鮎(アユ)の生態について♪アユ釣り必勝法。生息地や餌、特徴
川と陸を行き来するという壮大な旅路、1年で一生を終えるいさぎよさ、さらにはほのかな苦みのある独特の風味とこぎみよい引き、とまさに天が何物も与えた、日本人好みの魚です。
初夏の稚アユよりも、晩夏から初秋のアユ釣りシーズンの到来を心待ちにしている、という方も多いのではないでしょうか。
アユは漢字で鮎、香魚、年魚と書く、キュウリウオ目の魚です。
キュウリウオ目と聞くとなじみのない名前かもしれませんが、簡単に言えばワカサギやシシャモの仲間です。
日本では古くからなじみのある魚のひとつに数えられ、さまざまな地方名を持っています。
ちなみに、中国では「鮎」という漢字は日本でいう「ナマズ」のことを指します。中国で「鮎がよく釣れるところがある」と聞き、喜び勇んで足をはこんだらナマズだった、という笑い話もあるくらいです。
中国では日本と同様、鮎は「香魚」と呼ばれています。しかし、中国は広いので地方により様々な呼び名があり、場所によっては別の魚を指すこともあるようです。
生態
生息地
日本では北海道から沖縄県まで、国外では朝鮮半島からベトナムの北部にまで分布していますが、鮎の生息域の中心は日本です。
大陸特有の川幅が広く、流れがゆったりとした河川よりも日本の様な急斜面かつ流れの速い川を好むようです。
アユは釣りの対象として人気があるため各地で盛んに放流や養殖が行われており、イワナやヤマメと同様、地域個体群は互いに混ざり合ってしまっています。
移植用のものとしては琵琶湖産のコアユが有名です。
鮎は川と海を行き来しますが、成長のある段階で海を利用するにすぎず、産卵場所を求めて川を上るサケや川を降るウナギとは異なります。
アユの場合、川で生まれた後に海へ降り、一定の大きさになると河へ遡上し、その後はずっと川で生活を送ります。
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特徴
食性について
孵化してから再び川へ遡上するまでは動物プランクトンを食べますが、遡上後はしだいに川底の石についた藻類を食べるようになり、同時に歯の形は石についた藻類をこそげとりやすい形へと変わっていきます。
遡上したばかりのころは銀白色の体色ですが、藻類を食べ出してからは、腹部は白色、背面が濃い抹茶色に変わります。
縄張り
ある程度の大きさになると縄張りを形成し、近づく同種を追い払うようになります。この行動を利用したものが、「アユの友釣り」です。
種類
日本のアユは本州や北海道、九州、四国に分布する「アユ」と、沖縄本島と奄美大島に生息する絶滅危惧種の「リュウキュウアユ」がいます。
アユは基本的には海と川を行き来しますが、日本最大の湖である琵琶湖では海の代わりに琵琶湖へ降る「コアユ」がいます。
琵琶湖のコアユは大型に育つ「オオアユ」と小さな「コアユ」がいますが、両者の違いは生まれが早いか遅いかであり、種が異なるわけではありません。
体長
最大で30センチになると言われていますが。多くは15から25センチほどの大きさです。
リュウキュウアユは沖縄本島の個体群は1970年代に既に絶滅しているため、現在のものはすべて奄美大島由来の個体群とされています。
こちらはアユよりも小型で10から15センチほど、全体的にずんぐりとした体つきをしています。
飼育
アユを飼育するのは非常に困難であり、水族館などでもめったに見られません。
その理由の一つは、アユの主食が石につく藻類であり、確保がとても難しいからです。
どうしても、という場合にはコアユであればかろうじて飼育することは可能である、と言われています。
冷水を好むので、一番の注意したいポイントは夏場の温度管理です。このためには、水槽用のクーラーを使うとよいでしょう。
また、感染症にも弱いため、汚れた水は論外です。飼育下では成熟しないため、1年以上は生きるとされています。
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