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アオサギの生態や特徴について。被害・駆除・対策は?寿命長く知能高い

川や田んぼで綺麗な白鷺に混じって、鶴のように巨大で青くカラフルな風貌のサギがいることがあります。
これが日本では最大種のサギ、アオサギです。

恐竜を思わせる野生味あふれる顔つきに鶴のような巨体、高い知能を兼ね備えた姿は、鳥類が恐竜の子孫であることを実感させてくれます。画像を見ると、上品な灰色の羽がとても美しい鳥です。

長い間人間の狩りの対象になり、本来は人間を嫌う臆病な鳥でした。現在は都市部を中心に人間に近づき利用するアオサギ目撃例が多数報告されています。

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アオサギの生態と特徴

生息地

世界的な分布は広く、ユーラシア大陸全般、イギリス、アフリカ大陸のサハラ砂漠以南、マダガスカル島、インドネシアの西部、フィリピン北部、日本に生息しています。
適応能力が高く、水とエサと、ねぐらがあれば暮らしていけます。
一年中同じ場所で暮らす個体と、渡りをする個体がいます。渡りをする個体は夏はユーラシア大陸中部一帯で繁殖し、冬には南に渡って越冬します。

日本では北海道で繁殖して冬に九州より南に渡る個体と、一年中同じ場所で暮らす個体がいます。
本州より南のアオサギは留鳥です。

水辺に生息し、河原や湿原、干潟、水田、湖や沼など、エサが取れる環境ならどこでも暮らしています。
町中のドブ川にも現れることがあります。セキレイしかいないような小川に突如飛来することもあり、周囲を驚かせることもあります。
性格は慎重で臆病ながら執着心が強く、ねぐらやエサ場に強くこだわる傾向があります。
もともとは人間を恐れ、人影を見たら一目散に逃げてしまいます。しかし都市部のアオサギは
人を恐れず、パンくずや釣った小魚などをもらう個体もいます。

体の特徴

 

ペリカン目サギ科アオサギ属の鳥です。
くちばしの先からしっぽの先まで88~98cm、翼を広げると150~170cmになります。日本のサギの中では最大種で、鳥に詳しくない方はツルと勘違いすることもあります。
アオサギとツルの違いは、空を飛ぶ姿を見ればすぐに見分けがつきます。ツルは首をぴんと伸ばして飛びますが、サギは首を曲げ、頭を首の付け根あたりにつけて飛びます。

雌雄同色ですが、雄のほうが少し体が大きめです。
くちばしは黄色く、顔から首にかけては白に近い灰色です。目の上に太い眉のような線があり、首の中央には縦長の斑点があります。
翼と胴体は青みを帯びた淡い灰色で、肩口は位灰色です。

足は上半分は黄色く、下半分は黒です。
一見すると変わった配色ですが、黒い足は水中の動物に目立ちにくい色なので、より補食に成功しやすい工夫かもしれません。
胸の下に長い飾り羽があり、繁殖期は頭にアンテナのような冠羽が生えます。冠羽は雄のほうが長く目立ちます。
繁殖期の羽は婚姻色と呼ばれ、人間が見ても美しさが栄えます。婚姻色でくちばしや目先、足はピンクに染まります。

若鳥は成鳥に比べてぼやけた色合いで、全体的にくすんだ灰色です。美しさには欠けますが、くすんだ色合いは保護色にもなり、より敵から隠れやすくなります。

アオサギは漢字で「蒼鷺」と書きます。「蒼」はくすんだ青色のことで、アオサギの翼の色が名の由来です。
英語圏では灰色のサギと呼ばれています。

繁殖について

日本では4~5月に繁殖を迎えます。
松林などに同じアオサギ同士で集団営巣し、毎年同じ巣を修理して巣を作ります。近年は巣作りに適した環境が減っているため、アシ原のある地上や貯水池の柵の上、湖に浮かぶブイの上など劣悪な環境に営巣したという報告もあります。

他のサギと同じ場所に巣を作り、サギ山を形成することもあります。

雄が巣材を運び、雌が組み立てて皿状の大きな巣を作ります。3~5個の卵を生み、23~28日で孵化します。
雛は長い間養われ、50~55日ほどで巣立ちを迎えます。

寿命

アオサギは寿命が長いため、成熟するまで2年ほどかかります。野生下での正確な寿命は長くて20年くらいと言われ、同じ個体が5年以上同じ場所に居座っていることが知られています。巣立った幼鳥の大半はその年のうちに死んでしまいますが、1年を乗り越えたら一気に生存率が上がります。
世界最長の記録は、デンマークで発見された足環個体の37歳6か月です。

鳴き声

鳴き声は「グワァ」、「カァン」などと野太い声です。飛びながら、思い出したように時々鳴き声を上げます。

食性およびエサについて

魚、カエルなど両生類、昆虫、ザリガニなど甲殻類などが代表的な餌です。
蛇や亀などの爬虫類、鳥の雛を食べることもあり、カルガモの親子に襲いかかって小さな雛を次々と食べてしまうこともあります。
機会があればネズミなど小型ほ乳類も食べます。パンくずに寄ってきたスズメを捕まえ、水に浸けて溺死させて食べる姿も報告されています。海外では、アヒルやウサギなどを捕食することもあります。
「悪食」な鳥として有名で、動物性のものなら何でも幅広く、貪欲に食べます。

