肉食恐竜最強、アロサウルス!ティラノサウルスとの違いは?
2016/09/30
- 食性:肉食
- 体長:9~12m
- 出現時期:ジュラ紀後期
- 発見場所:アメリカ
- 分類:獣脚類(けもの竜) カルノサウルス類 アロサウルス科
アロサウルスは、ジュラ紀に存在した最大級の肉食恐竜です。
白亜紀のティラノサウルスとともに、肉食恐竜の代表として有名…のはずなんですが、今はティラノサウルスに全部持って行かれている気がします。
かなり前の話になりますが、1964年に国立科学博物館において、日本初の恐竜の全身骨格が展示されました。
その化石が実はアロサウルスものでした。以降40年間に渡り展示されたアロサウルスは、現在は大人になった人々の幼少期の思い出として、記憶に残っていると思います。
ただ最近では、映画や図鑑でも大きく取り上げられるのはティラノサウルスのみで、アロサウルスに関してのものが少ないことを非常に残念に思います。
なぜなら、ティラノサウルスに対してのイメージは、あくまで想像であって、事実を知ればアロサウルスの方がかっこいいと思うに違いないからです!(自分がアロサウルス好きなことも多少加味されていますが…)ではそんなアロサウルスについて熱く語りたいと思います。
アロサウルスの特徴
アロサウルスは、非常に獰猛でかなり好戦的だったと言われており、傷だらけの化石も多く見つかっています。
ティラノサウルスと違って、頭のサイズはあまり大きくなく、アゴの力もそれほど強くありませんでした。しかし、発達した前脚のかぎ爪と、優れた運動能力をもち、自分より大型の獲物に対してもひるまず向かっていったと考えられています。
つまり、凶暴な肉食恐竜を体現するような存在だった訳です。さらにアロサウルスについて注目されているのが、脳の発達です。
大型の肉食恐竜の中では、バランス感覚や、嗅覚、さらには聴覚も優れていたと考えられています。
ただ単純に獲物を追い詰めるだけなく、待ち伏せし襲いかかったり、群れを成していたという説もあります。
相手を完全に仕留めず、柔かい肉の部分だけ鋭い歯でこそぎ落とし食べるといった、無駄な労力や傷を負うこともない効率的な狩りをしていた可能性もあるアロサウルスは、ジュラ紀では食物連鎖の頂点にいたとされています。
ここまで様々なことが研究されている背景にあるのは、大小多数の化石が見つかっていることでしょう。「ビックアル」と呼ばれるほぼ完全な状態の全身化石もその一つで、状態がよく学術的にも優れているため、このような愛称が付けられました。
この「ビックアル」については、生きていた時の病気や怪我、さらには死因についても詳しく解明されており、その恐竜の一生を再現するような作品まで作られています。これは研究者の間でも貴重なものであり、その点でもアロサウルスは有名な恐竜なのです。
だんだんと魅力に取り憑かれ来たと思いますが、これだけは抑えておいて欲しいポイントを最後にお伝えします。
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図鑑などで草食恐竜と肉食恐竜が戦っている場面を表した絵の中で、ステゴサウルスの相手として描かれているのは、ほぼ間違いなくアロサウルスです。
ティラノサウルスと勘違いしている方も多いかもしれませんが、生きていた時代も全く違うのでそうではありません。
発見されたアロサウルスの化石のうち、ステゴサウルスのしっぽにあるスパイク(とげ)で傷を負ったものがありました。そのため、同じ時代を生きた恐竜同士の争いを描く際に、その2匹が選ばれているのです。
見た目の違いとしても、頭部に小さなとさかのような飾りがあるので、よく見れば分かります。これからはその点にも注意して図鑑を眺めて見て頂きたいです。
ところで、もし実際に2匹が戦うとどうなっていたのでしょう…やはり身体の大きいティラノサウルスに噛みつかれ骨まで砕かれたのか、はたまた素早い動きで翻弄し、相手を制圧できたのか…まあ私としては最初から頭がいいアロサウルスが不意打ちでやっつけると予想します。
ずるい?いえいえ弱肉強食の世界にそんな言い訳は通用しません。
今回かなりアロサウルスびいきな内容になってしまいましたが、様々な点でティラノサウルスと違うことを知って頂けたと思います。
ちなみにアロサウルスのアロとは「異なった」という意味、それまで見つかった化石と違っていたことが名前の由来ですので、間違って「ティラノサウルスじゃない方!」なんて覚え方だけはしないようにお願いします。
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