ゴライアスバードイーター(ルブロンオオツチグモ)の生態
2016/09/30
ゴライアスバードイーター・・・名前を聞く限り、なんとなく凄そうな生き物だな、と感じる方が多いと思います。
その予想は的中してまして、世界最大と言われているタランチュラです。
タランチュラってただでさえ大きいよね、ではその最大種はどれほどの大きさかと言うと、体長は10cm~15cm、脚を含めるとなんと30cmにもなります。30cmって小動物に使うサイズですね。クモ類恐るべし。
データ
- 和名:ルブロンオオツチグモ(ゴライアスバードイーター)
- 学名:Theraphosa blondi
- 分類:クモ網 クモ目 オオツチグモ科
- 分布:熱帯、亜熱帯 ※ただしペットとして日本に多く輸入されている
- 発生時期:特になし
- 捕獲方法:日中はのんびりしているので、巣穴などから引っ張りだす。夜は活発に動くので捕獲は難しい。噛まれると危険(毒は弱い)なので、手袋は必須。刺激毛を飛ばすことがあるのでゴーグルもできれば用意する。
- 飼育方法:大きめのケースに床材と水を用意し、巣穴になるようなシェルター(中が空洞になった木など)も作っておく。温度は26~32℃前後、湿度は60%以上は保つ。エサは大きめ昆虫や、マウスなど。個体サイズにあったものでないとあまり食べてくれない。
名前の由来
ゴライアスバードイーターというのは海外での通り名で、その名の通り鳥を食べるほど巨大な見た目からそう呼ばれています(ゴライアスはギリシャ神話のゴリアテという巨人が由来)。
和名ではルブロンオオツチグモと言って、クモ目オオツチグモ科に属しています。
このオオツチグモ科のクモのことを私たちは、タランチュラと称している訳です。
日本ではオオツチグモのことを古くはトリクイグモなどと言っていましたが、あながち間違いでは無いことがとある作品に残っています。
ドイツの昆虫画家メーリアンの「スリナム産昆虫変態図譜」の中で、クモが鳥を捕食している姿が描かれていたのです。
メーリアンは、昆虫を描くために世界を旅した女性であり、後の昆虫学へ大きな影響を与えた一人と言われています。
自然環境下の昆虫を観察することで、周りの植物との関係性も明らかにした彼女ですが、現実に鳥を捕食していたかは別として、オオツチグモの捕食対象が小動物にまで及ぶことに気づいたのは驚きです。
今ではバードイーターというクモの種類が存在し、飼育環境下であればヒヨコなども餌になるという事実は明らかになっていますが、それを数百年前の女性が絵に描いたと思うと、絵画が現実になったような感覚になります。
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特徴
性格
そんな凶暴そうなゴライアスバードイーターは、実は身体のサイズの割には温厚な性格で、自ら攻撃をしかけようとはしません。
中には凶暴な種類もいるとされていますが、あくまで捕食のため、もしくは自らの身を守ることが優先と考えられています。
体
体中が毛で覆われているので不気味と感じる人もいますが、逆に愛着が湧き、ペットとして飼う人が多いことも事実。
ただ身体に生えている毛は刺激毛と呼ばれ刺さるとかゆくなるので注意しましょう。
しかし世界には、クモを貴重なタンパク源として食べる地域も存在します。よくゲテモノとか言われていますが、クモの味はエビに近いと言われているので、馴染みのある日本人なら食べられるかもしれません(私はエビが嫌いなので食べませんが!)。
生態
クモ類ははるか昔から繁栄し続けています。ゴライアスバードイーターも一回の産卵で50~100個の卵を産み、天敵が少ないです。
基本的には地中の巣穴で多くの時間を過ごし、寿命は20年以上と言われており(メス限定、オスは5~6年)、20年間同じ巣穴で生活する場合もあります。
必要な時に狩り、それ以外はじっとしておく。かつて人類がいない時は、そうやって環境を変えず巨大化した生物がたくさんいたことでしょう。
今や環境破壊や乱獲により、クモたちも住みにくい世の中になっていると感じていることは間違いありません。
もしどこかでもっと大きなクモが見つかれば、地球を荒らしている私達は、エサにされてしまうかも…そんなSF映画のような現実が来ないことを願います。
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