アオサギは知能が高く、様々な手段でエサを確保します。
川の滝になっている場所に待ち伏せして、遡上するアユなどを空中でキャッチします。
自ら獲物を追いかけることもあり、水辺を優雅に歩きながら補食することもあります。
小魚は丸飲みですが、大型の魚(コイ)などは横からくちばしで串刺しにして止めを刺してから食べます。

東京都やアメリカなどでは、「釣りをするアオサギ」がいることが知られています。人間が撒いているパンくずをもらい、それを水面に浮かべて魚をおびき寄せます。
動物食のアオサギですが、中にはパンくずを食べてしまう個体もいます。人間に近い場所にいる個体は様々な方法で人間を利用する方法を編み出しています。

中には釣り場などに居座る個体もいて、人間が釣る魚をじっと待つこともあります。
人に襲いかかることもなく、魚をもらえるまで根気よく待つ姿に感銘を覚える方もいます。
臨機応変にエサを探し、新しい環境を利用した補食方法を編み出すことも珍しくありません。

天敵

成鳥は大型猛禽類が主な天敵です。オオタカは自分より大きなアオサギにも怯むことなく襲いかかります。

卵や雛はアライグマ、ヒグマ、イタチ、ノネコ、野良犬などほ乳類に狙われます。アオサギの巣が一般的に高い木の上にあるのは、これらの天敵から逃れるためです。

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注意点

庭の池などで魚や両生類、は虫類などを飼う方はサギの仲間の襲撃対策を練らなければいけません。
アオサギも他のサギ同様、非常に貪欲でしつこく襲撃を続けます。池にテグスを張ったり、フタをしたり、網を張ったりなどの対策を怠らず続けましょう。少しでも隙を見せると、隙に乗じて襲われます。

養殖家の中には、リアルな鷲の木彫り像を設置してサギやカワウ避けに利用している方もいます。
今のところは撃退に成功していますが、いつかは置物と気づかれてしまうかもしれません。防犯と同じく、複数の手段を使い、特には見張りをして追い出すなど努力が欠かせません。

漁場などに姿を現すこともあり、中には高級魚を丸呑みする被害も報告されています。
死んだ魚は食べないと考えられていたアオサギでしたが、知能が高いためか、どんどん環境に適用しています。
一度狙われると何度もやって来るので、そのたびに追い出すしかないのが現状です。
鳥獣保護法もあり、駆除も難しい状況にあります。
駆除の方法は卵を産む前の巣を撤去する、巣をかけそうな木をあらかじめ伐採するなどがありますが、賢いアオサギはあちこちに巣をかけて子育てを行います。

エピソード

アオサギは人類に近い場所にいる鳥で、水の恵みに与る代表的な生き物です。
古代エジプトには膨大な数の壁画や書物が作られましたが、アオサギが描かれたものがあります。アオサギは「ベヌウ」という聖なる鳥だと考えられていました。
古代エジプトでは、世界は卵から生まれたと考えられ、その卵を温めて孵したのがベヌウと言われています。
乾期にはどこかに消え、水が戻ると再び目に付くアオサギは生と死を行き来する「復活の象徴」と考えられ、古代エジプトで最も崇拝されていた太陽神ラーや、冥府の神オシリスと同一視されていました。

やがて、ベヌウは古代ギリシャに伝わり、不死鳥フェニックスに変貌します。しかし現在のフェニックスのイメージは「火の鳥」で、アオサギらしい風貌はあまり残っていません。
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは「動物誌」でアオサギを紹介しています。「交尾のときに騒ぎ立て、眼から血が出る」と紹介されていますが、アオサギは興奮すると目が赤くなります。
キリスト教では「アオサギは数ある鳥の中でも利口で、巣もねぐらも1つに絞り、あちこち飛んでいかずに定住する。」と賞賛しています。
西洋では基本的に良いイメージのある鳥ですが、アオサギが与える漁業被害は深刻です。イギリスでは駆逐しすぎて絶滅危惧種になるほど減ってしまった時期もあります。

日本では、どちらかといえば縁起が悪く忌々しい存在、妖怪というイメージが長い間定着していました。
枕草子では「見た目が醜い、目つきは不気味で可愛いところが何もない」と散々な言われようで、江戸時代には妖怪絵の一つにアオサギが登場します。
一方で、紫式部はアオサギの奥ゆかしさを賞賛しました。歌人の中には孤高の象徴と主張することもありました。
同じ鳥でも、国や時代によって大きく価値が変わる典型的な例のひとつがアオサギです。

ヨーロッパなどでは、女性の帽子に付ける羽飾りにアオサギなど鷺の羽が使われました。そのためヨーロッパや植民地ではサギの大規模な狩りが行われ、絶滅した地域もあります。
アオサギを食用にする地域は現在でも多く、中国では卵や雛を食べるために、アオサギのコロニーを保護する地域もあります。

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