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かわいい!ハエトリグモの種類と生態、飼育方法。餌の与え方

2016/10/20

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ハエトリグモはクモ目・ハエトリグモ科に属するクモの総称です。
ハエトリグモ科の種類には、オオハエトリ、ネコハエトリ、マダラスジハエトリなどがいます。
一般的に私たちが見掛けるハエトリグモはチャスジハエトリ・アダンソンハエトリになります。
厳密には脚が8本あることから昆虫ではなく、クモ綱の生き物となります。
さらに詳しく分類するならば節足動物ですね。

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生態

生息地

ハエトリグモの生息地、見られる時期は次の様になっています。

  • 地域:北海道、本州、四国、九州、南西諸島
  • 場所:雑木林、野原、民家
  • 時期:4月~11月

ハエトリグモは主に全国的に生息しており、雑木林や野原で見られます。
しかし屋外よりも民家に出没する傾向にあるため、一度は誰もが自宅で見付けているかもしれません。
初春から秋の終わりまで見られるので、注意深く屋内外を観察していると見付けやすいでしょう。

屋内でハエトリグモを発見すると神経質にわざわざ捕まえて殺そうとする人も少なくありません。
ですが放っておけばいつの間にかいなくなりますし、殺さずに屋外へ誘導しつつ逃がしてあげましょう。

特徴

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ハエトリグモには次の特徴があります。

  • 体色は成虫の場合は暗褐色、幼虫は薄黄半透明(幼虫)
  • 体長は15mm程度(成虫)
  • 4本の歩脚と2本の触肢を持つ
  • 2つの大きな単眼、6つの小さな単眼を持つ
  • 体に柔らかい毛が生えている
  • クモの巣を作らない

まずハエトリグモは4本の歩脚と2本の触肢を持っています。
それから全身に細かく柔らかい毛が生えています。
この毛が生えているおかげで、周辺からの微弱な振動も感じ取れるのです。
この他にはツルツルしたガラスの上でも歩けるというメリットもあります。

正面に大きな2つの単眼、その周辺に小さな6つの単眼を持っています。
ハエトリグモは視力が良く、素早く動く生き物でも眼に捉えられるのです。
まして単眼の位置から視野も360度と広く保つことが可能になっています。

糸を張りませんので家屋がハエトリグモの巣だらけになることはありません。
しかし厳密には糸で巣を作りませんが、お尻から糸を伸ばして命綱みたいには使います。

ハエトリグモのように糸を張らず、地上をカサカサと走って徘徊するタイプのクモは敏捷性や視力に優れています。

エサや捕食の方法

ハエトリグモは成虫も幼虫も小昆虫類を餌にしています。
まず幼虫はハエを捕食するだけのテクニックがないので、アリやダニなどから捕らえます。
糸を張らないで走って捕食するため、脚さばきは非常に素早いです。
すると次第に体長も大きくなりテクニックも磨かれ、逃げ足の速いゴキブリでも捕食することができます。
捕食後は獲物を溶かしながら体液を吸って吸収します。

しかしハエなどは飛行しながら移動するため、いくら脚が早いハエトリグモでも捕食は難しくなります。
そこでハエトリグモは音もなく素早く近寄り、距離を詰めたらパッとジャンプして止まっているハエなどを捕食するのです。
ハエトリグモの英名は『jumping spider』で、ジャンプすることも得意なんですね。
ですから走る&ジャンプの合わせ技を使って厳しい自然界を生き抜いています。

天敵

ハエトリグモの天敵は昆虫類、爬虫類、両生類、鳥類になります。
同じクモ類やカナヘビハチなどから捕食されてしまいます。
屋外にいればこれだけの天敵に狙われてしまいますが、人間の住む家屋では強い鳥類や爬虫類はいません。
いたとしてもノミやダニなど小型の昆虫類でしょう。
ですからハエトリグモが屋内に見られるのは、天敵の多い環境を避けて捕食するためでもあります。

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飼育について

飼い方

ハエトリグモの飼育はそれほど難しくはありません。次の飼育方法で飼育してみましょう。

飼育に必要な道具

  • ビン
  • ガーゼ
  • ハエなどの生き餌

飼育環境を作る

ハエトリグモはとても小さい生き物ですから、しっかりした昆虫ケースでなくともビンなどの小さい容器でも大丈夫です。
すぐに餌を捕食できる程度の広さがあれば十分ですね。
あまりにも広すぎると捕食が大変なので、ハエトリグモを疲労させてしまい寿命が縮まってしまいます。

また乾燥を防ぐために濡らしたガーゼを入れてあげてください。
水入れを置くと、ハエトリグモが落ちて溺れ死ぬことがあります。

エサやりについて

生き餌については与えても手を付けないことがあります。
要するにハエトリグモにも好みがあるんですね。
ですから根気よく様々な生き餌を入れて様子を窺うことが大切になります。

生き餌の残骸は小まめに取り除いて衛生的に環境を保ちましょう。

最後にですが、ハエトリグモは共食いをすることがありますので複数を一緒にしないでください。

 

捕獲方法

ハエトリグモを次の捕獲方法で捕獲してみましょう。

使用する道具

  • ペットボトル、牛乳パック

ポイント

とても機敏に動き回るので網を使って捕まえましょう。
丸い網の針金を四角く曲げると部屋の隅に逃げられても網を差し込みやすく、とっても捕まえやすいですね。
ペットボトルや牛乳パックを設置して、そこに追い込んで捕獲するのも効率が良いでしょう。

コラム

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ハエトリグモのちょっとしたコラムを紹介しましょう。

かわいい!ハエトリグモの求愛行動

ハエトリグモのオスとメスを一緒にしておくと、オスがたまに前脚や触肢を上げてバンザイをすることがあります。
実はこのバンザイポーズはハエトリグモの求愛行動なのです。
気に入ったメスを発見するとオスは両脚を上げてアピールします。
このアピールに関しては何種類かバリエーションがあり、床をトントン叩いたり脚を擦らせたりするなど様々です。

小さな体で目いっぱいアピールする姿は大変かわいいとクモが苦手な女性にも好評です。

ハエトリグモ釣りをやってみよう

さてハエトリグモは糸で巣を作りませんが、しおり糸と呼ばれる命綱は使います。
跳んだり走ったりするハエトリグモですが、万が一落下して死んでしまったら困ります。
そこで歩き回る際にはお尻からしおり糸を出し、高所から落下しても死なないようにぶら下がることができるのです。

このしおり糸をうまく引っ張るとハエトリグモ釣りができます。
思ったよりもしおり糸はしっかりしており、ハエトリグモを吊り下げてもプチっと切れません。
しおり糸により魚釣りの要領でハエトリグモを捕獲するのも中々面白いものです。

ハエトリグモに鏡を見せると…

ハエトリグモはバンザイのポーズで求愛ダンスをします。
しかしそうカンタンにオスとメスを揃えられませんから、中々かわいいダンスを実際に観賞する機会はありません。

でも一匹のハエトリグモとあるものを使えば、可愛いハエトリグモのダンスが見られるんです。
それは『鏡』です。
ハエトリグモのオスの前に鏡を置くと…体を傾けたり手を上げたりしてダンスが始まります。
ピョコピョコかわいいのでいつまでも見ていたくなるでしょう。

しかしこれはダンスではなくて『威嚇』です。
ハエトリグモのオスは鏡に映る自分を敵だと思い込んで威嚇しています。
これがかわいいダンスに見えるのですね。

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