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ゴイサギの特徴。生態や鳴き声、幼鳥の見分け方など

サギの仲間は多くの種類がいますが、外見は大きく分けて2つあります。
水辺や水田などでよく見かける首の長いサギは、主に昼に活動します。今回ご紹介するゴイサギは首が短く(正確には、首を折り畳んでいるので首の長さが目立たない)夜に活動します。

日本では天皇の権威の象徴にも使われた歴史もあり、ゴイサギの名前の由来になっています。

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ゴイサギの生態と特徴

生息地

本州より南では留鳥、北海道では夏鳥です。
世界的にも生息範囲は広く、アフリカ、南北アメリカ大陸、ユーラシア大陸、日本、インドネシア、フィリピン、マダガスカルなどに分布します。
オーストラリアを除くすべての大陸と、その周辺の島国に生息します。エサが豊富な水辺があれば生きていける、生命力の強い鳥です。

適度に休む場所と、水のあるところなら大抵どこでも暮らしています。
川、湖沼、湿地、水田、海岸など、人間に近い場所でも暮らしています。しかしその姿を見ることは、シラサギに比べて少ない傾向があります。

ゴイサギは夜行性で、主に夜に活発に動く鳥です。
深夜残業が続くサラリーマンや、夜勤の仕事の方なら見る機会も多くなるかもしれません。どぶ川のような、あまり清潔そうに見えないような川でも暮らしています。
しかし完全な夜行性ではなく、子育て中やお腹を空かせた時などは昼でも活動します。ゴイサギの観察や写真撮影をしたいときは、春から夏の子育て期間が良いでしょう。

体の特徴

コウノトリ目サギ科ゴイサギ属の鳥です。
くちばしの先からしっぽの先まで57cmほど。
楕円形の丸い体に、長いくちばしが伸びる頭が乗った姿をしています。

目は真っ赤で、黄色い足がよく目立ちます。繁殖期には、頭の後ろに白いアンテナのような冠羽が2本伸びています。
頭と背中は青緑に近い灰色、お腹は薄い灰色です。派手さはありませんが、和風な趣のある色合いのサギです。

幼鳥~2才くらい

成鳥と全く異なる色合いをしています。背中はくすんだ褐色で、お腹には褐色の斑点が無数にあります。目は黄色く、足は濃い灰色です。
一般的に「ホシゴイ」と呼ばれ、一見すると成鳥と同じ鳥に見えません。首を伸ばした姿を正面から見ると、まるで恐竜のように見えます。
この姿は成鳥よりさらに擬態しやすく、敵に見つかりにくくなる効果が期待できます。幼鳥は死亡率が高いため、生存競争をより有利に進めるための戦略と言えます。
はじめは恐竜のような姿の幼鳥も、年齢を重ねるうちに徐々に鳥らしい姿に変わり、目も黄色から赤に変化します。3年目でようやく大人と同じ姿になり、繁殖期を迎えます。

ゴイサギと似た鳥

ゴイサギと同じ体型の鳥にササゴイがいます。ササゴイは巧妙に隠れることがうまい鳥で、藪や芦原などに擬態して巣やひなを守ります。
ゴイサギとササゴイは外見がよく似ていますが、冠羽の色で簡単に区別できます。ゴイサギの冠羽は白、ササゴイは青みを帯びた黒です。

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繁殖について

集団で営巣する

ゴイサギは集団で巣を作り、ひなを育てる習慣があります。
サギの仲間は複数が同じ場所に集まり、巣を作ることがあります。小高い山に作ることが多かったため、かつては日本各地にサギの集団繁殖地「サギ山」がありました。
しかしフン害などがひどく、サギ山は造成で次々と破壊されていきました。そのためチュウサギなど絶滅の危機にあるサギもいますが、ゴイサギは大規模なサギ山がなくても繁殖は可能です。

繁殖期から巣立ちまでの様子

日本では4~8月ごろが繁殖期です。
低い木に巣をかけ、雄が巣材を運び、雌が巣を組み立てます。3~6個の卵を産卵し、21~22日で孵化します。
ひなは食欲旺盛で、両親はエサ集めに追われます。昼も夜もエサを取ってはひなに与えます。
そのかいあって、ひなは20日ごろには巣立ちを迎えます。しかしまだ十分に飛ぶことはできないため、しばらくは両親の保護を受けます。
孵化から40~50日ごろでようやく空を飛ぶことができるようになり、幼鳥は独立します。

鳴き声

鳴き声は「クワッ」など。カラスのような声で、夜に鳴くことから「ヨガラス」という別名もあります。

エサ

水生の動物を好んで食べます。
小魚から比較的大きめな川魚、昆虫類、カワエビ、ざりがに、カエル、亀、ヘビ、トカゲなど、動物性のものなら何でも食べます。
食欲は旺盛でザリガニなど特定外来生物もたくさん食べて生態系を維持します。田んぼの生態系ではほぼ頂点にいる存在です。

天敵

オオタカなど大型猛禽類、野犬、ノネコ、イタチなどが天敵です。卵や雛の時代はカラスなどに襲われることもあります。
ゴイサギはサギの中でも茂みに隠れるのがとても巧く、健康な成鳥ならあまり天敵に捕まりません。世界の多くの地域で栄えているのも、ゴイサギの巧妙さと貪欲さによるものです。

ゴイサギの由来・エピソード

ゴイサギは漢字で「五位鷺」と書きます。五位とは古代日本の地位の名前で、一位から七位まであります。
ゴイサギに位を授けたのは、醍醐天皇です。「平家物語」のエピソードの一つで、平安神宮の神仙苑で遊んでいた醍醐天皇は、池に降りてきた大きな鳥を見つけます。さっそく部下に、この鳥を捕らえてくるように命令します。
部下がゴイサギに近づくと逃げようとしますが、「宣旨(せんじ 天皇の命令)である」と言われるとピタリと止まり、大人しく捕まりました。
醍醐天皇はこのサギに正五位の位を授け、離してやりました。それからはこのサギは五位の位のサギ、ゴイサギと呼ばれるようになりました。

正五位は宮中に入ることが許可されている位です。ゴイサギを自分の庭に入っても良いという醍醐天皇の計らいだったと推測されます。
この逸話は「鳥獣ですら天皇の権威が理解できる」という権威付けの一つにもなり、能楽の演目「鷺」にもなりました。

能は能面を被って演じますが、「鷺」は面を付けずに演じます。代わりに頭にシラサギの形をした冠を被り、全身真っ白な衣装で舞います。
鷺の役は少年か、還暦を過ぎた老人が行います。
見栄えの良さでゴイサギからシラサギに代わっていますが、内容は平家物語と同じです。

注意しましょう

池などで鯉や金魚などを飼う人やマスや錦鯉など川魚の養殖家にとって、サギの仲間は最大の天敵です。
やって来ては小さな魚は食い荒らし、大きな鯉はつついて傷をつけ、価値を台無しにしてしまいます。
サギに襲われないように池にテグスを張って降りてこないようにする、ネットを張る、ふたをするなどして防衛することが欠かせません。
それでもしつこくやって来ますが、そのたびに根気よく追い払うしかありません。

サギの仲間は執着心が強いので、少しでも隙を見せるとたちまち被害に遭います。
ゴイサギは夜に行動するので、なおさら人目に付きにくく注意が必要です。

盛岡市ではゴイサギ営巣による被害が深刻で、市のホームページで対策を公開しています。

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