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手を擦る理由!ハエの生態と特徴。寿命(卵→ウジ→蛹→孵化)、餌など

ハエとはハエ目ハエ亜目ハエ下目に属する昆虫の総称です。

種類が多いのも特徴で日本では約3000種ものハエが確認されています。
それからハエは病気を媒介する衛生害虫としても知られており、腸管出血性大腸菌O157、赤痢菌、サルモネラ等の被害を及ぼします。
日本では衛生状況が良くなったため、これらに細菌感染する事は減少しました。

しかし海外では未だ不衛生な箇所が多く、海外旅行で腹痛や下痢等の症状が発症して初めて罹患に気付く事も珍しくないでしょう。
事実海外では家畜の飼育や空気の乾燥によりハエが大発生する地域もあるなど警戒が必要です。
海外ではハエに関する研究が進んでおり、マゴットセラピーでハエを医療現場にて活用する動きもあります。

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ハエの生態と特徴

生息地と活動時期

ハエの生息地、見られる時期は次の様になっています。

  • 地域:北海道、本州、四国、九州、南西諸島
  • 場所:平地、雑木林、民家、繁華街、家畜施設
  • 時期:3月~10月

ハエは北から南へとほぼ全国的に生息しています。
特に見られる時期は3月~10月となっており、初春から秋にかけて見る事が出来ます。

私たちがよく周辺で見かけるハエは主にイエバエです。
非常にポピュラーな種であり、気温と湿度が上昇してくるとどこからか現れます。

ハエは平地や雑木林といった自然よりも、家屋や繁華街などの暖かく餌に不自由しない環境を好みます。

冬期は姿が見られないので安心する人もいるかもしれませんが、ハエは蛹の状態で物陰に隠れつつ越冬します。
暖かい屋内では環境が整うため、幼虫や成虫が見られる場合もありますから注意しましょう。

特徴

ハエには次の特徴があります。

  • 体長は10mm程度(成虫)
  • 体色は黒地褐色、複眼は小豆色、翅は半透明で光の辺り具合により部分的に虹色(成虫)
  • 背中には黒地に白っぽい縦縞が4本ある
  • 複眼は大きい
  • 触角は短い
  • 全身に細かい毛が生えている
  • 平均こんを持つ
  • 寿命は約2ヶ月弱程度
  • 完全変態を遂げる

ハエ(イエバエ)の背中には縦縞が4本あります。
複眼は大きく、触角は他の昆虫と比較して短いです。

また全身には細かな体毛が生えています。
この体毛が厄介で、餌となる死骸や糞尿に止まる際に細菌を体毛に絡ませてしまいます。
細菌を纏った状態で食べ物に止まる事で、細菌を様々な箇所へと移動(媒介)させています。

それから腹部をよく観察しますと、一対の平均こんがあります。
平均こんとは飛行時のバランスを保つための機能で、後翅が姿を変えたものです。
主に昆虫の翅の枚数は4枚ですが、平均こんを持つ昆虫の翅の枚数は2枚となります。

成長速度と寿命

完全変態を遂げる昆虫であり、卵は約2日程度でウジ(幼虫)に孵化します。

その後1週間程度で蛹になり、さらに約1週間程度で成虫と変態します。

この時気温が高ければ成虫への成長スピードは早くなるので注意が必要です。

寿命は環境が良い場合で約2ヶ月弱程度まで生き伸びます。

この繁殖スピードと一回の産卵で100個超のサイクルで産むため、ハエが現れなくなる事はほぼあり得ません。

ですからハエを駆除する意識を持ち続ける必要があります。

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食性および餌について

ハエは主に傷んだ食品、腐敗した動物の死骸、動物の糞尿などを餌にしています。

そもそもハエは分泌する消化液によって餌を溶かしてから、口吻で舐める事により栄養を摂取しています。
つまり傷んだ食品や動物の死骸はハエが消化するまでもなく腐敗しており、ある程度餌として食べやすくなっていて効率が良いのです。

また糞尿から揮発する硫黄化合物等の特定の臭気はハエの特に好む香りです。

ハエは必ずしも死骸や糞尿しか餌としない訳ではありません。
実際には花の蜜や樹液を餌とする事もあります。

天敵

ハエの天敵は昆虫類、爬虫類、両生類、魚類、鳥類、哺乳類になります。
有名な生き物にはアシダカグモ、トカゲ、カエル等が名の知られた天敵です。

しかし日本にはハエが恐れる天敵のガイマイゴミムシダマシという昆虫がいます。
ガイマイゴミムシダマシとは元々は日本に生息していなかった東アフリカ原産の移入種で、外国産のお米に紛れて日本にやって来ました。
名前のガイマイとは外米(ガイマイ)から由来しています。

さてガイマイゴミムシダマシは幼虫から成虫までイエバエの卵やウジを捕食し、個体数を効率良く減らせます。

ハエはなぜ手を擦るのか

ハエを観察しますと、しきりに手足を擦っています。

非常に気持ちが悪いですが、ハエにとっては重要な行動なのです。

実はハエの手足は味覚を感じ取る感覚器官の様な働きをしています。
しかし糞尿などが感覚器官に付着していると感度が鈍ります。
そのため敏感に感覚を研ぎ澄ますために、手を擦って付着物を落としているのですね。

またハエの手足からは粘着物質が分泌されており、そのおかげで窓や天井にピッタリ止まれるのです。
手足に付着物がありますと上手に止まれませんから、手を擦る事で付着物を落としています。

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