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アメンボ(水黽)の生態。飼育も可、採集・餌やりのポイント

2016/09/27

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アメンボとはカメムシ目・アメンボ科の昆虫です。
湖や水溜まり等の穏やかな水面を、スイスイ自由気ままに闊歩しています。
アメンボが水に浮かべる理由は四肢の先に生えた細かい毛のおかげ。
この毛が撥水する事で表面張力が生じ、水の上に立つ事が出来るのです。
泳ぎが得意な昆虫は数多く存在しますが、水の上に立つ事が得意な種類はアメンボくらいでしょう。

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生態

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生息地

アメンボの生息地、見られる時期は次の様になっています。

  • 地域:北海道、本州、四国、九州
  • 場所:平地、小川、池、水溜まり
  • 時期:3月~10月

アメンボは北から南へとほぼ全国的に生息しています。

特に見られる時期は3月~10月となっており、初春から秋にかけて見る事が出来ます。
期間にすると長いため、昆虫採集のチャンスは多くなっています。

アメンボは穏やかな水面があればどこででも見られます。
自然の中にある小川や池、あるいは雨上がりの水溜まりでも構いません。

特徴

アメンボには次の特徴があります。

  • 体色は黒地(成虫)
  • 体長は15mm程度(成虫)
  • 四肢の先端に細かくしなやかな毛が生えている
  • 四肢の先が撥水して水上に浮く事が出来る
  • 四肢の毛は銀色と灰色が雑ざった色をしている
  • 前足後足で体重を支え、中足で水を漕ぐ
  • 翅で飛んだり足で歩いて移動する
  • 体から油を分泌している

アメンボは四肢に毛が生えている事から水面に浮かべます。
毛は細くしなやかなので柔軟性があり、複雑な波紋でもフィット。
なので少しくらい水面が乱れても浮かび続けられます。

さて、いくら泳ぎが得意でも体重が重ければ泳ぎにキレやスピードが出ません。

そこでアメンボは前後4本足で体重を極力軽くし、水面に掛かる圧力を軽減しています。

あとは進みたい方向へ中足を漕ぐだけです。

食性・餌

アメンボは主に水上に落ちてしまった小昆虫類をエサにしています。

発達した口吻をエサに突き刺して、エサの組織をジワジワ溶かします。

その後、溶けた組織を吸いとってお腹を満たすのです。

エサとなる小昆虫類は生き餌に限定されず、死んだ個体でもアメンボは気にしません。

ですから状況次第では自力で狩りをする必要もなくエサにありつけます。

わりとちゃっかりしている昆虫かもしれません。

しかしそれでもエサが見付からない場合は共食いをして生き延びます。

天敵

アメンボの天敵は昆虫類、両生類、魚類、爬虫類鳥類になります。
アリの集団に囲まれたり、水面では魚類に食べられたりします。
陸地、空、水場、アメンボの活動範囲は広範囲に渡るため天敵に狙われやすいのです。

また天候もアメンボの生存率を左右する一因です。
晴天ばかりだと水辺がなく、飛行や歩行で移動しなければなりません。
陸上では移動スピードが遅くなるので捕食される確率が上がります。
対して雨天では水面が乱れやすく、浮遊をコントロールしにくいです。
体力を消耗してしまい、徐々に弱っていきます。

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飼育について

飼い方

アメンボを次の飼育方法で飼育してみましょう。

飼育に必要な道具

  • フタ付きの水槽
  • 水草
  • 塩素を抜いた水
  • アリ、ハエ、アブ、アブラムシ等の昆虫類

アメンボを飼育する際は必ずフタ付きの水槽を使いましょう。
脱走しやすいので注意が必要です。
水槽に水を15センチ程度張り、石や水草を設置します。
アメンボはずっと水の上におらず、定期的に石に上がって休みます。
水草は水質浄化や産卵のために役立ちます。

