも。

勇壮な狩りは人間を魅了し、鷹狩りの鷹としても広く愛されています。

獲物側もただ黙って狩られているわけではなく、ヒヨドリなどは仲間と固まって水面ギリギリを飛び、必死に身を守ります。ハヤブサは群に突っ込んでかき乱し、群から離れた鳥に襲いかかります。
さすがのハヤブサも、群れで固まると手出しができないようです。

モロッコのモガドール島に生息するエレオノラハヤブサは獲物を貯蓄する習性があり、鳥が渡りをする時期に20羽ほど獲物を貯めて、飢えに備えます。

この島では、生きたまま獲物の羽をむしり取られ、岩のくぼみに埋められている鳥が何羽も発見されています。これがエレオノラハヤブサの仕業なのかは賛否両論があるものの、もし本当なら優れた貯蔵技術を持っていることになります。

天敵

自然界では食物連鎖の頂点にあるハヤブサにとって、唯一の天敵は人間です。

開発事業で暮らす場所を追われ、ヒヨドリなどが摂取した実の農薬が蓄積し、健康を損ねることもあります。

現在ハヤブサは絶滅危惧種1B(放置すると絶滅するおそれがある)に指定されています。

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ハヤブサは自宅で飼育できるか

野生のハヤブサを捕まえるのは違法ですが、正規輸入された外国産のハヤブサはペットとして飼育することができます。

しかし、インコなど穀物菜食の鳥とは異なり、エサなどの問題で苦労することになります。冷凍ウズラ、マウス、ひよこ、ハトなどを与えるので、これらを処理できる度量がないと飼育はできません。

飼育環境

一定の基準に沿った(ハヤブサなら2100cm四方くらい)檻型の施設で飼育し、逃げ出さない工夫をしないといけません。脚環を付け、個体識別する必要があります。

飼育は大変困難ですが、雛の頃から育てると大変よく懐き、生涯を共にする家族の一員になると言われています。

鷹狩として猟もできる

訓練すれば、鷹狩りに用いることができます。

鷹狩の鷹は法律では猟具ではないのですが、禁止されていないので猟師の許可が取れると鷹狩をすることができます。

猟は非常に厳しい規定があり、特に銃に関しては厳重なルールがあります。ワナなどは仕掛けても良いけれど、銃は使えない「銃猟禁止区域」が多く、そんな場所に限って獲物が山ほどいるという皮肉も珍しくありません。

鷹狩なら、銃猟禁止区域でも猟が行える利点があります。

当然ですが、禁猟区や禁漁期間、狩猟できる鳥類以外を捕まえるのは犯罪です。絶対に止めましょう。

最近ではカラス避け、ハト避け目的で鷹やハヤブサを放つ鷹匠もいます。

注意点

野生のハヤブサは神経質な生き物です。撮影したい気持ちは分かりますが、みだりに近づいたりせず、きちんと距離を開けて撮影しましょう。

人間よりもハヤブサのほうが遙かに視力が良いため、十分距離を開けていても警戒されることがあります。

飼育下なら、体調にはできる限り気を付けて観察しましょう。

猛禽類は弱いところを周囲に隠す習性があります。相当弱っていても気丈に振る舞ってしまう傾向があります。エサは足りているか、フンの状態は良好か、など観察する習慣を付けましょう。

元気そうに見えて、急に病気になったり死亡することもあります。

真下にフンを落とすので、止まり木の下に新聞紙を敷いておけば汚れは防げます。

エサは放置すると腐敗しやすいので気を付けましょう。

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