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アサギマダラの生態について。神秘的な蝶、特徴的な幼虫

2016/10/04

asagimadara

アサギマダラとはチョウ目・マダラチョウ科の昆虫です。
少し大柄で翅を広げると、小さな子供の手のひら程の大きさです。
青白い模様がどこか神秘的な印象を与えるチョウチョでもあります。

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アサギマダラの生態と特徴について

生息地

アサギマダラの生息地、見られる時期は次の様になっています。

  • 地域:北海道、本州、四国、九州
  • 場所:高山、低山、平地、雑木林
  • 時期:5月~11月

アサギマダラは北から南へと全国的に生息しています。
特に見られる時期は5月~11月となっており、初夏から晩秋にかけて見る事が出来ます。
場所が高山から雑木林まで幅広いのは渡りをするからでもあります。
しかしメカニズムがハッキリしていない面もあるため、まだまだ謎の深いチョウチョなのです。
謎に満ちたメカニズムを解明しようとマーキング調査を行っている人もいます。

特徴

アサギマダラには次の特徴があります。

成虫

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  • 体色は、前翅が黒地、後翅が赤褐色、不透明の翅に青白斑点
  • 体長は、60mm程度
  • 触覚の先が太い
  • 翅のフチの青白点は小さい
  • 体の中心に向かう程、青白点の面積が大きくなる
  • オスは赤褐色の後翅に黒や褐色のブチがある(黒ブチは性標と呼ぶ)

まずアサギマダラの最たる特徴は前翅と後翅で色が違う点でしょう。
それから翅の中央に向かうと青白点の面積が大きくなります。
対して翅のフチ方面は青白点が小さくやや丸型です。
オスには後翅に黒や褐色のブチが現れます。

幼虫

  • 黒地に黄や白の玉模様(幼虫)
  • 幼虫は頭とお尻に計4本の突起を持つ

幼虫はとても派手で一度見たら忘れられません。
体全体に白や黄の水玉がギッシリと点在しているためショッキングです。
必ず白と黄の水玉が点在していますが、各色面積の割合は個体差によります。
頭とお尻の触角(突起)はハの字にピンと真っ直ぐ伸びています。
それから触角においては白と黒の2色で黄色は混じっていません。

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アサギマダラは主に花の蜜をエサにしています。
特に好むのがフジバカマやヒヨドリバナです。
フジバカマは秋の七草の1つで、古典の万葉集や源氏物語にも描かれている花です。
こうして古くから親しまれてきた花なのですが、現在は環境省レッドリストにて準絶滅危惧指定を受けています。

天敵

アサギマダラの天敵は昆虫類、爬虫類鳥類になります。
クモの巣に接触して糸に絡まって捕食される事が多々あります。
大きめの体から警告色で威嚇するのですが、それでも恐れない鳥が寄ってきたりするので命を落としてしまいます。

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飼育について

飼い方

アサギマダラの飼育は非常に困難です。
渡りをする昆虫でもあるので大変気温に敏感だと言われています。
それに何より飛びますし、昆虫ケース内ではストレスだらけです。
自由に飛びまわれる自然で生かしてあげましょう。

採集方法

アサギマダラを次の捕獲方法で捕まえてみましょう。

使用する道具

まず雑木林を歩き回り、アサギマダラを探しましょう。
アサギマダラは高山から雑木林まで出没しますので各所歩いて探してみてください。
発見したら網を被せて捕らえましょう。

注意点、毒性について

アサギマダラと検索すると『毒性』と表示されます。
実は成虫がエサとするフジバカマ等の蜜には、アルカロイド系の毒性があるのです。
古くから人間の薬に用いられてきた歴史もあり、酷く怖がる必要はないでしょう。
アサギマダラは毒性を体内へ蓄積し、天敵に対しての対抗策として利用しています。
また毒性はオスにとっての性フェロモンの元でもあります。

さて成虫が毒を体内へ取り込む事が分かりました。
実は幼虫も体内へ毒を取り込んで成長しています。

幼虫のエサはキョウチクトウ、キジョラン、カモメヅル等の葉っぱです。
ガガイモ科やキョウチクトウ科の植物を食べているのですが、これらにもアルカロイド系の毒性が含まれています。
なので幼虫は毒を体内に蓄積しながら成長しているのです。
生まれてから死ぬまでずっと毒をエサにしているので人間にすると怖いですが、アサギマダラにとっては種の繁栄に役立つから問題はないでしょう。

総括になりますが、毒性のあるエサを食べ続けるアサギマダラを触っても特に問題ありません。
むやみに怖がったり駆除する必要もないので、アサギマダラの美しさに酔いしれましょう。

コラム

ずっと派手なままのアサギマダラ

派手な警告色を身にまとった幼虫時代を過ぎると、さすがのアサギマダラも地味なサナギになるかと思いきやまだまだです。
アサギマダラの派手さはサナギになっても止まりません。
アサギマダラのサナギは光沢のあるエメラルドグリーン色をしておりピッカピカです。
一見すると宝石みたいな質感が感じられます。

また一般的なチョウチョのサナギの形は長細い筒状です。
しかしアサギマダラの場合は壺のような形になります。
そして壺のようなサナギは、葉っぱから天井照明のようにぶら下がり羽化を待つのです。

森の中でこのサナギを見ると、傍目からはあたかも人工物に見えてしまう程。
こうして幼虫からサナギまで、サナギから成虫まで一生涯ずっとアサギマダラは派手で居続けます。

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