それから水は塩素を抜いておくとアメンボも暮らしやすいです。
水槽へ入れる前にあらかじめ汲み置きして日陰に1日程度置けば塩素は抜けます。

餌やりについて

入手が簡単なのはアリですが、こちらには問題があります。

実はアメンボは『水に沈んだ』エサは食べません。
取れたてのアリは元気ですが、もがいて"沈んでしまう"恐れがあります。
なのでエサを与える際には『浮かせる』事が重要になります。

またハエやアブ等の翅を持つ昆虫は飛ぶので、翅をもいでおくとアメンボがスムーズに食べられます。

それから必ずしもエサはこれらの小昆虫類でなければならない訳ではないので色々与えてみましょう。

しかし与えるエサによっては数日で水質が汚染され、水替えが必要になります。
澱んだ水はアメンボにとって悪影響なので気を付けてください。

産卵

上手に飼育するとメスが産卵するので、そうしたら卵の孵化にチャレンジしてみましょう。

アメンボの卵は円筒状で薄黄色、大体一週間程度で孵化します。

水草にまとまって産み付けられているので、目を凝らして丁寧に探してみましょう。

卵は水面から出て乾燥してしまうと孵化しませんから注意してください。

最後にアメンボの孵化は水温と密接な関係があります。
基本的に水温が高ければすぐに孵化しますが、低いと孵化まで時間が掛かります。

採集方法

アメンボを次の捕獲方法で捕まえてみましょう。

使用する道具

  • バケツ

捕まえ方

アメンボは翅を持っているため飛び立つ事も可能です。
ですから飛んで逃げられないよう、気を付けながら網で捕獲しましょう。
またバケツに網を被せながら、アメンボを水ごと掬ってもいいですね。

アメンボは水に浮かぶ事は出来ても強い流れには抗う事は出来ません。
ですからなすがままにバケツに流れてきますし、網が覆っているので飛んで逃げられません。
捕獲の際、手足に触れてしまうと撥水具合が変化して上手に浮かべなくなる個体もいます。
出来るだけ触れないように昆虫ケースに移しましょう。

コラム

アメンボのちょっとしたコラムを紹介しましょう。

アメンボはアメの匂いがする?

アメンボという名前の通り、アメンボを指で摘まんでみると甘く焦げた匂いがします。
カラメルやべっこう飴の香りです。

アメンボの名前の由来

アメンボは飴のような甘い匂いを分泌する昆虫です。
なので飴+棒からアメンボという名前になりました。
漢字表記では水黽・水馬です。
特に水馬については水上を移動するスピードが馬のように速いのでこう名付けられました。

表面張力を崩さないプロ

アメンボが水面に浮かべるのはおびただしい数の毛が足先に生えているからです。
この毛が撥水するおかげで表面張力が発生し、スイスイ水面で活動出来ます。
さてアメンボの手足をよく見ると、手足の先よりももっと手前に鋭いツメが生えている事が分かります。
要するに水に接しているのは毛が生えた手足です。

他の昆虫類は手足の先よりも、先にツメが生えています。
つまりアメンボは他の昆虫類とはツメの生え方が違うのです。
実はこれには理由があって、撥水しないツメが水に触れてしまうと表面張力のバランスが崩壊。
これではキレイに水に浮かべません。
だからツメが手足の先よりも体側にあるのです。

最大の天敵の寄生バチを回避せよ

アメンボには最大の天敵、寄生バチがいます。
寄生バチはアメンボの卵に寄生し、十分に育ったらアメンボを食べて外へ出てくるのです。
憎たらしいかもしれませんが上手く考えたものです。

さてアメンボだって黙ってみすみす寄生されるのはまっぴらです。
そこでアメンボは寄生バチに寄生されないよう、水中で産卵するようになりました。
だから産卵時のみ頑張って水中へ潜っているのです。
潜水の際には空気を体にまとわりつかせて呼吸をしています。
空気をまとわりつかせるなんて出来るのかと思われますが、ここでアメンボの特徴を思い出してください。
そうです、撥水する体毛と油分のおかげで潜水が可能になっているのです。
こうして寄生バチの追跡をかいくぐり、安全な場所に産卵をしています。

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