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絶滅危惧種!ゲンゴロウの生態や飼育方法♪幼虫は毒に注意!

2016/09/30

ゲンゴロウはコウチュウ目・ゲンゴロウ科の昆虫です。
コロンとした薄い卵型の体型でスイスイ泳ぐ姿は可愛らしいです。
しかし近年ゲンゴロウは農地の減少や環境汚染の度重なる影響により減少しています。
そのため今では自然の個体を探すのは難しくなっており、ペットショップ等でしか見られません。

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生態

生息地

  • 地域:北海道、本州、四国、九州、南西諸島
  • 場所:田んぼ、穏やかな水辺
  • 時期:4月~10月

ゲンゴロウは北から南へと全国的に生息しています。
特に見られる時期は4月~10月となっており、春先から秋にかけて見る事が出来ます。
田んぼや水辺等に住んでいますが、年々減少の一途を辿っている珍しい昆虫となってしまいました。
昔は度々見られた昆虫で、年配の人は懐かしさを覚える人が少なくありません。

現在では環境省レッドリストのⅡ類にカテゴライズされており、絶滅の危機に瀕しています
絶滅の危機に瀕する昆虫類は少なくありませんが、特にゲンゴロウ類は数多くリストアップされています。
ですからゲンゴロウを発見出来た場所はまだ環境が損なわれておらず、生態系が維持されていると考えても良さそうですね。

そしてゲンゴロウは成虫と幼虫で現れる時期が異なります。
まず成虫の寿命は長くて、2~3年生きると言われています。
ですから成虫は一年中探せるのです。
対して幼虫ですが、夏期のみしか現れず探すのが困難を極めます。

特徴

ゲンゴロウには次の特徴があります。

  • 体色は成虫で緑系暗褐色。幼虫で褐色。
  • 体長は40mm程度(成虫)
  • 体のフチが黄色
  • 平たく流線型の体型
  • 手足に茶色いブラシの様な毛が生えている
  • オスの前足には吸盤がある
  • メスの背中にはシワがある
  • 白い液体は臭く、天敵を攪乱する

ゲンゴロウのトレードカラーは黄色と緑色で、体は滑らかな流線型をしています。
また四方に伸びる細い手足には細かいブラシの様な毛が何本も生えています。
こうして体型と手足の造りは水の抵抗を減らせるため、気ままにスイスイ泳げるのです。

それからオスの前足には細かい吸盤があります。
この吸盤は交尾の際にメスの背中に吸着させて固定する働きを持ちます。
しかし吸盤付きの前足だけで心許なく、メスの体をしっかり固定するのは不安定でしょう。
対してメスの背中に目を凝らして見ると、均等に刻まれた僅かなシワがあります。
これは交尾の際にオスの吸盤がフィットしやすい様、メスの背中も併せて変化しているのです。

さて繁殖の際にこれらの吸盤やシワが活用される訳ですが、メスはかなり苦労しています。
実の所、交尾は水中で行われるためメスが酸欠に陥りやすいのです。
酸欠の具合が酷いとメスは弱って死んでしまう事もあります。

ゲンゴロウは成虫と幼虫で食べるエサが異なります。

まず成虫ですが、鋭い前足を器用に使って小魚や昆虫を捕らえて食べます。
死んでから少し時間が経った死骸を食べる事もあります。
最悪エサが少なくなると周囲のゲンゴロウを捕らえて共食いをしてしまいます。
こうして成虫は生きたエサと死んだエサの両方を食べています。

一方の幼虫は生き餌しか食べません。
顔を確認すると鋭く大きな顎が発達しているのが分かります。
捕食の際には水中に潜り、このキバの様な鋭い大顎で獲物を仕留めるのです。
しかしそれだけでは捕食が不十分なため、麻痺性の毒も使っています。
幼虫は鋭い大顎から麻痺性の毒と消化液を獲物に送り込みます。
すると獲物の体は次第に身動きが取れなくなり、溶けていくという仕組みです。
こうして溶かした獲物の組織は口から吸い込んで吸収します。

天敵

ゲンゴロウの天敵は昆虫類、爬虫類、甲殻類、鳥類になります。
水中で小魚やオタマジャクシを捕食する強いゲンゴロウですが、かなわない天敵もいます。
まず鳥類はゲンゴロウが陸地に上がってきた時を狙って捕食します。
また水中にはカニやザリガニが生息しており、安全とは言えません。

しかし黙って捕食されるゲンゴロウではありません。
ゲンゴロウは天敵から襲われた際、背中から白い液体を分泌して発散させます。
この白い液体はとても臭く天敵は驚いて怯むため、その隙をついて逃げ出します。
白い液体を発散する部位は背中だけに留まらず、口や肛門からも確認されています。

こうして全身を臭くして天敵からの捕食を回避するのです。
人間も悪臭が苦手ですが、どうやら鳥類や甲殻類も同じ様です。

飼い方

飼育

ゲンゴロウを次の飼育方法で飼育してみましょう。

飼育難易度 普通
飼育に必要な道具
  • 水槽
  • 水草
  • エアレーション
  • アカムシ、刺し身
  • 石、流木

住まい作り

まず水槽に15センチ程度水を張りましょう。
前もって水道水を汲み、日陰に置いてカルキを抜くとゲンゴロウも暮らしやすくなります。
それから水草も植えます。
水草は呼吸補助や繁殖の役に立ちます。
流木や石はたまに行う甲羅干し時に上るので、忘れずに置いてあげてください。
ゲンゴロウはずっと水中にいるとカビや雑菌に脅かされるのでたまに日光浴をして健康を保ちます。

エアレーションも忘れないでください。
ただし比較的穏やかに稼働するタイプが良いでしょう。
あまりパワフルに稼働すると水槽内に流れが発生し、ゲンゴロウが疲労して弱ってしまいます。

最後にゲンゴロウは肉食で水が汚れやすいため、頻繁に水替えが必要となります。

捕獲方法

ゲンゴロウを次の捕獲方法で捕獲してみましょう。

使用する道具
  • タコ糸

まずゲンゴロウの居そうな場所を探します。
土や水草がある水辺に注目しましょう。
つまりゲンゴロウの成長や繁殖が行いやすい場所を探すのがポイントですね。
良いポイントが見付かったら、ゆっくり網を川下から掬い上げる様にしましょう。

もしゲンゴロウが見付からない場合、ワナを仕掛けてはいかがでしょうか。
ゲンゴロウは嗅覚が優れており、水中で他の生き物の体液による臭いを察知する事が出来ます。
この性質を用いてゲンゴロウをおびき寄せるワナを仕掛けましょう。

ワナ作りは簡単です。
まず糸に肉を括り、流れが緩やかな水中に一晩置いておくだけです。
肉は少し叩いて組織を傷め、臭いが溶け出し易い様に工夫しましょう。
ゲンゴロウは夜行性ですから夜になるとエサを求めて移動します。
そして次の日に網で掬うだけです。
ワナは捕獲終了後しっかり片付けてください。
環境汚染はゲンゴロウ減少の一因ですので気を付けましょう。

注意点

ゲンゴロウの幼虫の大顎がどれくらいのパワーを持っているのか気になりませんか?
もしかしたら指を噛ませて威力を試してみたくなったかもしれません。

しかし実は幼虫の大顎は鋭く、毒を注入される事があるので絶対に止めましょう
症状としては噛まれた部分の組織が腫れたり壊死すると確認されています。
幼虫と言えどもこれ程の被害を及ぼすので侮れません。

ゲンゴロウの幼虫を捕まえる際にはグローブを装着する等、噛まれない様に気を付けてください。
ちなみに成虫のゲンゴロウは大顎の力は強いものの、毒はありませんので大丈夫です。

コラム

ゲンゴロウのちょっとしたコラムを紹介しましょう。

絶滅危惧種と食虫文化

環境省レッドリストのⅡ類にカテゴライズされているゲンゴロウ。
しかし無情にも東南アジア等の海外でゲンゴロウは食材として扱われています。
海外では虫は貴重な食材として根強い人気を誇っています。

さて特に虫と油の相性は良く、油が虫の香ばしさやコクを引き出します。
薬味や香草のトッピングによって、さらに箸が進みます。
こうした国ではマーケットでゲンゴロウを購入可能です。
水槽で飼われているので鮮度は抜群でしょう。

しかし新鮮と言えども水質や衛生環境により、雑菌や寄生虫の問題もあります。
整った衛生環境で暮らす日本人が現地で虫料理を食べる際には注意が必要です。
食あたりで病院のお世話になる程度ならば可愛いものですが、寄生虫を取り込んでしまう恐れもあるのです。

日本では環境破壊により住み処を追われ、海外では食材として捕らえられるゲンゴロウ。
今日もどこかで懸命に生きています。

ゲンゴロウは狂暴である?

ゲンゴロウは肉食という事から狂暴な昆虫と思われがちです。
しかし実の所、ゲンゴロウはそれ程凶暴ではない水棲昆虫です。
気性が荒いタガメに姿が似ていたり、たまに共食いをする点から凶悪で凶暴なイメージが付いてしまいました。
この点がゲンゴロウに恐怖を抱かせてしまうのかもしれません。

ゲンゴロウの名前の由来

ゲンゴロウには名前の由来となった昔話があります。
昔々ある所に貧しい病気の母親と少年がいました。
その貧しい暮らしぶりを不憫に思った木の精霊が少年に小槌を与えてくれました。
木槌は人のために振るとお金が出ますが、自分の欲の儘に振ると体が小さくなってしまう代物だったのです。

貧しい少年は小槌を振るってお金を得て、病気の母親のために薬を買いました。
その後みるみる小槌のうわさは広まり、ついには代官まで耳にしてしまったのです。

代官は小槌を取り上げてどんどん私欲のために振り続けました。
その結果屋敷からは代官が消え、山積みの小判の山の下からある一匹の虫が出てきたのです。

この一匹の虫を村人が代官の名前であった"源五郎"と呼ぶ様になったのでした。
なのでゲンゴロウは人名の様な名前になっているのですね。

※ただし諸説あります。

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